多発性硬化症Multiple Sclerosis 初診の手引き(患者編)


こんにちは。多発性硬化症(Multiple Sclerosis 通称MS)を発症して1ヶ月の岩瀬です。今はパルス3クール目で入院中です。

左半身の違和感から軽い脳梗塞だと思い、発症5日目にボタンが止めづらく、ストッキングが履けず、タイピングも上手く行かなくなったため、軽い脳梗塞だろうと考え、脳神経内科を受信し、たまたまキャンセルの出たMRIにポンと入れてもらい、その場で多発性硬化症の疑いとなりました。

しかし、そこは多発性硬化症の専門医ではありませんでした。専門医がいるのは、関東では日本女子医大、順天堂お茶の水、国立精神医療研究センター病院などと言われています。その中の1つに転院したため、疑いの初診から3週間待っての入院となりました。本当は発症より2週間で入院予定でしたが、左半身の違和感がやや寛解したため、不安でしたが、もう1週間を待つことが出来ました。もし、しびれや目眩が強くなったり、排泄障害が起こった際には、緊急で入院させてもらおうと考えていました。

さて、2つの病院で初診を受けた私ですが、これから転院などを考え、初診を受けようと思っている人に、ポイントをまとめたいと思います。

【初診時に患者が用意するもの】

・投薬歴と現在服用中の薬(特に合わなかった薬の情報)

・ここ1〜2ヶ月の風邪などの疾患歴と投薬状況

・ここ5〜6年の大きな病歴や精神疾患状況(多発性硬化症は鬱に関連あり)

・発症から現在に至るまでの身体症状をカレンダーなどに書いていく。また、入浴や運動による体温上昇で起こるウートフ兆候、また首だけ前にうつむくと背中にかけて痛みが走るレルミッテ兆候(脊髄)の有無を伝える。

・祖母、祖父、親戚、両親、家族の年齢と病歴(死去の場合その年齢と死因)

・今後の治療への希望(ただし、病状が判明したり、勉強するにつれすぐ気が代わるでしょう)

【初診時に医者が行うことが期待されること】

・治療歴(おもに免疫治療)、海外滞在歴、手術歴、アレルギーの有無の調査

・既住症の調査

・ウートフ兆候、レルミッテ兆候の有無

・視神経の調節・輻輳(ふくそう)反射…指を追うように言われるはずです。視神経。MLF症候群と呼ばれるものでは、片目が内転できず、副視や眼振を伴います。MSはNMOとの鑑別が重要なのと、MS自体も視神経炎が初発であることが多いため、良く行われる検査。私は視神経炎はないため、問題はありませんでした。視神経のみのMSは予後が良いと言われています。

【以下は初診時でなく入院時に行うこともあります】

・筋力検査(握力検査、徒手検査等)…脊髄、小脳、大脳のいずれかの可能性

・反射検査(ハンマー、つまようじ等)...おもに脊髄

・Mann試験という足を前後につなげて立つ試験、およびロンバーグ試験という立位動揺の目を開けたまま、閉じたままで1分立つ試験…脊髄、開眼時動揺なら小脳。Mann試験は健常者でも難しい人がいます。

・嘔吐反応(喉に舌圧子を入れられ嘔吐反応がないか見られる)…延髄

・その他、初診時・入院初診時には、聴覚検査、副神経、視神経に炎症がある可能性があればより細かな視覚検査などが行われます。

【転院するきっかけ】

最初の病院では、MSのことを古典型、NMOのことをアジア型と呼んでいて、知識が古い感じがしました。日光(紫外線)が良くないので自転車にすら乗らないよう、日傘をさすように言われました。また「なんとか頑張って働いている人もいますよ」と言われました。

今の病院の主治医には、日傘なども必要なく、日光はビタミンD生成のためむしろ良い、皮膚がはがれるような紫外線にだけ注意すれば良い、また働いている人がいっぱいいる、と言われ、転院を決意しました。

その他、MRIに造影剤を入れずに撮る、最新の薬の情報(フィンゴリモドとナタリズマブ)に精通していない、ステロイドパルスを1週間から考えている、または3週間以上行おうとする病院などは要注意と思われます。

検査についてはメディックメディア『病気が見える vol.7 脳・神経』を参考にしました。一応投げ銭形ですが、全文無料公開です。これからも、海外の最新情報や審査結果を聞く際の手引きなどを公開していきます。

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