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どこに立つか

あなたにとって、正しいとはなんですか。
正義とは、なんですか。

11月11日は、電池の日らしい。
電池の日に、電池で永遠を手に入れたのかもしれない島民の話が更新された。

正直、回想編は答え合せで。
不幸になる人ができるだけ少ないと自分が思うルートで答えを期待していた僕の。
願いや希望は容赦なくガシガシと踏み潰された。
システムがわからないとか、ありえないとか。
そういう批判をしてもしょうがないのだよ。
これがこの物語の現実なわけで。
いろいろな迂回ルートを通ろうとした僕を、ひねりの少ないルートでナガノ先生は踏み潰していく。

例えば禁断の魔術があって。
それには生け贄が必要だとする。
ある日、Aにとっての大切な存在Bが事故にあった。
Cが運転する車でひかれて瀕死の重傷を負ったとする。
ひいたCには悪意もなく、ひいたことも気付かなかったので救護活動もしなかった。
その瀕死の大事な存在を生かすために、Aは禁断の魔術を使うことを決断する。
そして、その生け贄に車でひいた者の子Dを選んで魔術を使い、事故にあった大切な存在Bは救われた。
しかし事故を起こしたCは復讐の鬼となり、無差別殺人をはじめた。
魔術を使った者にはそのしるしが体に現れるのだが、その確認をせずに魔術を使った者に自首することを求めた。
自首がないと、無差別殺人を続けると事故を起こしたCは言う。
市民Eたちは為す術がなかった。
Eたちは無差別殺人犯にただおびえる日々。
Eたちは好待遇の嘘をつき、助っ人を呼んだ。
何も知らない助っ人Fたちが島にやってきた。

大切な存在が事故にあって瀕死になったAの立場で考える。
その存在を助ける方法があるならば、罪を犯すかもしれない。
魔術が本当か嘘かはわからない。
しかし、その方法に縋るかもしれない。
大切な存在の命が助かるならば。

事故を起こしたCの立場で考える。
自分は本当に気付かなかった。
かわいそうではあるが、本当に不幸な事故であった。
なのに自分の愛する存在を奪われた。
怒りに狂うだろう。
その存在は、帰ってこない。
誰かの命と引き換えに。

市民Eたちだとどうだろう。
自分たちは何も知らない。
なのに、襲われ、仲間が殺されていく。

助っ人Fたちは?
罪なき市民を守るために命を懸けて戦う。
守ろう、この者たちを!

僕はどうしても、この助っ人の立場だ。
今回の話でいえばメインキャラたち。
セイレーン(C)もクズ。
葉っぱたち(A・B)もクズ。
どっちにも感情移入できない。
事情はわかる。
しかし、おまえら当事者の間でオトシマエつけろよって思うのが正直な気持ち。
他人を巻き込むな、と。

それしかない。
どんな結末でも、後味が悪い。
ちいかわたちには早く島から帰って、日常を取り戻してほしい。
それだけを願ってしまう。
こんな思い、不変ではない正義や正しさのテーマを、ちいかわでやりたかったのか。
なんのために。
ちょっと、疑問に感じてしまう。

立つ場所によって正義は変わる。
立場が変われば正しさも変わる。
絶対的なものはない。

ちいかわの不条理って、こんなんじゃなかったはず。
僕は勝手にそう思ってしまうのであった。

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