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「ヤマトの貨物専用機就航、北九州から半導体関連など輸送」に注目!

ヤマトホールディングス(HD)と日本航空(JAL)の貨物専用機「フレイター」が11日、北九州空港で運航を始めました。北九州を結ぶのは当面は成田、那覇の2路線で1日4便。8月ごろには羽田路線も加わり、1日6便に増える見通しです。トラック運転手の時間外労働の上限規制が強化された「2024年問題」を受け、九州から半導体製造装置の部品や農水産品などの長距離輸送に活用します。

ヤマトはJALグループの格安航空会社(LCC)のスプリング・ジャパンに機材をサブリースし、運航を委託します。欧州エアバスの小型貨物機「A321-200 P2F」を使います。最大積載量は28トンで、10トントラック5〜6台分にあたるといいます。

この日の就航記念セレモニーでヤマトHDの栗栖利蔵代表取締役副社長は「2024年問題の解決策の一つにしたい」とあいさつしました。

ヤマトは成田経由で輸出できる利点を生かし、半導体関連のほか、ベアリングなどの自動車部品、建材などの集荷を見込みます。積載スペースの空きは宅配便サービス「宅急便」で埋めます。ヤマトの担当者は「競争力のある運賃で法人顧客を開拓し、宅急便以外の貨物が半分以上になるようにしたい」と話しました。

当初は2機で運航し、8月ごろに1機追加します。24時間運用できる北九州空港と羽田の深夜枠を使い、深夜帯の需要が大きい貨物の取り込みを狙います。

2023年7月18日にヤマト運輸と北九州市は物流の活性化を地域産業の成長につなげる物流連携協定を結びました。当時の調印式で、ヤマト運輸の栗栖利蔵・代表取締役副社長執行役員は「(北九州空港を)24時間空港としてしっかり活用することが半導体の荷物に取り組むなかで大事になる」と連携の狙いを説明していました。

また、11月に「フレイター」を北九州空港で報道陣に公開した際、ヤマトHDの担当者は「航空貨物の輸送コストは陸送の1.5〜2倍かかるが、今後は陸送が上がってくる。スピード輸送の利点もアピールして、まずは航空貨物が使えることを広めたい」とコメント。フレイターが就航することで北九州空港に爆発物を検知する貨物用X線施設が整備され、旅客機への混載も合わせて物流機能が強化されます。

最終的には1日21便を運航する予定とのことです。2024年問題を踏まえ、安定的な輸送力の確保やサービス品質の維持・向上を図るヤマトホールディングスに、今後も期待しています。

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