スポーツが持つ_つながる力_が_今後の社会とコミュニティには必須

スポーツが持つ”つながる力”が、今後の社会とコミュニティには必須

こんにちは。コミュニっティのnagata(@SsfRn)です。

先日参加した、サイボウズ主催「新しいカイシャについて語ろう」(レポートはこちら:コミュニティこそが、新しいカイシャのあり方)にて、ファシリテーターを勤めていた方からお誘いいただき、「Creative Sports JAPAN 渋谷から始める、スポーツを活用した未来づくり2018」に参加してきました。

このマガジンを読んでいただいている方は、あまりイメージがないかもしれませんが、私はもともとスポーツビジネスへの関心がとても高く、スポーツが持つ”つながる力”ってとても偉大だし、魅力溢れる力だと思っています。ということもあり、今回はスポーツの話題をコミュニティの観点と絡めてお届けしたいと思います。

なお、こちらのイベントもボリューミーでしたので、前後編の2部構成でお届けします。今回は前編になります。

それでは、お付き合いください。


Creative Sports JAPAN 渋谷から始める、スポーツを活用した未来づくり2018とは

まずはこちらのイベントについて、ご説明したいと思います。

Creative Sports JAPAN 渋谷から始める、スポーツを活用した未来づくり2018とは

スポーツを活かしたまちづくりに挑戦しようとしている「渋谷の地」で、2020年以降の日本のスポーツを担うであろう人たちが集い、スポーツを「する」「見る」「支える」だけでない、スポーツを「活用する」新しいムーブメントを一緒に起こしていきたい。

という願いを込め、スポーツの価値を活用した取り組みを行なっている人 / 取り組みを始めたいと思っている人を、対象とした参加型トークイベントです。

具体的な内容としては

①スポーツの価値を活用し様々な取り組みを行なっている実践者が集い、互いの取り組みを共有します。
②その上で、2020年以降の「スポーツを活用した未来づくりの可能性」を探索します。
③最後に、「渋谷」をフィールドにスポーツを活用した新たなアクションを創造していきます。

としています。分かりやすく言うと、スポーツの未来づくりについて話し合う、参加型のトークイベントのようなイメージになります。

主催は、Creative Sports JAPANさんで、そのメンバーには

杉原 海太(FIFA consultant)
村松 邦子(株式会社ウェルネス・システム研究所)
小林 忠広(NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブ代表理事)
上井 雄太(株式会社フューチャーセッションズ)

の4名の方で構成されています。

あらゆる方面から、スポーツに携わる面々で、また参加者の皆さんも様々な立場の方がいらっしゃって、とても楽しく有意義な時間となりました。その様子をお伝えしていきます。


2025年以降のスポーツの在り方

まずは、FIFAに務める杉原さんのセッション。「スポーツを活用する価値創出の可能性」というテーマでお話いただきました。

杉原さん「僕はFIFAということで、スポーツビジネス、国際サッカーが本業です。その視点から、”本日のイベントはこう見えます”という自分の感覚をシェアして、この後の皆さんとのディスカッションに、何か刺激を与えられればなと思っています。」

FIFA というスポーツビジネスの最前線から見た、このイベント、参加者の私たちは、どのようなものなのでしょうか?会場が杉原さんの次の言葉を、食い気味で待っているそんな雰囲気です。

杉原さん「そもそもスポーツってなに?って話なんですけども、ポイントは”遊び”。遊びから派生してるんですよね。なので、それでお金を稼ぐ、生計を立てていくという発想は、あんまりなかったんです。アマチュアリズムというのが元々、近代スポーツを始めた人と言われるクーベルタンさんが”スポーツによる金銭的な報酬を受けるべきではない”という発想を提示し、それが長らくあったんですね。この流れが1980年代ぐらいから、少しずつ変わってきました。それはロス五輪ぐらいからで、きっかけはやはりメガイベント。オリンピックもW杯もお金がかかりすぎる。できるだけ、税金投入とかで凌ぐのではなくて、自分たちで稼いでコストをカバーできないか?というのが一番初めでした。その辺ぐらいから様々なところで、メガイベントが”自分たちでお金稼いでいこう。そうすれば、アスリートにもお金が回せるし、強化費にも使えるし、スポーツが発展していくだろうと考えたんですね。胸スポンサーやら、看板スポンサーやらと、簡単にいうと広告モデルです。”スポーツの露出価値のマネタイズ”という本を書かれた方は元電通の方なんですが、ここで”サッカーはメディアなんだよ”と言っています。これがスポーツビジネスの本質を端的に表しているなと。どういうことかと言うと、”スポーツをやる→みんなが観る→そこに広告価値が発生する”基本的にこういうことなんです。人気あるサイトに広告を出すのと、本質的には変わらないんです。」

スポーツの発展経過を説明してくれた杉原さん。現在のプロスポーツビジネスのビジスネモデルは、杉原さんのおっしゃる通り、広告モデルです。ただ、このビジネスモデルだけで今後も継続していくことができるのでしょうか?

杉原さん「ただ、この露出価値のマネタイズは、1980年ぐらいから始まったんです。なので、まだ30年ぐらいですね。これひいて見るとたかだか30年です。なので、これだけがスポーツの価値をマネタイズできる範囲なのか?と言うと、どうなのかなと。勝手な仮説ですが、露出価値以外の価値ってありますよね?実はそれがこの先30年ぐらいで、マネタイズ含めて発展するってことが起こるんじゃないか?と。もっと言うと、日本って社会課題がいっぱいあるじゃないですか?メディアとかで働き方とはとか出てますけど、それってスポーツを使って解決することはできないんですかね?スポーツを使って社会課題を解決する良いチャンスじゃないかと思っています。スポーツ庁が経済産業庁と一緒に指針みたいな、この先のスポーツとはなにか?というのを出してまして、そこで”スポーツ産業化”と書かれています。この先30年では、欧米がスポーツでどんどん稼いでいく、我々も稼がないとダメだ。とそういう感じです。それはわかりますが、ただ、そのアジェンダだけなのかというのが、個人的に気になってまして。我が国GDP600兆円なんですけど、このプランというのはアベノミクスを達成するためのものです。ただ、アベノミクスといっても、あと数年では、、、?というのが正直なところです。」

杉原さん「ポスト平成で求められるものはなんですか?となった時に、出てくるのはこれら(上記画像白枠内の項目)なんですね。こちらの本の抜粋なんですけども。健康寿命、地域コミュニティを含めた人々の繋がり、生きがい、学び直し可能な教育、100年生きるから、大学まで学んでその後40年間ぐらい働いて、というのでありません。学んで、働いて、学んで、働いての繰り返し。それも正社員で男で、だけでなく、もっと多様なレールに乗ったり降りたりが可能な世の中ということです。これって、スポーツでできることたくさんありますよね?というか、そのものズバリですよね。これを読めば、スポーツの人間であれば同じことを思うはずです。なので、欧米のスポーツビジネスに追いつかなきゃというのはもちろんわかりますし、日本のスポーツビジネスが遅れていることがあるというのは事実です。ですが、それよりは日本型で、日本の2025年以降の日本に役立てるようなスポーツの在り方が必要だと思います。現状のスポーツ界は、その競技が好きなのか?マーケティングの方か?しかいないんですね。その人たちは、2~3面でスポーツの価値を見ています。しかし、本当は全部の価値がマネタイズも含めて活用されるようになると、スポーツ自体がより良くなっていくと思います。スポーツ村だけでなく、色んな人が混じり合って、欧米スポーツに囚われすぎず、自分たちで考えて、自分のたちのドメインとスポーツでどういう活動ができるかな?と広い視野でやっていくと、新しい日本型のスポーツ活用ができると思います。」

スポーツの価値を、経済面やビジネス面の切り口で披露した杉原さん。今後、日本で必要になっていく要素を考えたら、確かにスポーツが活躍できる場所は多いような気がします。個人的にも、スポーツのつながりの価値みたいなのには、特に注目していますし、2020年以降はまた違ったスポーツの在り方が、どんどん出てくるのかもしれません。この話について、参加者からは「つながらなきゃいけないって世の中にならないか?」という声も聞こえてきて、そこのバランスはとても大事なのかもしれません。


渋谷のまちづくり

続いて、渋谷区としての取り組みを紹介。若者が集まる東京の経済圏では、どのようなスポーツを活用した取り組みが行われているのでしょうか?村松さんの冒頭挨拶が終わると、渋谷区役所の笠間さんがお話を始めました。

笠間さん「渋谷区役所の笠間でございます。渋谷区には基本構想というのがありまして、スポーツのところでは健康とスポーツ、”思わず体を動かしたくなる街へ”と掲げています。渋谷区では15平方キロメートルの広さなんですけど、渋谷区を大きい運動場と捉えようという活動をしています。これまでのスポーツって、競技が推されていて、スポーツは辛いものみたいな時代はありました。でも、本当はもっともっと身近なもので、”生活の中に溶け込むようなスポーツとしてやっていこう”そんな発信をしています。渋谷区を運動場として考えようよということで、取り組んでいます。運動場や体育館だけではなく、場合によっては道路とか屋上とか。全部使って動けるような環境を目指しています。身近で誰もが親しみを持ったスポーツがあればいいなと。」

競技スポーツからライフスタイルスポーツへ。価値観が多様化する中で、スポーツの在り方も変わってきています。先ほどの杉原さんと、とても類似するお話です。スポーツにまとわりつく場所の問題。ここにも着目しているとのことで、今後渋谷区がどのように変わっていくか楽しみですね。ここで村松さんにバトンタッチです。

村松さん私たち委員が大事にしてきたのは、”渋谷らしさ”というところなんですね。渋谷らしいスポーツ推進計画ってなんなんだろう?ということで、区民、スポーツ推進委員、学校関係者、中学生の方たちにもご意見を聞いて、計画をまとめてきました。渋谷区の「ちがいを力に変える」、「思わず体を動かしたくなる」という基本メッセージをどのように具現化していくのか?というところを検討してきました。特徴だけお話しますと、行政だけに任せるということではないのではないか?社会連携でやっていきましょうというところが、非常に大きなメッセージになります。それをベースとして、誰が組んでいったらもっともっと良いものができるのだろうか?という視点も推進計画に盛り込まれています。心の豊かさであったり、持続可能な社会であったり、それらを重視する視点も組み込んでいます。あと、渋谷はIT企業がすごく多いので、スポーツ×ITで”スマートスポーツシティ”という渋谷らしさ。15平方キロメートルの運動場、シェアリングの考え方も、豊かなスポーツ文化に繋がるのでないかと思います。そして、渋谷区だけではなく、国や東京都との連携も提案しています。」

スポーツ推進計画がどういうものなのか?これをわかりやすく説明していただいた村松さん。これを聞いてると、渋谷にどのようなスポーツ文化が育っていくかがなんとなくイメージできたかと思います。あとはどう形にしていくか?渋谷区だからこそできることも多いと思いますが、これが一つのロールモデルとなっていけば、より国内にこのような動きが広まっていくかもしれません。

続いては、元プロテニスプレイヤー杉山愛さんの母親である、杉山芙沙子さんによる、”すぽっと”のご紹介。

杉山さん「我々はスポーツ教育、教える、育むではなくて、共に育つという教育を使わせていただいております。すぽっとは”スポーツをもっと”というところから、すぽっとと名付けました。」

共に育つという、これまでの教育というワードから連想するイメージとは、また一味違った発想の教育です。すぽっととは、”「スポーツを通した新たな子育て」共育モデルを全国に発信する”をコンセプトに子供たちにスポーツを体験してもらう、また親である大人たちを対象に、様々なプログラムを用意しています。こちらのセミナーはとても人気らしく、あっという間に予約が埋まってしまうそうです。例えば、「子どのための栄養学」であったり、「ママの気持ちがよくなるコミュニケーションセミナー」など、多種多様です。また、ゆるスポーツダブルダッチといった、敵を作りにくく、教育にぴったりなスポーツを体験できたりもします。ぜひ、気になる方はHPをチェックしてみてくださいね。(詳細はこちらより

続いて、ご本人がパラアスリートであり、渋谷区スポーツ推進計画策定委員会委員である、木村潤平さんのトークです。障害者スポーツに着目して、アメリカのNPO法人のご紹介です。

木村さん「日本における障害者スポーツへの取り組みは、まだまだこれからの部分が多いです。普及や育成というところについて、特にサポート強化をしていく必要があると思っています。そんな中で、一つ紹介させていただきたいのですが、アメリカのチャレンジアスリートファンデーションという民間支援団体です。障害者スポーツの普及・育成に特化した団体です。これはNPO法人でして、13人〜16人ぐらいの人数的には少ない団体です。しかし、やってきたことはなかなかすごいんです。1994年〜2017年までで87億円の資金を個人・スポンサーから集めていまして、世界の障害者1万3,000人以上へ資金提供が実施できていると。さらに独自の普及プログラムを実施しています。この団体のミッションとして”障害者がフィットネスや競技を通じて、活動的な生活が送れるように、機会を与えると共に支援すること”だという風にあります。」

日本で徐々に熱が高まりつつある障害者スポーツ。アメリカでは、これだけの資金を集めることができる団体が存在している、この事実には驚かされました。現状の日本にいてはなかなか考えられないことですからね。ただ、このミッションの話を聞いて、腹落ちしました。コミュニティ作りに必須な考え方〜ゴールデンサークルの重要性〜の記事でも書きましたが、whyの部分が明確である組織が強いんですよね。そして理念、アクション、組織の在り方、ここに一貫性がある必要もあります。その点、この団体では、NPOという組織(これ強み)で障害者スポーツへ着目、彼らをターゲットにしたイベント等を実施や障害者への支援、などとても綺麗な一貫性があることがわかります。きっとこの団体は”なぜやるのか?”を打ち出して活動しているのではないでしょうか。


Jリーグが取り組むプラットフォーム作り?

続いては、Jリーグで勤めていらっしゃる藤村さんのお話です。

藤村さん「皆さん、この写真(上記の写真)を見たことありますか?これはFIFAが選んだ”世界で一番驚くべきフットボールピッチ”のナンバー1に選ばれた写真です。渋谷の屋上のフットサル場なんですけども、世界の人からしたらこれがとんでもねえと見えるらしいです。笑 これが渋谷のひとつの姿です。」

サッカーが彩る渋谷の街並み。私たちの身近に、どれだけスポーツがあるかってことがわかりますね。これが渋谷区が今後実現したい世界観の一部なのかもしれません。

藤村さん「サッカーを強くしたり広げたりとか、国際スポーツにするというのも大事なんですが、一番大事なのは”豊かなスポーツ文化を実現するためにJリーグを作ったんだ”ということです。これは設立の理念です。一番の目的は本来ここなんです。ここをどれだけ取りに行けるか。”スポーツでもっと幸せな国に”ってことに貢献したいというふうに我々は言っております。例えば、色々なクラブが障害者の方との交流する、そんな活動をしていたりするんです。他にも様々なホームタウン活動を実施しているのですが、それで本当に地域が豊かになったり、地域の発展に貢献できているのかなというのが、我々の最近の問題意識です。だから、それぞれのクラブが実施している活動って、皆さん知らなかっただろうし、それぞれがバラバラに活動しているだけになってしまっているのかもしれないなと。これまで、スポーツはする、観る、支えるだったと思うんですけど、ここに”つなげる”キーワードが出てきてて、それが一番大事なところだと思います。クラブがもっと力を合わせて、地域の人と新たな繋がりを作っていく、地域の人たち同士の繋がりに貢献していくというのが、本当はもっとできるはずなんじゃないか?というのが今の我々の問題意識です。サッカーをもっと社会に向けて使って、果たすべき本来の役割、、例えば、違いや壁を超えて人々を結びつける力をもっと活用したりとかですね。そういう方向に向けて54のクラブがJリーグと一緒に、新しい社会連携活動、プラットフォームみたいなのを作って、もっと質のいい活動を、もっと幅広く展開していくプロジェクトが始動しています。」

今一度原点に帰り、そこから新たな一歩を踏み出すというJリーグ。国内スポーツではここまで多くのクラブがあるスポーツはありません。ずっとJリーグは地域密着をキーワードに地域との連携を重要視して、かなりそれが広がっているようにも思えますが、また違った形での実現を目指しているとのこと。このプラットフォームがまた面白いのですが、それはまた後編にて。


ラグビー社会人チームが実践してきたこと

続いては、NTTコミュニケーションズの社会人ラグビーチーム「シャイニングアークス」のGMである内山 浩文さんと、ファシリテーターの上井さんによるトークセッションです。ここでは、シャイニングアークスが実践してきた活動を、ご紹介していきます。

上井さん「内山さんと一緒に企画して、約1年間、シャイ二ングアークス未来プロジェクトというものを、お手伝いさせていただきました。企業社員ですので、選手の皆さんは1週間の半分は社員として働いております。色々な仕事をやっているのですが、起きていたことは、職場で働いている時のモチベーションであったり、引退した後の職場での自分、というところに問題意識がありました。そこの改善にお手伝いさせていただきました。」

ディアルキャリア問題と言われるもの。設計を失敗してしまうと、社員と選手の両立がネガティブな方向へと動いてしまう。そこの改善、そしてスポーツを活用した企業事例について、ここから話が進んでいきます。

上井さん「”ラグビー選手は会社にとってどんなプロフィットを生み出せるのだろう?”。この問いを選手たちと一緒に考えて行動していきました。例えば、選手と選手の職場の上司、さらにはOBの方だったり、一般の社員の方でラグビー好きの人たちと一緒に語りながら、選手ってそもそも職場でどんな価値があるんだろうか?というのを、引き出していきました。その結果、選手の能力を活かして、より会社のいい組織を作っていこうよ!とそんなプロジェクトです。進め方として、ポジティブアプローチというやり方をやっています。なので、できないところに光を当てるのではなく、選手ってこんないいものを持っているよね!それをどういう風に活かしてこの会社をよくできるのだろうか?という方法です。」

個人的にも社会人アスリートをうまく活かしていない企業が多いのでは?と思っていました。アスリートにはアスリートにしかない価値がありますし、それは必ず組織にとってもプラスな影響を与えられるはずだと、そう信じています。それができないと、なかなか双方にとっていい影響や関係は作れない。きっとシャイニングアークスと同じ悩みを抱く組織は、少なくないかと思います。

上井さん「そもそも、ラグビー選手ってどのような強みを持っているんだっけ?その後に、それを活かしてどんな在りたい姿が作れるんだっけ?そこでみんなで能力マップみたいなものを作りました。縦軸が、行動する力と思考する力です。横軸は、1人で発揮する力と仲間に影響を及ぼす力。この4つがセッションで出てきたものを可視化したものになります。今回の取り組みでは、この2つを大事にしていこう、これをコアな能力と名付けました。それが、”仲間の力を引き出す力”と”自ら動いて周囲を巻き込む力”です。まずは、ラグビー選手が一歩を踏み出すこと。彼らが誰かから言われてやるんじゃなくて、自分たちがやりながら動くんだ!その先に、仲間を集めて広げていこう、という形で進めていきました。」

自分たちにはどんな力があるのだろうか?それをディスカッションで可視化することで、本人たちに自覚してもらう。そして、それをアクションに移すことで、自信を持ってもらう。人がアクションを継続していく上で必要なのは、何よりそれに対しての自信を持つことだったりします。

上井さん「ではこの力を活用して、何ができるの?ってなった時に、上がったのはこの3つでした。1つ目は、スポーツを活用した営業。2つ目は、地域ビジネスやCSR活動への貢献。3つ目は、社員の健康増進です。選手が自分はこのテーマでやりたい!というメンバーで別れて、その先に仲間を集めていくという流れで進んでいきました。」

この流れで進めていった結果、3つ目の健康増進で「シャイニングアークス健康アクションweek」という取り組みが生まれたそうです。具体的な内容は今回省略させていただきますが、このようにやり方によってスポーツを生かす術はいくらでもあることを証明してくれました。企業スポーツは、近年どんどん縮小してしまい、スポーツをやりたいができない人がどんどん増えています。それは、社内でもスポーツの活かし方がわかってないから起きていることだとも思っていて、単純に広告塔としての役割だけではないことを経営陣は知っておいてほしいと思います。スポーツだからこそ持つ力、アスリートだからこそ持つ力というのは必ず存在するのだと、個人的に考えています。だからこそ、このような取り組みが増えていくのはとても嬉しいことですね。


最後に

私が昔からずっと思っていた「スポーツの価値はたくさんあるけど、つながる力こそ最大の価値」であるということ。ここに、プロスポーツが気付き始めたのだと、今回のイベントに参加して、一番衝撃を受けたことでした。

これまでは、言葉では大事だよねーと聞いていても、なかなかそれが具体的なアクションに移されてこなかったように思えます。それが変わりつつある。それは、世の中として必要とされていることだったり、多くの方がそれを求めているからだったりしていて、そこにうまくスポーツを使おうという発想になってきているんですね。

スポーツを使うということ。

この発想は、スポーツ業界人だけではなく、コミュニティに関わる人であれば皆持ってほしいと個人的に思います。

スポーツほど、接着剤としての役割が強いコンテンツってないと思います。スポーツとコミュニティの関係性。ここが形になっていくと、もっと良いコミュニティが生まれるのではないかなと思います。

以上、前編でした!後編では、参加型のセッション内容をお送りする予定です!お楽しみに!


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