店舗はコミュニティ_顧客とのつながりを強くする___チャネルシフト_戦略とは_

店舗はコミュニティ?顧客とのつながりを強くする、 #チャネルシフト 戦略とは?

こんにちは。コミュニっティのnagata(@SsfRn)です。

昨日、こちらのイベントに参加してきました。朝渋さん主催の著者イベント「世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略」です。

朝渋さんの著者イベントには、前回のファンベースに続いて2回目の参戦となります(前回の記事はこちら!ファンベースってなに?「ファンの支持を強くするための3か条」)。

朝渋さんについて知りたい方はこちらを見ていただくとして、早速本題のイベントの様子をお届けしたいと思います。


チャネルシフト戦略とは?

今回、お話いただくのは、「世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略」の著者であり、オイシックスドット大地にてCOCO(チーフ・オムニチャネル・オフィサー)を務める奥谷孝司さん。今回の本で書かれている”チャネルシフト戦略”について、お話していただきました。

奥谷さん「チャネルシフトというタイトルの理由は、僕らでいうとオムニチャネルと言われるようなことを今やってきていて、これも大事です。これを作った上で、チャネルシフトを行わなきゃいけないよね、ということでこのタイトルにしております。」

タイトルについての話をしていただいた後に、具体的なその考えについて順に説明してくれました。

奥谷さん「僕がこれから話すことは、とにかく店舗の考え方を変えていきましょうということです。店舗という場所は、人が集まる場所であり、買い物する場所なんですけども、実はネットでお客さんと繋がるということが当たり前になってきていて、店舗とはどういう位置付けなのか?ネットとはどういう位置付けなのか?というのは考える必要があるなと思っています。言いたいのは、単なる店舗オペレーションをやって、ネットを使って来店させて、もう十分と言えば十分です。でも、その先を見なくてはいけないということです。先を見ているのがAmazonで、今週にAmazon Goの勉強会に参加してきました。結局Amazonっていうのは”自分たちはテクノロジーカンパニーだ”と言ってて、小売業とは言っていないんです。だけど、すごい小売もやっていると。彼らが考えているということは、ものすごく勉強になります。Amazon Goを多くの方は無人店舗という認識ですが、実際彼らが目指している世界ってレジとかお金のやりとりを無くして、接客を向上する、そこで得られる体験を向上するだということなんです。」

店舗を構えるビジネスにおいて、オンラインとオフラインの位置付けを再定義しましょうという話からスタートしました。Amazonを例題に出し、ここから学ぶことを次々と例題として出していきます。

奥谷さん「去年シカゴに行ってきまして、そこでAmazon Booksを見てきたのですが、これが非常に面白い体験でした。Amazonの世界へようこそ!というような感じで、本が並ばれているのですが価格はありません。価格をどうやって見るかというと、自分のアプリです。つまり価格も、プライム会員かどうかで値段が変わってくるんですね。なぜ、Amazonが送らずに店舗で本を販売するのか?やっぱりオフラインの体験は非常に重要であると。まだまだお客さんはオフラインで買い物をすると。しかし、ただただイケてるお店を作っても、何回もお客さんは来ないんですね。結局彼らが何をやっているかというと、どんどんAmazonイズムみたいなものを作っているんですね。これからどんどん、ネットとリアルの関係なくしていくっていう融合の世界になっていきます。なので、店舗を中心に小売をやっている方々、もしくはチャネルを持たない会社さんにこの本を読んでもらいたいと思います。うちには場がないからとか、供給している側だからとかではなくて、お客さんとデジタルが直接繋がれる。それを戦略としてやっていくということなので、単なるチャネル戦略とかではありません。本当の意味での、顧客とつながるための競争戦略だと思っています。」ここでもう一つ、そもそもの疑問として”なぜオンライン企業は、オフラインに進出していくの?”と。特にAmazonですね。それってAmazonだけのことなのか?我々ももっとオフラインやりたいんですよね。どうやって戦い方を変えていくのか?ということを知っておかないと。”結局売り上げの9割は店舗だから”という安心感でいるのか、”もう1割も売り上げをオンラインに取られている”という考え方とでは全然戦い方が違ってきます。なので、この疑問を常に持っておく必要があると思っています。」

奥谷さん「チャネル戦略は、基本的に誰でも作れます。ただ、大事なことはオンラインを基点にまずやるということです。オンラインでお客さんとつながらないと意味がない。ただただお店を出すのはちょっと違うと。それで、オンラインでの顧客とのつながりを作って、マーケティング自体を変えていくという戦い方だと思っています。チャネルシフト・マトリクスというものを作っているんですけども、これは消費者視点でお客様が意思決定をする選択という行為を、オンとオフどちらでやるのか?買うという行為をオンとオフどちらでやるのかで、色んな企業の事例が説明できるんですね。普通の会社、無印やユニクロはここ(オフライン×オフライン)にいるんです。もちろんオンラインもやっていますが、事業のメインはブランド力があって店舗が綺麗で、そこに買いにきてくれというスタイルです。もう一方で、ZOZOTOWNという会社は、選択も買い物もオンラインという状態ってことですね。基本、これが対抗軸であって、僕のやっているオムニチャネルというのは、オンとオフが社内でも対立しているので、間にアプリとかを作って、この閉じた世界でシームレスにしようというのが、オムニチャネルの戦略です。チャネルシフト戦略というのは、さらにそれを飛び越えて、オンラインに軸を置きながら、選択をオンラインにするというやり方と、つながりはちゃんとネットで持ちながら、店舗に来てもらうやり方。この2つの戦略をやるということなんですね。」

独自のマトリクスを用いての説明は非常にわかりやすいですね。皆さんも、チャネルシフトが何なのか?を理解できて来たのではないでしょうか?

奥谷さん「こういう企業が増えてきていると思うのですが、まずはネットでファンをしっかり掴んでから、どこかで小さなお店を作る。お店とはコミュニティであって、商品を触る場所。大量陳列して売るということを、お店の役割にしていないんです。(中略)これから重要になるなと思うのは、単なる店舗体験から、行動データに基づいた体験になるということです。」

オフラインの店舗は、リアルに人が集まるコミュニティだと、奥谷さん。リアル店舗が持つ役割を今一度考えてみる。それが重要なポイントです。その後も大量陳列では売れないと、一言。しかし、現状ではそれをやらないいけないシステムができてしまっています。簡単には改善できる問題でもないのです。

奥谷さん「今まで皆さん、4Pって勉強したと思うんですけど、ほとんど人がプレイスって適当になっていると思います。これから、ネットという場所、リアルという場所で顧客とのつながりを作っておかないと、二度とお客さんが戻ってこない可能性があります。そういうふうな時代に、僕がよく顧客時間という話をしますけども、お客さんがオンラインとオフラインを行き来しながら、検討・購入・使用・消費ということをします。チャネルシフトをやる上で大事なことは、カスタマージャーニーをオンとオフを分けて見ることをやるということですね。」

(WARBY PARKERのカスタマージャーニー)

奥谷さんつながりによってマーケティング要素を変革する。チャネルがマーケティング変革の起点になるんです。いくら店の自慢をされても、実際に良かったとしても、毎回行くか?と言われれば、難しいですよね。そのためには、チャネルがお客さんとの接点になっていないといけません。」

奥谷さん「エンゲージメント4Pというエッセンスがこん本には出てきます。つまり、4P、プライス、プロダクト、プレイス、プロモーションっていうのは、普通は横並列なんです。プレイス、これは店舗じゃなくていいんです。ネットでもいいです。その場所でエンゲージメントは強くなると、お客さんとのつながりが強まって、優れたつながりが良い商品を。優れたつながりが良い価格を。優れたつながりが良いプロモーション戦略につながるということです。学術的にいうと、エンゲージメントの先にこれらがあるのは意味わからないんですけど、要するに商品に対する愛着が上がるとか、価格に対する弾力性が強まるとかですね。プロモーションへの反応が良くなるんじゃないか。場所がエンゲージメントを作るんです。例えばAmazonが優れたつながり、プライム会員によるプライスとプロダクトの変革って何かと言うと、一個は圧倒的に差別する価格戦略。Amazon Booksは、Amazonプライム会員の方が、25%ほど安いんです。早く日本にもそういう小売業ができた方がいいと思うんです。お客様が神様ですと言いながらも、実際には安くしなくてもいい人にまで安くするのは、違うなと思います。」

奥谷さん「Amazonはカスタマージャーニーも綺麗にできていまして、やっぱり選択・購入・使用・消費っていうのを、ちゃんとAmazonの中、もしくはkindleの中でしっかり知っています。何を買ったからどんな価格で販促しようかな?とか、価格安くしてあげようかなとか、買わなくなったからこういう商品を提案してみようかなとか。これをオンとオフ、両方でできるように今なってきているということなんですね。これをやらないといけない。」

奥谷さん「これから物を売る場所っていうのは、パーソナライズ化していかないといけません。ただ単にお客さんに接客している場合ではなくて、あなたにはこの値段!あなたにはこのサービス!ということが必要です。それをやるには、デジタルでつながらないとできないんですね。でも、デジタルでつながれれば、メーカーさんが小売に過度に依存する必要もなくなると思います。どういうつながりを作るか?ってことを考えれば、ダイレクトカスタマーだってできると。ただ、特別なオフライン体験を、お店以外でどうやって作るのか?っていうことを考える必要があります。どんどんマーケティングをやっていく上で、こういうチャネルシフトを実践していくには、テクノロジーとの連携ってすごい大事になってくるんですね。Amazonダッシュはどうやってできているのかわからなくても、お客さんからしたらシンプルですよね。ボタンをポチッと押せばなんとかなりますね。お客さんはどんどんレイジーになっている部分もあるので、オフライン体験を良くしていくという意味では、ITが大事。チャネルシフトをするということは、オンラインに出ていくということになりますので、デジタルの力を使って、いかにオフライン体験を大きくしていくかということを、やれる時代がきたと思っています。これをやれるという意味で、チャネルシフトという本を活用して、勉強していただければ、いいんじゃないかと思います。オンライン起点でのビジネスモデルが大事になっています。そして、いかにお客さんとデジタルでつながるか?その先に良い体験を作れれば、新しい小売体験が作れるのではないかと思っています。」

とても濃密な25分間。チャネルシフトとはなんなのか?それが大事である背景から、実際に実践するために必要なことまで、詰め込んでいただきました。一つのキーワードして”つながり”が何度も出て来ましたが、ここをいかに設計できるか?ということ。コミュニティには欠かせない”つながり”。業界関係なく、全てのジャンルにおいて無視できないキーワードになっていると痛感しました。


話すのではなく体験させよ!

続いては、オイシックスドット大地にてCMT(チーフ マーケティング テクノロジスト)の西井敏恭さんと、奥谷さんによるトークセッションの時間です。司会進行には運営の井手さんが入り、大きく4つの質問に答えていただきます。

Q1.この本を読んだ西井さんの感想は?

西井さん「このイベント出ないといけないということで、先週末急いで読んだんですけど。笑」

奥谷さん「申し訳ありません。笑」

西井さん「全然くれなかったんですよ!先週やっとくれたので間に合いましたが。笑 僕奥谷さん付き合いが長いんです。奥谷さんって本当に真面目。英語もかなり堪能ですし、海外行ったりとか。普段英語の論文とか読んでますよね?」

奥谷さん「そうですね。趣味ですね。」

西井さん「実は今までいっぱい話してきてて、エッセンスとかも聞いてました。事例とか面白いなとか、奥谷さん詳しいなとか、そんな情報を、この本を読んでちゃんとした知識になったなと思いました。それは何かっていうと、さっき出ていたフレームワークみたいなお話がしっかりまとまっていることです。すごく思ったのが、この書籍ってやっぱり、ちゃんと体系立てて知識を入れるのにものすごく役に立ったなというのが、一番の印象でした。体系立てることで、点と点で話していたことが繋がると。例えば、さっきのフレームワークの話もそうなんですけど、Amazonの事例ってEコマースの人だとみんな聞いてると思うんですね。ただ、なんとなくすごいなと。テクノロジーすげーなみたいな感じだったり、でも真似してもしゃーないなとなってしまう。どうしたらいいかわからないところで、ああやって整理していただくと、自分のビジネスやる時にどう活かしたらいいかがわかるんです。点と点が線になったなと感じました。」


Q.チャネルシフト時代において、お二人がオイシックスで、どんなことをやろうとしているのか?

奥谷さん「いよいよやりたいことができるなと思っています。2年半ぐらい何をやってきたかというと、通販企業とかネット企業に対する危機感としてあるのは、ブランディングの弱さ。いわゆるデジタルマーケティングは強いけども、一般的なマーケティングの弱さです。毎日顧客を見てしまうと、ついついお客さんを追いかけてしまうと。追いかけすぎてしまうと。もちろん、明日明後日ダメになるものっていうので、売り切らないといけないてことで、そこへの執念と達成はすごいんです。デジタルの、シェアも圧倒的に高いと思うんですけど、そのままやり続けると、ブランドって毀損すると思っています。少しでも、儲からないこともやる必要はあると思っています。できたら(ユーザーが)もっとオイシックスを自信持って実践してもらうとか、街を歩いていたら突然オイシックスを見かけるとか、え!こんなことやってんの!?ってことを仕掛けなきゃなと思っています。異業種とのコラボをやったりとか、こんなコラボやるの!?みたいなことをやって、マーケティング業界で当たり前ですが、外に対してそれを可視化していくということです。ここから何をやるか?ようやく、4月から店舗を見ることになります。店舗化率を増やさないといけないんです。真面目にお店をやろうと思っていなくて、オフラインオフラインでやってしまうと、イオンさんとかの方が有利ですよね。僕らがやるべきことは、オンラインへの入り口としての体験作りだと思っているんです。その形態が店舗になるかもしれないし、移動販売店舗になるかもしれません。なるべくデジタルのつながりを使ったお店作りが、店舗体験作りができるようにやりたいなと思っています。」

西井さん「無人店舗とか作るんですか?」

奥谷さん「やりたいですね〜!笑」

会場「笑」

井手さん「西井さんは構想されていることとかあるんですか?」

西井さん「そうですね。奥谷さんの本を読んで、オムニチャネルというのは、場所の移動じゃないということがわかりました。例えば普通のスーパーを経営してると、今日は大根が何本売れて、白菜が何個売れて、みたいな商品別の売り上げがあっても、誰に売れたかというのは別に見ていません。でも、オムニチャネルのやつでどこで売ったかというのを変えるだけなら、ただ売っている場所を変えているだけなんですけど、そうじゃなくて、オムニチャネルで人を軸にするべきだと。僕の本でも書いているんですけど、結局デジタルにして何が変わるか?一人一人を認識できるようになって、その人を初めての時なのか?2回目の時なのか?によってコミュニケーションを変えられます。簡単にいうと、いわゆる楽天とかでいう食品ECと何が違うかって、繰り返し買ってもらうことが特徴なんですね。定期っていうのに入ってもらって。お客さまが何回も何回も使ってもらうと、よく買う商品が自動的にカートに入ってきたりとか。それで最終的に生産性まで上げていきたいなと思っています。お客さまの購入履歴を見て、対応していくという。」

奥谷さん「パーソナライズ化ですね。」

西井さん「そうですね。なんか、完成してないけども、そういうことをやりながら、実は生産のところとかも最適化していくと、実はプライスも変わっていったりとか、農家さんに対するリクエストが変わっていったりとか、そういうこともできるのかなと考えています。それがまさに、オイシックスが強みとしていて、食品の定期販売を極めようよという話をしていて、それは裏側の仕組みもそうだし、配送業もそうだし、パーソナライズ機能もそうなんだけど、全体で作っていくと。その上に、奥谷さんが言っているブランドというのがあります。オイシックスブランド含め、色んなブランドがあると、それぞれ買いたいブランドの物を、便利にたのしく変えるというのをやりたいですね。僕はどちらかというと、システムとかマーケティングとかを作りながら、奥谷さんに店舗の体験とかブランドを作ってもらうと。だから、戦略や目指しているところとか一緒で、それぞれやっている感じですね。」

井手さん「これからAmazonフレッシュとか、競合サービスに対して、差別化するポイントはどこですか?」

奥谷さん「Amazonに学んだ方がいいと思うんですね。今までの小売業とか、物作りとか、ブランドは常に大事だと思います。ただ、良いものを作って売れるか?というと、そういう時代ではないんです。若い人にとってのブランドも、昔の人のように歴史あるブランドだけが好きではなくなってきています。なので、ここでつながりというものが出てきます。急速につながりは作れる。でも、ブランドは歴史がかかるんです。なので、デジタルで強烈なつながりを作ればいいと思います。ファンをしっかり捉えれば、うまくビジネスがいく。

西井さん「奥谷さんの本読んで改めてAmazonやべえなと。もしかしたら、商品全部原価で売っても儲かる仕組みになっちゃうんですよね。価格競争が全くできなくなると、ユーザーも全世界Amazonプライム会員みたいなことって全然あり得る。じゃあそこで我々はどういう風に、共存していくのか?というと、食に詳しくなればいいなと思っています。食のプラットフォームだったり。本でAmazonに負けても、食には負けないようにすればいいなと。毎日何を食べたり、どういうものが嫌いだったり、そういう情報をちゃんと溜め込んでいって、お客さんに接していくと、そこはオイシックスの方がいいな。というようになれればと思っています。」

奥谷さん「今まさに言っている、20世紀の4PはこのままいくとAmazonが全部取っちゃうんですね。なので、僕らは特別なプレイスを作っていかないといけないんです。オンなのかオフなのか、家なのかレストランなのか、どこでも”やっぱりこの銘柄がいい”と言わせないといけない。それが作れないと負けてしまいます。」

Q3.チャネルシフト時代において、メーカーは、どうあるべきだと思われますか?

西井さん「こんな難しいの奥谷さんにしかわからないと思うので、どうぞ。笑」

奥谷さん「僕はずっと言ってるんですけど、一応今の小売の状況は9:1です。9割がオフラインで1割がオンラインなです。それで通用するところはそれでいいのかもしれませんが、今の時代、チャネルというのが売るというものにするのではなく、つながるというものにするのであれば、メーカーさんはいつでもダイレクトにつながれると思うんですよね。買うまでのことには力を入れますが、使用している時のエンゲージメントをもっと考えた方が良いですね。パンやらビールやらシール集めて応募するやつあるじゃないですか?僕だったら、QRコード置いて、それでピッてやればいいようにしますね。そこから顧客のデータを取って、どこで買いましたか?とか、飲んでいる状況を教えてくれとかの情報を取れるんです。そういうことやった方がいいなと思いますね。それ売れるかどうかって関係ないんですよね。売れるまではトラディショナルなマーケティングがサポートすればいいので、その後の使用消費部分のために、デジタルマーケティングが必要だと思います。ECじゃないデジタルというのは、使用消費を見るんだ!という感覚でやった方がいいですね。」

西井さん「それって結局ブランドですよね?ブランドの形がそういう風に変わってくるのかなと思っていて、今までって利用前までのことにブランドという意識をマーケターが持っていたと思います。もちろん、利用前も大事です。けど、それ以上に利用後が大切で、1回使ってから、2回の接点がいかに大切か。2回目の接点を持つと、3回目4回目と比較的記憶に残るんです。これがいかに作れるかってことと、今ってメアドとパスワードがベースですけど、アプリができるともっともっとライトになっていくんじゃないかなと思います。個人認証というのが比較的軽くなった時に、今以上にお客さんのこと理解できるし、接点持てるようになるからこそ、どうコミュニケーションとれるか?どうエンゲージメントを高められるか?がその人にとってのブランドになるんじゃないかなと思います。」


Q4.チャネルシフト戦略へ舵をきりたくても社内の理解(特に経営陣)を得ることが難しい場合、どのように社内を説得すればいいか?

西井さん「僕が書いた書籍では、要は経営者がデジタルを理解できない会社にいても無駄だからやめろと書いてあるんですけど、もうちょっと深掘りして真面目な話をすると、一つは経営層が若返っていく必要がすごくあると思っています。今の大きな企業って、経営層がデジタルを理解できるわけがないとか、僕はオイシックスですら危機感を持っているんですが、本当はもっと若い人たちが、理解している人が進めるべきなのかなと思います。ただ、理解度が低いことって、僕は体験から変わると思っていて、僕は旅行に行くことで色んな世界を見ることで、色んな考えが変わったりした部分もあります。奥谷さんは、実際に向こうに行って、Amazonを体験されて変わったところもあると思います。なので、やっぱり言葉で言ってもわからないわけですよ。実際にその上海に行くとして、上海のタクシーでは現金を受け付けてくれないんですよ。全部QR決済なんですね。QR決済じゃなかったら、あそこでプリペイドカード買ってこいとなるんです。この世界観を見た時に、そこでヤバいと思わない会社は辞めたらいいんじゃないかなと思います。結局辞めろという話なんですけど。笑」

奥谷さん「辞めたらオイシックス来てね。笑」

西井さん「笑。でもだから、言葉で言っても難しいところはあると思うんです。よくあるのが上の人が”俺スマホよくわからない”とか、デバイスの話をするんですけど、デバイスの話じゃないんです。体験の話なんです。実際に行って、体験してもらえると理解が得られるんじゃないかなと思います。」

奥谷さん「まさに体験はすごい大事。もうちょっと現場レイヤーの話に落とすとすると、、、まずはオンラインの売り上げを上げてみるというのも大事で、その次にオムニチャネル、オンとオフを活用するみたいなやり方があると。自分自身もいきなりやったわけではなくて、最初はよくわからないECを勉強して、ECの売り上げを上げ続けたんですね。デジタルとかいきなり言われても理解されないので、まずはお店の売り上げをあげる。それで、デジタルのECに止まらないで、次のステップへ行く。会社はどっちからやりたいですか?ということもあって、逆にデジタルマーケティングばかりやっている会社は、ちゃんとECもやって、ECの売り上げも上げる。ただし、そっちばかりやると、今度は刈り取り型になっていってしまうんです。このバランスが大事で、両方の小さな成功体験を得て、説明責任を果たす。理解できるように説明すればいいんです。実際は、それ大事だなという味方を増やせるかが大事です。me tooを増やせるかです。」

西井さん「社外の人にそういうのを言ってもらう、ということもいいと思います。奥谷さん連れてって、社長に言ってもらうと。笑 社内から言うと”生意気だな”となってしまうから、外からちょっと偉い人を連れてって言ってもらうと、ヤバいとなるんですよ。」


最後に

Amazonを事例に上げて、これからのマーケティング戦略としてチャネル戦略を提唱した奥谷さん。とても刺激的で、未来の世界をイメージさせられた、わくわくするひと時でした。

また、この中でも出てきた”つながり”というキーワード。ここをどのように設計して、短期的ではなく長期的な戦略にできるか?これって、コミュニティにおいても同じ話ができると思っています。体験をいかにデザインして、つながりを強くできるか?これはコミュニティマネージャーも考えてみると、ユニークかつ強いつながりが実現できるかもしれません。

今回も長文を読んでいただき、ありがとうございました!

それでは!


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★今回オススメしたい本

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