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コミュニティにおいてのリアルな場の重要性

こんにちは。コミュニティ情報のおっかけnagata(@SsfRn)です。

いきなりですが、最近ではオンラインサロンというコミュニティプラットフォームができています(DMMオンラインサロンなど)。facebookでもグループページあるし、LINEグループを活用してるコミュニティもあるかと思います。つまり、オンライン上でのコミュニティがどんどん増えてきていますよね。いつでもどこでもコミュニケーションが取れて便利だし、なんかコミュニティできてる感があるもの事実です。

ただ、このオンラインに頼りすぎてはいませんか?

今回はコミュニティとオフラインであるリアルな場について。


リアルな場って必要なの?

私は必ず必要だと思っています。それも、定期的に提供していく必要があります。

この重要性を感じたのは、とある体験からでした。

私は、もともと関西の人間なのですが、転職を機に東京にやって来たのが2014年の秋。そのタイミングで出会った同い年の学生がいました。彼と同じ問題意識をもっていたこともあり、共にとあるスポーツコミュニティを立ち上げます。ここでは、定期的な交流会の開催、facebookグールプページとLINEグループでのコミュニケーションがメインで活動していました。交流会が定期的に開催できたこと、ここでしか手に入らない情報があったこともあり、気がつけばコミュニティには200名近くの方が集まっていて、都内のみならず、大阪・福岡・仙台とあらゆる場所で活動も行なっていました。

しかし、あるタイミングから交流会の集客に苦しみます。このコミュニティは同世代の横の繋がりを作るのが目的であるため、年齢制限がありました。そのため、そもそものパイがとても少ない。なので、苦しむのは当然のことです。人が集まらなくなると、今度は運営側が疲弊しだし、交流会の頻度が少なくなりました。そこからは悪循環。そのままコミュニティは活動停止状態へとなってしまいました。

その時は、ちゃんと原因がつかめなかったのですが(冷静でなかったため)、今思い返すとリアルな場って本当に大切だったんだなと感じます。それはコミュニティメンバーはもちろんのこと、運営側にとっても大切になる場所だと。曖昧な表現になってしまいますが、持論として「コミュニティの質を高めるには、リアルな場が必要不可欠」だと考えています。拠点があれば最高だし、なければ少なくとも月1、可能であれば週1で集まれるような場所があるといいと思っています。

コミュニティに興味を持つ人は、そこにいる人との繋がりを求めていて、そこに居場所を求める傾向にあると思います。「居場所がある」この実態のないものに価値を感じているため、実体のないオンラインのコミュニケーションでそれを提供していくことには、限界があるのではないでしょうか。


顔見二ケーションで帰属意識を

先日、ネットサーフィンをしていると、興味深い記事を見つけました。(さとなおさんが語る「これからのコミュニケーションと働く場所のゆくえ」

コミュニケーション・ディレクター 佐藤尚之さん(通称「さとなお」さん)のインタビュー記事です。ここでは、さとなおさんも、このリアルなコミュニケーションの重要性を語っています。

さとなおさん「オンライン上でのコミュニティづくりは昔からずっとやってきて、その希薄さを実感してきたからですかね。グループを作成して何かしらを共有しても、なかなか継続しないんですよね。知らず知らずのうちに雲散霧消(うさんむしょう)してしまうことが多くて、それがすごく気持ち悪くて。だから最近は、なるべくリアルで顔を合わせる機会を大切にしています。今の時代、インターネット上でのやり取りが増えるにつれて、実際に対面する「顔見(カオミ)ニケーション」の重要性は高まっているように感じますね。」

オフラインのコミュニケーションを、顔見二ケーションと名付けているさとなおさん。続けて、オンラインのコミュニケーションについてこう語っています。

さとなおさん「オンライン上のコミュニティは、あくまでリアルの補完だと捉えるべき。オンラインのみになった瞬間、SNSやブログなど、ほかのネット上のコミュニケーションと同一になってしまいます。それってつまり「本当はなくてもあまり支障のないもの」なんです。現実で顔を合わせて言葉を交わすことで、初めてお互いの人生が交差して、そのやり取りに現実的な意味が生まれるのだと思います。」

リアルの補完。この位置付けがベストだとのこと。これについて、先日の記事で引用させていただいた”コミュニケーションの時代”の著者、コミュニティデザイナー山崎亮さんも言及しています。(コミュニティデザイナーの役割は、“楽しさ”と“課題解決”をつなぐこと――studio-L・山崎亮さんのまちづくり

山崎さん「リアルでの交流が担保されているという前提で、そこに地域特化のSNSが加わると、コミュニティの成長はより加速していくと思います。」

さりげなく入れている言葉に見えますが、ここはかなり重要なポイントとして、山崎さんは伝えていると感じます。

なぜ、顔見二ケーション・リアルでの交流が必要になってくるのでしょうか?さとなおさんは「本当はなくてもあまり支障のないもの」と表現していましたが、なぜ、そう感じてしまうのか?さらに調べていると、リクルートの記事を見つけました。(コミュニティで広がる新しい刺激と成長の機会

リクルートはこの記事で「ネットではなく、リアルで集うことの重要性」として、4つのポイントを挙げています。

1.身体性
デジタル上の情報だけではわからない、相手の仕草や会話の空気感といったノンバーバル(非言語)コミュニケーションを通じたやりとりをすることで、相手のことをよく知る事が出来るようになります。互いに身体を使って何かを表現したり、相手に伝わるようにコミュニケーションしたりすることで相手と親密な関係を築きやすく、友人や会社の同僚との仲も深まりやすくなります。

2.共感性
共通したテーマや趣味の合う相手と一緒に同じ空間を過ごすことで、相手に対する信頼や相手から受ける考えに影響をされるようになる、という声も多く聞かれました。相手のことをよく知り、逆に自分のことを知ってもらう一つの場として有効といえます。

3.一過性
3つ目は、一過性に関する声です。リアルの空間はその場限りの出来事で、同じ場を作ることはできません。これは、デジタル上でコピペができる情報とは違い、リアルの場がもつ大きな要素であり、一過性があるからこそ記憶に残る思い出となります。さらに、その場を共有した人間だけにわかる「体験」も、一過性があるからこそ生まれます。お祭りなどが開催された事実は後々把握出来ますが、それに参加し、体感したからこそ生まれる「体験」は、後になって味わう事はできません。

4.関与性
誰かと共同作業することで、自分自身もコミュニティ参加している帰属意識が生まれ、かつ他者に対して何かを貢献したり、自身の考えを盛り込んだりすることができます。自分が発したアイデアがアウトプットに反映されることでつながりの意識が生まれやすくなります。

これらが、リアルな場でしか得られないこと。リアルだからこそ、感じるものがあるし、伝えられるものがある。これら4つの要素は全て”帰属意識”を生むためのものに感じます。帰属意識こそ、コミュニティを支える役割を担っている存在なのです。


帰属意識がコミュニティの質を上げる

冒頭で述べました「コミュニティの質を高めるには、リアルな場が必要不可欠」という私の持論。ここまでのことを踏まえ噛み砕くと、「リアルなコミュニケーションを提供することで、帰属意識を強くし、それがコミュニティの質へ繋がる」ということなのです。

「このコミュニティが好き!」と言ってもらうには、コミュニティの情報を拡散してもらうには、この帰属意識を持ってもらわないことには厳しいと思います。

帰属意識を持ってもらうには、オフラインのコミュニケーションでは限界があります。イベントを定期的に行なったり、コミュニティとしての拠点を作ったり、メンバーに「ここに行けばみんなに会える(コミュニティに触れられる)!」と思ってもらえる機会を作れるか?「またここに行きたい!」と思ってもらえるコミュニケーションを取れるか?

コミュニティの質を高めるには、コミュニケーションの量が必要です。それは雑談でもいいんです。挨拶でもいいんです。「なにを話すか?」といったコミュニケーションの質にはこだわらず、量を意識する。リアルでのコミュニティとの接点をいかに増やせるか?ここがポイントだと思います。(ここについては最所さんが詳しい記事書いてます!コミュニティの肝はいかに "雑談"を起こすか

コミュニティマネージャーの方は、このオンラインとオフラインのバランスを見極め、コミュニケーションを設計し、コミュニティに関わる人に帰属意識を持ってもらいましょう。特に、中心にいる人には目を向け、帰属意識が弱くなってないか?なっていれば、コミュニケーションの量を増やしフォローする。

オフラインを前提としてオンラインを活用していく。このバランス感覚は、とても重要なのではないでしょうか。

それでは!

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