見出し画像

漫画「キングダム」の王騎に学ぶ組織のつくりかた(1/2)

今回は私の大好きな漫画「キングダム」の武将達から組織のつくり方を学んでいきたいと思います。(全2回)


キングダム映画公開のニュースを見て、漫画を読み直していますが、相変わらず面白いですねぇ。。特に16巻は、はじめ読んだ時はショックすぎて、ついつい泣いてしまいました。。王騎、なんてカッコイイんだ。

王騎軍って側近は当然のこと、その末端の歩兵も誇りを持って戦っているように感じます。


どうして王騎は多くの人を魅了するんだろう‥‥


キングダムとは

キングダムとは、中国の戦国時代を舞台に”秦国”が中華統一をするまでのお話を描いた大人気漫画です。2006年からヤングジャンプで連載されており、漫画の発行部数は累計3600万部を突破しています。

主人公は戦争孤児で、のちに秦国の大将軍となる”信(しん)”

画像1

信は幼少期から”天下の大将軍”に憧れていました。大将軍とは、戦で掴むことができる官職のことで、純粋に腕っぷしの強さで決まります。当時は、位の高さは生まれた家系で決まっていたので、孤児の信が中華の歴史に名を刻むにはこの大将軍になるしかありませんでした。


そしてその秦国国王の”嬴政(えいせい)”。

画像2

嬴政もまた、国王の血を引いているにも関わらず、小さい頃から冷遇されていました。そのため嬴政は、まず自分が国王になること、そしてこれまで誰も成し遂げることができなかった中華統一という夢を抱きます。信が武力で頂点を目指すのならば、嬴政は頭で頂点を目指そうとしました。

この嬴政は、世界史でよく聞く「秦の始皇帝」をモデルに描かれています。


蒙武・麃公に学ぶリーダーシップ力

説明はさておき、
信と嬴政は、大将軍、中華統一を目指す過程で多くの将軍に出会います。

秦国大将軍の蒙武(もうぶ)

画像3

蒙武は、相手の策を武力によって突破していく猛将です。その圧倒的な武力から、作中では最強の武人の一人として描かれています。彼もまた「中華最強の男になる」と大きな夢を抱き、日々戦いに明け暮れます。


麃公(ひょうこう)

画像4

同国の大将軍、麃公もまた圧倒的な武力の持ち主ですが、特に注目されていたのは、麃公の戦いの勘でした。「ここは何かありそう」、「ここに行けば相手を出し抜けそう」という自分自身の勘を頼りに、多くの敵国の大将軍を倒していく将軍です。

上記の2人は作中、武力で突破していく将軍のことを意味して”本能型”と表現されています。ちなみに信も本能型です。

画像5


彼らの共通点は、「自ら先頭に立ち、相手へ立ち向かっていく」ところです。普通、将軍は軍の一番後ろに座って戦況を見ながら指示するのが定石とされています。なぜなら、将軍が死んでしまうと戦の敗北が決定するからです。しかし彼らはリスクを冒してでも軍の先頭に立ち、最初に相手の陣地に乗り込んでいきます。


”絶対に相手を倒す”という思いの強さ、そしてそれを行動で示すことによって、周りも気持ちが乗せられます。末端の歩兵であっても、蒙武と麃公のような大将軍になった気持ちで相手に挑んでいきます。このマンパワーの積み重ねが軍(組織)として大きな力を持つようになります。

麃公は、こうしたマンパワーの積み重ねを「大火(大炎)」という言葉で表現しています。

画像6


蒙武と麃公は、「まずは自分が火種となる」ことによって大炎を作ろうとしています。この火種を作ることによって、多くの人々が鼓舞され、火が付き大炎へと変わっていくのです。


リーダーは最初からリーダーではなく、目標を達成する過程において多くのファンをつくりながら、結果としてリーダーになっていく、ということです。つまり、真のリーダーシップは「誰よりも目標達成への熱意を持っている時」にジワジワと発揮されるのかもしれません。


李牧・王翦に学ぶマネジメント力

蒙武や麃公が”本能型”と言われる将軍に対し、この2人は”知将型”として名を轟かせます。

王翦(おうせん)

画像7

王翦は秦国の大将軍の一人ですが、彼は自ら先頭を切って敵陣に乗り込んでいくタイプでありません。一対一の武力戦ではなく、策を練って相手を陥れていきます。常に戦いの2手先、3手先を読んで行動し、多くの将軍が王翦にたどり着くことなく敗れていきます。


李牧(りぼく)

画像8

彼は秦国の敵国である趙国の大将軍で、王翦同様、策をつかって多くの秦国将軍を破っていきます。後に書く伝説の大将軍、王騎を破ったのも李牧でした。

この王翦・李牧に共通する点は、「味方を上手に動かす」というところにあります。戦況を理解した上で、最も効率の良い方法を導き出し、味方に的確な指示を出していきます。

こうした的確な指示は、周りに

「あの人がいうなら間違いない」
「絶対に成功する!」

という安心感を与えてくれます。成功するかな、大丈夫かな‥‥という不安を拭うことによって、それぞれが与えられた役割を完璧に遂行することのみに集中することができます。

一方で、指示が中途半端だと、その人への求心力、安心感が一気に揺らいでしまいます

そのため、絶対的な指示を送るためには敵・味方の状況を徹底的に把握しなければなりません。なので普段はドンと構えている2人も、気になることがあれば、危険を冒してでも必ず自分の目で確認しにいきます。


そのことを踏まえて、李牧は「戦は情報戦」と言っています。


蒙武と麃公が「リーダーシップ力」で組織を動かしていこうとすることに対して、王翦・李牧は「マネジメント力」によって組織を動かしていると言ってもいいのかもしれません。


次回は両方を兼ね備えた王騎に注目して、リーダーシップ力とマネジメント力の関係性について書いてみます。


画像9


続きはこちら。


この記事が参加している募集

推薦図書

書籍購入費などに使います。 みなさんのおかげでたくさんの記事が書けています。ありがとうございます。