見出し画像

”ひとりBAR”のススメ


私はよくひとりでBARに行く。

特にマスターと仲が良い訳でもないけれど、常に10数軒は頭の中にインプットしていて、気分に応じて行くBARを変えている。

今日はそのBAR愛をつらつらと書いてみたい。

なぜBARなのか

「一人でBARに行って何すんの?」
「寂しくないの?」

と言ってくる友人もいる。

うーむ。私はその友人と考え方が全く違う。
BARは「何かをする空間」ではなく、「何もしなくても良い空間」だ


考えてみれば、私たちの生活の中で、何もしなくても受け入れてくれる場所、というのは意外にも少ない。

職場で何もしていなければ上司から「外回りでも行って来いよ」と言われるし、自宅で何もしていないと「いつまでダラダラしているの!」って奥さんや母親に言われるし。(ちなみに未婚だし一人暮らしです)

せいぜい通勤電車の中の数十分か寝る直前くらいか。


そんな社会の中、唯一「何もしなくても良い場」を提供してくれているのがBARだ。

全く話さない場合でも、そして多少粗相があったとしても、すべてを受け入れてくれ、マスターがニッコリとほほ笑んでくれる。そして、友達と来ても、女性と来ても、一人で来ても、状況に合わせて立ち居振る舞いを変えてくれるもの、BARの素晴らしさである。

そのため、興味があるけれどなかなか一人で飲食店に入ることが出来ない人は、思い切ってBARからスタートしてみると良いの。本当になんでも受け入れてくれる。


Cafeもあるけれど、Cafeの多くは店員さんが忙しく働いており、他のお客さんも複数で来ていることが多い。そのため、独りが際立ってしまうことがある。ただ純喫茶などは1人で来るお客さんの割合も多いので、Cafeよりも良いかもしれないが、BARよりも独りを感じてしまうことは確かだ。


同様にスナックもあるけれど、多くのスナックがカラオケなど「場が盛り上がる装置」が付いているので、カラオケ好きなグループと一緒になると、「何かをしないといけない(歌を歌う)空間」になってしまうこともある。そのため私はBARをおすすめする。

実際はBARで何をしているのか


何もしない空間といったけれど、実際は何をしているのか。私のBARライフの中で、スマホゲームをしていたおじさんもいたし、本を読んでいた女性もいた。普通にパソコンをしていたサラリーマンもいた。

私の場合、BARでは仕事のことを一切考えず、
「ここのBARに何年くらい通っているんだっけ」とか
「最近、本読んでないな」とか
「こないだの映画おもしろかったな‥」といった日常生活で考えるほどでもないことを考えている。


これを巷では「ぼーっとしている」という。


こうした気が緩んだ顔をしているからか、私の場合は高確率でマスターが「今日はお仕事帰りですか?」と気さくに声をかけてくれる。

ほとんどの場合しばらくお話するが、気分によってはそれがとても面倒な時もある。だから私は、先に挙げた10数軒のうち「めっちゃ話しかけてくるBAR」と「あんまり話しかけてこないBAR」を分けている。


かといって、私は友人とワイワイする居酒屋の雰囲気が嫌いな訳ではない。むしろそのようなお酒の場は好きだし、話すのも歌うのも好きだ。しかし、たまに「ぼーっと」する時間が欲しいのも確か。その「ぼーっとする」時間を得るためにBARに行っている。

お酒はマスターに聞いてみる

私もBARに通うようになって数年程度だが、
最も大きなハードルとして「入店」と「注文」がある。

(中はどんな雰囲気何だろう‥‥)
(わぁ‥‥知らないお酒ばっかり‥‥)

緊張しまくって、とりあえず店の前をウロウロ。勇気を振り絞ってやっと入店したかと思えば、とりあえずメニューの中で唯一知っていたウイスキー「ジョニーウォーカー」をロックで注文しまくっていた。

あまりにも注文したおかげで、入店した途端「いつものですか?」と聞かれるようになってしまったほどだ。1本2,500円くらいの安い酒なのに、、、安い酒が「いつもの」とか恥ずかしすぎる。



そんな中、以前私が1人で飲んでいると、スマートな女性が一人で入ってきた。彼女は、席に着くなりお酒を注文した。

女性「今日はあっさりした炭酸系が飲みたいんだけど、何かおすすめのカクテルある?」
マスター「コアントローのトニックなんてどうでしょう」
女性「じゃそれいただきます。」

私のような臆病者は、最近上司に勧められて飲んでみたお酒を、あたかも俺の好きなお酒なんですと言わんばかりにドヤ顔で注文してしまい、「思てたんと違う」と後悔しながら店を出ることが多い。そういう時は、思い切ってマスターに「わからない」と伝えてしまう方がかえって良かったりする。

そして、「お酒の名前は知らないけれど、何かシュワっとくるものが飲みたい。」こんなあいまいな注文でも受け入れてくれるのがBARの良さでもある。


私は隣で「こんな注文の仕方があるのか‥‥なるほどなぁ」と思いながらジョニーウォーカーのロックを一口飲むのでいた。

まとめ


これまで、BARについて書いてきたが、詰まるところ私にとってのBARは、「ぼーっとする空間」だ。


これは、私がnoteに書いてきた”たまり場”の様相と似ている。

コミュニティが「ある目的の下に集まる場」であるならば、たまり場は「何もしてくても集まる場」と言っても良い。そしてこのたまり場は、自分自身に”何もしなくても許されるという心の安心感”を与えてくれる。

こうした心の安心感を得るためにみなさんも是非”ひとりBAR”やってみてはいかがでしょうか。

書籍購入費などに使います。 みなさんのおかげでたくさんの記事が書けています。ありがとうございます。