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ことのはいけばな 冬至 第65候『麋角解 (さわしかのつのおつる)』

12・26。納めたクリスマスツリーを撤去する。毎年複雑な思いになる時期だ。
3メートルほどのオフィスに立っていたもみの木は、もうパサパサになっている。
切れば、香りはまだ残っているものの、再生の見込みは少ない。都心では植えるところもない。土に返すこともできない、チップにするため持っていくには手間がかかりすぎ、量も少ない。

太い枝は、ゴトンと落ちる。軽くなったとはいえ、日曜日のオフィスフロアにその音は響く。鋸で引く音、落ちる音。切り離された時の枝の重み、段々と裸になっていく幹。

麋角「さわしか」とは四不像という


作業中腰痛を発して詠める歌↓

*樅を切り切り刻んだら骨軋み

*角落つるごときに仙骨固まれり

*角落つる音して仙骨ギウと鳴き


北極圏でオーロラ見たこと思い出して詠める歌↓

*オーロラの苔桃の上角落ちる

*馴鹿のラップランドに流星群

*もみの葉はカーキ色して硬き音
*もみの葉はカーキ色して降りつもる
*もみの葉は硬く乾いてちりとりに

*四不像の来たりて大地祝い事苔覆いたる唐松の枝
*四不像の森の大地を蹄踏む朴の落ち葉の大袈裟な音


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