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中小企業も、副業人材も、双方が幸せになる”福業”

コロナ禍でテレワークの導入や副業の解禁がひろがりました。
わたし自身も副業を実践する中で感じている、副業人材を活用したい中小企業も、副業したい個人も、双方が幸せになれる”福業”のポイントをまとめてみました。

副業兼業人材活用セミナーinYokohama

横浜市イノベーション人材交流促進事業(YOXO)により開催された、「副業兼業人材活用セミナーinYokohama」(運営:認定NPO法人ETIC.)にて、副業を実践している副業人材の立場から、「中小企業も、副業人材も、双方が幸せになる”福業”」と題して、お話をさせていただきました。

副業兼業人材活用セミナーinYokohama(第3回)(2021年1月27日)
横浜市イノベーション人材交流促進事業(YOXO)
認定NPO法人ETIC.

株式会社太陽住建の”solarcrew”で副業

わたしは、2020年6月から、横浜市南区に本社がある超地域密着型企業株式会社太陽住建が推進する、
「空き家という地域の課題を、一人一人がつくる側・つかう側として参画することで、地域のつながりや課題解決の拠点として活用する。さらに、太陽光パネルと耐震シェルターの導入により、災害時には身近な防災拠点にもなる。そして、SDGsの『11 住みつづけられるまちづくりを』と『12 つくる責任 使う責任』を実践する」
”solarcrew”というローカルSDGs推進プロジェクトに、副業人材チームの一員として参画しています。

株式会社太陽住建
solarcrew

副業が福業になるための3つの視点

solarcrewでの副業の経験から、副業人材を募る中小企業も、副業を実践する個人も、双方が幸せになる”福業”になるためのポイントを、

1.本業のスキルを現場で活かす
2.中小企業にとっての副業人材の活かし方
3.福業になるための関係構築

以上3つの視点でお話しました。

1.本業のスキルを現場で活かす

わたしは、スペシャリスト型人材ではなく、コーディネート型人材です。T字型人材とかH型人材という言い方がありますが、この横棒の部分を強みにするタイプです。

正直なところ、このタイプは副業マーケットでは苦戦します。
やはり、一般的には、分かりやすい専門性や明確なスキルが求められる副業募集が多いからです。

ですが、副業人材はいわゆる外注とは異なります。どこが異なるかと言えば、大なり小なりチームの一員としての役割があるということです。

そして、このチームの一員としての役割があるということは、横棒を強みとする人材にもニーズ(チャンス)はあるということです。

実際、わたしは、本業で培ってきたコーディネートのスキルと経験を買われ、「地域とのコミュニケーションやコミュニティづくりへの貢献」を期待役割として、副業人材チームのメンバーに選んでいただきました。

2.中小企業にとっての副業人材の活かし方

副業人材の導入を検討する際、特定の業務を切り出して一人を募集するケースが多いと思いますが、わたしは、プロジェクト単位もしくはチームとして募集することをお勧めします。

その理由は、人材の多様性が高まることで、期待する成果につながりやすいことはもちろん、多様性から生まれる相乗効果や副次的効果が大きいからです。

実際、solarcrewでは、プロマネ、マーケティング、動画制作など、強みの異なるメンバーが集うことで、プロジェクトへの貢献だけでなく、メンバー同士の刺激や学び、多様性から生まれる新たな着想などの副産物が生まれています。

さらに、チームには社員も巻き込むことをお勧めします。

副業人材でチームを組むと、ともすると助っ人外人部隊のような形になってしまい、社員とは距離が生じてしまうこともありえます。こうなってしまうと、副業チームが浮いてしまったり、社員にもマイナスの影響が出てしまう可能性もあり、副業人材の活用が逆効果になってしまいます。

それを避けるためにも、また、副業人材との関わりを通じた新たな刺激や学びと成長の機会としていくためにも、社員も巻き込んだ共創チームへとしていくことを強くお勧めします。

そして、最も大切なことは、社長のビジョンと思いが原動力であることは、副業人材の場合にも変わらないということです。

副業人材はプロフェッショナルだからマシーンのように働いてくれる、限られた時間での関わりだから業務に徹すればよい、という考えもあるかもしれません。

ですが、多様性のある共創チームとして機能するためには、社長がみずからビジョンや思いを常に伝え、そのビジョンと思いを共有することでチームの原動力となるようにすることが、社員と同様に副業人材の活用にも必要不可欠だと思います。

実際、太陽住建の河原社長からは、ことあるごとに「荻上さん、僕ね、絶対実現したいんですよ!」と言われ、そのたびに、わたし自身もよっしゃやったるぞ!という気持ちのスイッチが入っています(笑)

3.福業になるための関係構築

ビジョンと思いの共有ともつながりますが、業務やプロジェクトの外注先と副業人材を位置付けてしまうのではなく、ビジョンと思いを共有する同志と考えることが大切です。

特に、中小企業の場合、お願いする業務やプロジェクトが経営課題そのものと表裏一体であることも多く、であればこそ、経営課題を解決する同志と位置付け、同志として一歩踏み込んだ関係を構築していくことをお勧めします。

一方で、副業人材も、経営課題に関わることにやりがいと責任を感じながらも、あくまでも副業人材であるという立場をわきまえ、ご縁を紡いでいく面白さを大切にしていただければと思います。

以上、セミナーでお話しさせていただいたことをつらつらと書いてまいりましたが、最後にもう一つお伝えしたいと思います。

それは、出会いを大切にするということです。

出会いとは、

・募集する側:経営ビジョンや副業人材への期待、思いを明確にし、メッセージとして発信する
・副業人材側:じぶんのスキルや経験を大切にし、それをベースに貢献したいという思いを伝える

このように、お互いに思いを明確にし、伝えることで副業というご縁の一歩が始まります。

特に、中小企業の場合は、小さな組織がゆえに副業人材が及ぼす影響は、直接的にも間接的にも大きくなる場合が多いので、出会いを丁寧に行い、大切にすることがとても重要です。

コロナ禍でテレワークの導入や副業解禁もひろがる中、副業をはじめようと考えている方、副業人材を活用したいと考えている中小企業の経営者の方もたくさんいらっしゃると思います。

一人でも多くの方や企業が、双方が幸せになれる”福業”となれるように、わたしの経験がその参考に少しでもなれば幸いです。

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