見出し画像

ミルクボーイとすゑひろがりず

「あのとき」をかえりみて、「ああそうだね」と笑顔で語り合う。かけがえのない良い時間を共有した人たちの特権だ。1月30日、よしもと有楽町シアター「有楽町で はなしましょう~ミルクボーイ×すゑひろがりず~」。「M-1グランプリ2019」から1年と1か月の歳月を経て、ミルクボーイとすゑひろがりずが「その後」をふりかえるこの公演は、まさにM-1ドリームを体現しているかのような、象徴的な1時間だった。

◆配信日時
1/30(土) 配信開始21:00 配信終了22:00
※見逃し視聴:2/2(火)21:00まで※
◆概要
普段あまり観る事ができない芸人の組み合わせで行うトークライブ。
◆出演者
ミルクボーイ/すゑひろがりず

有楽町で はなしましょう ~ミルクボーイ×すゑひろがりず~(1/30)


なんといっても二組の雰囲気が良い。同じ大舞台で光を浴びた二組が、極めて近い温度でトークを展開していく。1年と1か月が過ぎて、今もなお残る熱の量。4人の中で保たれてきた温度がちょうど合う、そんな絶妙なバランスでつくりだされた1時間に見えた。


チャンピオンを中心に、芸人1組ずつにフォーカスを当てていく「M-1アナザーストーリー」、あるいは決勝直後のファイナリストたちの生の声を届ける「世界最速大反省会」。公式のコンテンツを筆頭として、M-1グランプリに付随した企画は数多くあれど、ファイナリスト同士が気持ちよく笑い合いながら進行する水平方向の語りは目新しい印象があり、妙な謙遜や担ぎ上げのない、自然なフラットさが心地よかった。


YouTubeにこんな動画がある。「笑い飯の金曜お楽しみアワー★(ミルクボーイ、みなみのしま)」、公開日は2012年9月1日。約8年前の映像だ。少し前に見つけた動画で、この当時の彼らのことを私はさほど知らないのだけれど、こういう頃から、あるいはそのさらに前から、芸の世界での歩みがずっと続いてきたのだなあと思うと感慨深い。このときにはもうミルクボーイ内海はけん玉を持っていて、それが2019年の暮れ、第70回紅白歌合戦のステージまでつながっていく。今回の「有楽町で はなしましょう」と「M-1グランプリ2019」、そしてこの映像と、「M-1ドリーム」を感じながら繰り返し順に見たい。


話すことのプロであっても、「有楽町で はなしましょう」のような化学変化は、いざ起こそうとして起こせるものではないのだと私は思う。例えばすゑひろがりずであれば、伝統芸能をベースにした現在の芸風の出発点に、ミルクボーイ駒場の助言があることはファンならば誰もが知るエピソードの一つだ。古くからの間柄であったり、同じ景色を共にした経験だったり、一朝一夕では成し得ない、関係性によってつくりだされるトークの世界。

ミルクボーイとすゑひろがりずのM-1ドリームが、まだまだ広がっていくようにと心から願う。もっと大きなところで、驚くような体験をした話、これから先も聞かせてほしい。


あとがき

みなみのしま時代のすゑひろがりず、揃いの黒の着物の頃の映像を見つけるたびに、三島さんの顔立ちの変化を見てしまいます。前の宣材写真もそうですが、少し尖った印象。南條さんは折にふれて「昔に比べて三島の顔がどんどんやわらかくなってきている」と言っておられますが、本当にそうだなあと。人に歴史あり。個人的には、みなみのしまの頃の攻めた顔つきもええなあと思っています。


さて、昨年8月にオープンしたよしもと有楽町シアター。各劇場、それぞれなんとなくカラーがあるのだと思いますが、トーク企画を中心に、素の芸人さんのおもしろさと熱い部分が見れる魅力的なコンテンツが多いなあと感じています。この劇場は人を見せるのが圧倒的に上手い。好みはそれぞれだと思いますが、私にとって、見たいものを見せてくれるところだなあと。贔屓の芸人さんがここで出演決まるとテンションあがります。好きです。


出典

[1] 吉本興業 ONLINEチケットよしもと (公式Webサイト)
https://online-ticket.yoshimoto.co.jp/

[2] amazon よしもとミュージックエンタテインメント「M-1グランプリ2019~史上最高681点の衝撃~」(2020)
https://www.amazon.co.jp//dp/B086H4VP9Y

[3] YouTube「笑い飯の金曜お楽しみアワー★(ミルクボーイ、みなみのしま)」(2012.9.1)
https://www.youtube.com/watch?v=P6RvG3hqknY

[4] Twitter よしもと有楽町シアター
https://twitter.com/Y_yurakucho


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?