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【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!】 「第77回:株式会社オープンハウス」

今日は 若手社員の私が、成長している企業のC.I.を紹介します。不動産業界に風穴を開ける勢いで成長を続ける企業です。
第77回は、「東京に、家を持とう」というキャッチフレーズ で、創業以来 右肩上がりの成長を続けてきた「株式会社 オープンハウス」です。

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1997年に創業された「オープンハウス」は、新築戸建・マンションの開発、分譲、販売を行っている不動産ディベロッパー企業です。東京に本社を構え、土地の調達から設計、施工管理、住宅の販売までを一貫して手掛けています。売上は「8,000億円」を超え、2013年には東証1部への上場を遂げました。この売上は、業界7位の数字です。事業は、「戸建関連事業」「マンション事業」「収益不動産事業」「その他事業」の4事業で構成されていますが、主に「戸建関連事業」がメインになります。これは、利便性の高い都心部でリーズナブルな価格の戸建て住宅を供給する事業です。「オープンハウス」の1番の特徴は、用地の取得から施行、販売までを一気通貫で行っていることです。
「オープンハウス」の歴史を辿ると、元々は「株式会社 アプローズ」として1996年11月に創業され、1997年に現在の「オープンハウス」に改名しました。「東京に、家を持とう。」というキャッチフレーズからも分かるように、都心の狭小な土地を買い上げ、複雑な形でも快適に過ごせる設計により家を建て、主に家族層に向けて販売することで成長していきました。また「オープンハウス」の商品は、木造3階建てを中心とする、「最高級の仕様ではないが、好立地で手の届く価格帯の戸建住宅」です。好立地とは、東京都心への通勤に便利な人気駅から徒歩10分以内程度の距離にあることを意味しています。「オープンハウス」の戸建は、駅から徒歩10分程度に立地しながら、同駅同距離帯にある物件の市場平均価格に対して、坪単価で約10%ほど割安で販売しています。

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それでは ここで、「オープンハウス」の、"イケてるC.I."の一部を紹介します。
【企業理念】
◯「お客さまが求める住まいを愚直に追求し続けます。」
◯「やる気のある人を広く受け入れ、結果に報いる組織を作ります。」
◯「業績をあげ規模を拡大し、社会に必要とされる不動産会社となります。」

【企業憲章】
■1.「全てを決めるのはお客さまです。」
■2.「常に変化するニーズにこたえていきます。」
■3.「誠実さと情熱を持って対応します。」
■4.「フットワークよくスピーディに動きます。」
■5.「志の高い社員に可能性の場を提供します。」
■6.「明るく前向きな組織を作ります。」
■7.「公正に利潤を得、納税により社会に貢献します。」
■8.「革新的な総合不動産会社を目指します。」


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【若手なりの成長理由 分析】
ここからは、若手なりに「オープンハウス」の成長理由を、仮説ですが "4つ"上げさせて頂きます。
先ず、結論からいうと…
◆1.「ターゲットを明確化し、独自のポジショニングを築いたこと!」
◆2.「社内で全ての業務を一気通貫している点!」
◆3.「泥臭い営業を行っている点!」
◆4.「提案までのスピード感を意識している点!」
の"4つ"です。それでは、1つずつ見ていきます。

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◆1.「ターゲットを明確化し、独自のポジショニングを築いたこと!」
*「オープンハウス」のターゲットは、「本当は都心に住みたい。でも、住めない。」そんな人です。もっと 分かり易く言うと「東京都心への通勤に便利な立地を重視するものの、従来の戸建は高すぎると考える個人で、年収500万円〜1,000万円の人」です。実は このターゲット設定自体が常識を壊したものであり、中間層の開拓に成功しました。そして、戸建てという「幹」を中心にしつつ、そこから得た情報でマンション事業、さらには収益不動産事業といった枝葉も発展させています。あくまで「戸建て中心」に拘ったからこその急成長です。

*「オープンハウス」は、上記のようなターゲット顧客に商品を提供するために、建物を建てやすい形状をしていない土地、前面道路が多少狭い土地、道路まで狭い通路でつながっている土地、駐車スペースを取れない土地、高さ制限や斜線規制などの建築制限が厳しい土地などの、元値が安い土地を選んでいます。このような土地を選び、工夫次第で違いを創り出しているのです。更には、戸建住宅の仕様から必要以上の贅沢を"そぎ落とす"ことも意識しています。例えば 庭を作らない、玄関の床材は天然大理石でなく、人工大理石にするなどです。どちらかと言うと、「けずる発想」です。そして このようなことができる理由は、社内で一気通貫できる体制を整えているからです。土地の仕入れから設計、施工、販売完了まで、一気通貫で行われるので、資産の回転率が高く健全な経営を行っています。

*逆に言うと、戸建設計の際に追求しないことも決めています。それは 必要以上の高級感、高いデザイン性、フルオーダーメイドの家です。仕入れる土地については、設計がしやすく 建てやすい土地、大規模な開発用地、2階建て中心の区画整理された区域、都心の人気駅に近くない、あるいは駅から15分以上離れた土地、面積の関係でオープンハウスでも2棟建てられないなど、他社がやっても同じようなプランとなるような土地については、初めから追求していません。

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◆2.「社内で全ての業務を一気通貫している点!」
*不動産は、大きく分けると「用地の仕入れ」「家を建てる」「売る」という分野があります。 基本的には、土地の仕入れは「建売業者」、家を建設するのが「住宅メーカー」、販売するのが「販売仲介会社」といった様に、専門領域が異なる企業がそれぞれの役割を担っています。しかし 先に述べた通り「オープンハウス」は、用地の仕入れから住宅の建設、そして販売まで一気通貫で行っています。実は これは、ありそうで、無かったビジネスモデルです。つまり、「用地の仕入れ」「家を建てる」「売る」をすべて自社で完結し、本来であればその間に発生するマージンを省くことで、相場より安価な価格で住宅を提供しているのです。こうして 普通であれば高価になりがちな都心物件を、お手頃価格で売ることができています。

*また 一気通貫のメリットは他にもあります。それは、「お客さまからの声をフィードバックしやすい点」です。クレームは勿論のこと、人気の間取りや人気の土地(エリア)など、生活者のニーズを「上流業務」へスムーズに反映させられます。つまり 土地の仕入れで強化すべきエリアが分かることに加え、間取りもすぐに流行を取り入れられます。
実は 「オープンハウス」も元々は、物件の仲介のみを行っていました。しかし 毎日多くのお客さまと接する中で、ニーズを汲み取って、土地の仕入れや設計に活かすには、一気通貫しかないという結論に至ったのです。その為、2001年から一気通貫という体制を採用しています。

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◆3.「泥臭い営業を行っている点!」
*「オープンハウス」は一気通貫のビジネスモデルに特徴がありますが、このモデルのみで成長できるなら、他社も簡単に追随できます。事実 一気通貫を取り入れる競合他社も増えているのが現状です。しかし そのビジネスモデルに加え、「オープンハウス」の飛躍の理由は「泥臭い営業」にあります。営業と聞くと「住宅を売る営業」を思い浮かべますが、実は そうではありません。土地の「仕入れ営業」こそ、「オープンハウス」の強みなのです。地主さんなど 土地を売りたい人は、殆どの場合は地元の不動産会社に相談します。つまり 情報を最も持っているのは、地元に根ざした小さな不動産会社です。その為、「オープンハウス」では、用地を仕入れるために、そうした不動産会社への営業を徹底的に行い、情報交換を欠かしません。数で言うと、1人の営業が、1日あたり 20~30社を訪問しているそうです。営業が何度も訪問することによって、不動産会社と良好な関係を築くことができます。すると 不動産会社から、「さっき土地を売りたいという話が入ってきた」と新鮮な情報を教えてもらう機会も増えます。この様に、一見 地道に見えますが、実は この地道な訪問が、好立地の土地を安く仕入れることに繋がっています。

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◆4.「提案までのスピード感を意識している点!」
*「オープンハウス」では、土地の情報を仕入れてきた後は、直ぐに社内共有されます。そして、その用地がどの様な住宅に適しているか、土地をどのように区割りし 何棟の住宅を建てられるか、それぞれをどれくらいの価格で販売できるかと言った様に、社内の最強のプラン部隊が即座に経験とデータを駆使して動き出しています。そして 特筆すべきは、これら一連の情報が即日ではじき出され、翌日には不動産会社に具体的な提案をするスピード感です。情報を早く仕入れることができても提案が遅ければ、その間に他社が同じ情報を入手する確率も上がります。また 土地を売却したい人の多くは、「土地を手放し、早くお金に変えたい」というマインドを持っています。「スピード感はお客さまにとっても非常に重要な要素になっているのです。その心理をくみ取りながら提案を迅速に行うことで、安心したフェア取引が成立しやすくなり、仕入れ価格も抑えることができています。不動産業界では、特に"時は金なり"と言えます。

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◎ということで…
「オープンハウス」について調べましたが、流動性が低く 身動きの取り辛い不動産業界に於いて、一気通貫のビジネスモデルを構築したことが、急成長の理由だと思います。失礼ながら、画期的にアイデアが存在している訳ではないと思いますが、それでも一気通貫のビジネスモデルを構築し、それに沿って 愚直に営業などを真剣にやられている姿勢が、本当に凄いと思います。改めて どんなに素晴らしいビジネスモデルを構築しても、組織は"人"の集まりであり、その一人一人の"人"が行動を起こす動機付けや価値観の共有が最も大事だと感じました。

ここで、ぜひ「オープンハウスさん」にやって頂きたいことがあります。
それは…
●「山の麓に面した安い土地にて、リモートに適した住宅開発」です。
現在 多くの競合他社が出てきていて、ある意味 営業力の差で、企業の売上が決まってしまうことになると思います。そんな中で、当然 他社とは違った商品が求められます。そこで 今後の働き方を先読みし、リモートに適した住宅があるといいと思いました。今ではどこに居ても仕事ができますので、敢えて 田舎の山の麓みたいなところだと土地も安く、「オープンハウスさん」の強みを活かした開発ができると思いました。
リモートに適した部屋を有する住宅販売は増えていますが、そもそも 住宅自体がリモートて適したものは少ないと思います。自然が豊富なところにそのような住宅があると、嬉しいと思いました。
若者が適当なことを言って、申し訳ございません。。。

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◯それでは 最後に、C.I.について、若者なりに一言いわせて頂くと…
*C.Iを見るだけで、本当に人間味を重視されている企業ということが分かります。営業の強みを持つオープンハウスさんならではと思います。しかし C.I. から企業自体がどこを目指しているのかが少し分かり辛く、勿体ないと思いました。分かり易くいうと、他の企業にも転用できてしまうと思います。オープンハウスさんならではの、目指すところや存在意義を言語化することで、更に 個性豊かで共感してもらいやすくなると思います。

出来れば、あくまで参考程度にですが、コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.を、一度 照らし合わせて頂けると有り難いです。
*concanが考えるC.I.とは?
https://www.concan.co.jp/post/topics-ci
長くなりましたが、以上です。

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