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人事はもっとダイナミックであるべきだ

皆様は人事という仕事をどう思うだろうか。

・経営者と陰でコソコソやって、冷徹に人事異動を決める方々。
・年末調整を期限までに提出するよう煩く言ってくる方々。
・残業時間の取り締まりをしている方々。
・訳の分からない新入社員を採用して、無理矢理当てがってくる方々。
・必要性を感じない研修を押し付けてくる方々。

人事という部署は現場から離れているくせに、現場に干渉してくる為
ともすると上記の様な鬱陶しい存在だと思われてしまう。

一方で、弊社のお客様先に理想的な人事部がある。
・現場との協力体制ができており、理想的な採用活動が出来ている
・現場の状況をよく理解し、労務についても適切なアドバイスができている
・社員個々の能力を良く理解しており、研修内容も現場に合わせたものを提供できている
・経営戦略に基づいた人事施策の提案ができている

上記の様に人事が上手く機能している企業もある。

この違いは以下の5点にあるのではないだろうか。

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1:現場理解が出来ているかどうか

人事が上手く機能する為に必要な事の一つが現場理解である。
現場の事がよく分からない、という人事では適切なサポート等できるはずがない。どの程度理解していなければならないかと言うと、明日からすぐに戦力になれるレベルでの理解が必要だと思う。

そうなると人事のキャリアとして理想的なのは、現場出身者でしかも
エース級の実力を持った方となる。

しかし、理想は理想で中々実現は難しいだろう。
現在の人事担当者が現場の仕事を理解するために、インターン生と一緒に実務に参加したり、期限付きで異動するなどのアプローチの方が現実的あり、多くの企業でその様な人事異動が行われている。

2:勉強できるかどうか

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どの仕事も勉強しなければならないが、人事は特に勉強しなければならない仕事であると思う。
採用、研修等の人材開発系のお仕事は毎年変化が大きい。
労務系でもクラウドサービスの開発によって手続きが簡素化出来る部分が出てきている等様々な変化が出てきている。

日々進化し、新たな手法や考え方が生み出されている人事の現場では
勉強しない方は企業に利益どころか害悪をもたらす存在にさえなってしまう。

更に、人事は経営と一体である。
よって、経営者と人事は近いところにあり、実際担当者レベルでも経営者と話をする機会は現場のそれより多いだろう。

そうなると、経営者と人事の課題についてディスカッションができる程の知識や技術を持ち合わせているかが問題である。
それには経営の基礎的な知識や会社のビジョン、置かれている状況の理解、
経営者の現在の考えを理解する力が必要である。

どう考えても勉強しなければならない。

3:人事は仕掛ける仕事であると理解できているかどうか

人事は間接部門であるから、会社の利益に直接は貢献しない。
従って、現場の要望に応える事が人事の仕事だと考える方は多い。

しかし、その様な人事担当は今後淘汰されていくだろう。
現場の状況を適宜理解し、人事サイドから現場に様々な提案をしていく事が
望まれる姿だ。

例えば組織上うまく機能していない箇所があれば是正案を提案し、
仕事量に対する人数の過多があれば、他部署との調整を進言する。
現場や経営者に対して課題解決の為の提案をしていく事が仕事の一つである。

決して「御用聞き」や「業者と経営者の伝書鳩」で終わる仕事ではない。

4:会社の価値観で動けているかどうか

人事担当の中には、業者やコンサルからの提案に対する良し悪しを
自分の価値観で決めようとする方がいる。

あなたが嫌な感じがするかどうかはどうでも良いことで、
会社として必要か必要でないかを会社の価値観を通じて考える事が人事の仕事である。

経営者と近い場所にいるからと言って、人事担当者は経営者ではない。

5:実務家であるかどうか

勉強できるかどうかが行き過ぎてはいけない。
企業で働く以上は企業に貢献する事が求められている。

企業に貢献する為の勉強であるべきで、自分が満足するための勉強になってはいけない。そして、勉強した知識や技術は企業の利益の為に使わなければならない。

人事は会社を動かす事ができるダイナミックな仕事だと思う。
ダイナミックな事をする為にはその責任に耐えられるだけの信用が必要だ。
それを得る為にも、上記の様な視点で人事の仕事を考えてみてはいかがだろうか

カトキチ@組織・人材開発コンサルタント

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