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化粧品に配合される合成ポリマーは安全か


合成ポリマーに囲まれた現代

合成ポリマーはプラスチック、コーティング剤、塗料の主成分。その他にも、化粧品やパーソナルケア製品など多くの製品で使用されています。

世界で年間数億トンが生産されており、私たちは日常的に無数の合成ポリマーに接しています。
また、人間が使った後の合成ポリマーにより、人間だけでなく自然環境にも影響を与えています。

心配されている有害性

プラスチックの有害性は、長年にわたって研究されてきました。そして、多くの科学的研究がその有害性について指摘しています。

にもかかわらず、その微細なサイズから、合成ポリマーは世界的な使用規制の対象から除外され続けてきました。

それは化粧品においても同じ。化粧品における安全基準が世界一厳しいとされるヨーロッパでも、合成ポリマーは規制されていないのです。
合成ポリマーを含むマイクロプラスチックにも、難分解性、生体蓄積性、および環境汚染物質に関する懸念(PBT懸念)があります。

しかし多くの合成ポリマーには使用を規制する法律はないため、PBT懸念がある多くの合成ポリマーが化粧品に使用され続けています。

規制の対象外となっている合成ポリマー

さまざまな懸念や安全性が不明瞭であるにもかかわらず、規制の対象外となっている合成ポリマーには次のようなものがあります。

  • 水溶性ポリマー

  • 液体ポリマー

  • 半固体ポリマー

水溶性の合成ポリマー

水に溶け、分散し、膨潤するプラスチックです。欧米ではリキッドマイクロプラスチックとも呼ばれています。

とても有用な特性があるため、化粧品のほかにも塗料や建築材料、農産物などでも使われています。
その結果、自然環境への排出量が年々増加しています。

水溶性ポリマーの中には、自然環境の中での分解速度が非常に遅く、長期間残留する可能性があるものも。また、分解されやすいためにさまざまな変質生成物に分解されたり、難分解で有害な可能性がある種類もあります。

ポリアクリルアミドは水溶性合成ポリマー

ポリアクリルアミドは水溶性ポリマーの一例。元になるアクリルアミドは神経毒や発がん性物質として知られています。
ただ、水溶性ポリマーがどの程度どんな濃度で蓄積しているかを調べるためには、特別な分析ツールが必要。
そのため、自然界に放出される合成ポリマーの量が増えているにもかかわらず、水溶性ポリマーが環境や人体に与える影響は未だに不明瞭なのです。

液体・半固体ポリマー

合成ポリマーの中には、液状または半固体の状態で使用されるものがあります。
分子構造によって、これらのポリマーは水溶性になったり、不溶性の液滴を形成します。

ジメチコンは液体の合成ポリマー

ジメチコンは、多くの化粧品で配合される液体ポリマーの例。シリコーン系物質で、日本ではシリコーンオイルと呼ばれています。

ジメチコンは、ヨーロッパのREACHが定める基準を満たすほど、生分解が難しい物質。自然界に放出されると簡単には分解されません。
その上、人体における内分泌かく乱作用懸念もあるとされています。
環境にも人体にもネガティブな影響を及ぼす可能性があるにもかかわらず、非常に多くの化粧品で使われ続けている成分なのです。

マイクロビーズよりもはるかに多い使用量

2018年のドイツの調査では、合成ポリマーの化粧品での使用量が報告されています。
それによると、化粧品で使用される合成ポリマーはマイクロビーズなどの固形ポリマーよりも、液体や半固形ポリマーのほうがはるかに多いとされています。

固形合成ポリマーの年間使用量は922トン。一方、水溶性・半固体・液体ポリマーはなんと23,700トン!いずれも化粧品だけでの使用量です。

これほど多くの合成ポリマー、つまりマイクロプラスチックが規制されることなく海洋に流され続けている。
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