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Interview #3(前編):人を喜ばせたい想いが生んだ、人にも地球にもやさしいヘアサロン

ヘアサロンとして日本で初めて「BIO HOTELS JAPAN認証」を受けたTHE ORIENTAL JOURNEYのオーナー、猿田哲也さん。現在は日本サステナブルサロン協会の代表理事も務めています。

THE ORIENTAL JOURNEYは、来店するお客様だけではなく美容師自身の健康や地球環境への配慮など、従来のヘアサロンでは蔑ろにされがちなところにまで寄りそうサステナブルなヘアサロン。多方面から注目を集め、全国にファンを抱えています。

前編では、生い立ちからTHE ORIENTAL JOURNEYオープンまでの道のりをお伺いします。(後編はこちら

Q:猿田さんのプロフィールには、「日本初」がたくさんあります。一番であることは大切だと思いますか?

第一人者になることの影響力は大きいと思います。でも、一番になることにこだわっているわけでもありません。

僕の父親が剣道の先生だったので、幼い頃から剣道をやっていたんです。親が先生だから勝って当たり前という環境だったんですが、僕は背が高くなくて、いつも頭一個分ぐらい大きい相手と戦っていました。プレッシャーを感じながらも、「大きいやつには絶対負けない」と思っていつも戦っていたので、いかに大きい相手に勝つかということを当たり前のように考えていました。

だから、自然とそういう考え方になる時もあります。でも、今は一番になることよりも、オンリーワンになることを大事にして追及しています。他にはどこもやっていないこと、まだ世に出ていないものを自分の手で実現していった結果、日本初にたどりついているのだと思います。

Q:美容業界に入ったきっかけは何だったのでしょうか?

一つは、人に喜んでもらうことが好きだからですね。
ボランティアに熱心な両親に「世のため人のためになりなさい」と耳にタコができるほど言われて育ちました。

両親も実際にアフリカに毛布を送ったりしている姿を見て、幼かった僕も老人ホームや施設でいろんなボランティアをするようになりました。人が喜んでくれることが本当に嬉しくて、人の喜びが自分の幸せにつながることをこの頃に悟りました。

ちょうどそんな時に、テレビで発展途上国のストリートチルドレンが路上で髪の毛を切られている映像を目にしたんです。僕と同世代の子が、ハサミじゃなくて石のような何かで髪を引きちぎるように切られているのを見て、「僕があそこに行って髪を切ってあげたい」という気持ちが芽生えたんです。それが最初のきっかけですね。

余談ですが、今年の10月にカンボジアの孤児院を回ってボランティアカットをしてきます。この時の夢が30年越しに叶いそうで、すごく楽しみにしています。

もう一つのきっかけは、中学生の時に初めて行った美容院での体験です。「こんなヘアスタイルにしたい」と雑誌の切り抜きを持って行ったのですが、仕上がりが全然違った。「ロングでってお願いしたのにショートカットにされた」っていうぐらい違って(笑)

商品代金って満足した対価として支払うはずなのに、全然満足していないヘアカットにお金を払うことにすごく疑問を感じて。この時も「こういう状況を自分が変えたい」と思いました。

Q:ヘアスタイリストとしてのキャリアを経て、2019年にTHE ORIENTAL JOURNEYをオープンされました。サステナブルなヘアサロンとして話題になりましたが、最初からそういったコンセプトだったのでしょうか?

いえ、実は、特に環境問題に取り組もうと思ったわけじゃないんです。お客様の幸せを突き詰めていって、こういう空間だったら幸せだろうなって考えてやったことが、ドンピシャでサステナブルだった、環境に配慮されていたっていう感じでした。

THE ORIENTAL JOURNEYという店名には、「自分の内側に旅をする」という意味を込めています。

「世のため人のためになりなさい」と言われて育ったとお話ししましたが、困った人がいたら助けて、頼まれたら引き受けてってやっているうちに、自分だけが疲弊してしまっていることに気づいたんですよね。周りの人は報われてるのに、自分は報われてないなって(笑)

なんでだろうと掘り下げた時に、まず自分が幸せになって、溢れた幸せを分け与えることが本当の意味で世のため人のためになるんじゃないか、自己犠牲じゃダメなんだと思ったんです。まずは自分の幸福度を上げること、自分の内側を見つめることが一番大事だと気づいたのが、ちょうどお店をオープンするタイミング。

「自分探しの旅」っていって世界中を旅する人もいますけど、自分の内側を旅した時に、初めて気付けることや答えがある。この美容室にいる時間だけでも、自分の内側に旅をしてほしいという思いを名前にしました。

そういう気づきがあった時だったので、だったら、お客様の幸せだけじゃなくて自分自身も行きたいと思える美容室を作ろうと思いました。

薬剤を無害化して排水するオゾン水システム、人間と環境への負荷が低い化粧品、有害物質を出さない漆喰で作った壁、オーガニックやフェアトレードのドリンクなど、何も誰も犠牲にしない選択をして自分の思いや理想を実現してみたら、BIO HOTELS JAPAN認証をクリアできるサロンができていました。

Q:THE ORIENTAL JOURNEYをオープンした後、日本サステナブルサロン協会も立ち上げられました。どんな思いや経緯があったのでしょうか?

THE ORIENTAL JOURNEYは、少なくとも僕と同じ思いを持っている人は、きっとここにたどり着いてくれるだろうって思ってオープンしたのですが、予想以上に反響が大きくて、全国からお客様が来てくれるようになりました。

こんなにもたくさんの人が、僕と同じようなことを美容室や美容業界に期待している。でも、それを体現している美容室が家の近くにないから、わざわざ飛行機に乗ってでも僕のお店まで来てくれている。

そんな状況を見て、全国にそういう美容室を作るのが僕の使命じゃないかと思って、日本サステナブルサロン協会を立ち上げました。
サステナブルサロンっていう名前ですけど、実際は、みんなが幸せになれる美容室がサステナブルサロンなんだと僕は捉えています。

基準や認証があるほうが、その思いや価値観は広がっていくんじゃないかと思って協会を作りました。

*インタビュー後編:「みんなが幸せになる場所、サステナブルサロン」
*猿田哲也さんのInstagramはこちら

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