公認会計士試験・合格体験記

某サイトにて合格体験記を書いたのですが、1ヶ月以上公開されてない状況なので、先に仮でアップしておきます。
この時期は勉強法を模索する時期だと思ってて、適時性が必要なのでこういう手段を取りました。
後ほど公開される方に答案等あるため一旦仮で見ていただけると幸いです。


以下、体験記

はじめに
はじめまして。マッチョです。匿名で出そうか迷いましたがどっちみちバレるのでもう名前を出すことにしました。笑
私自身、時間を投下する前に勉強法を色々検討した時期があってSPOKさんのサイトやnote等色々と読み漁りました。振り返ってみるとこのような勉強法の模索は本当に大事で効果があったなと振り返って思います。どうせ時間をかけるなら効率を上げたいですよね。この文章を読んだ方々が効率を上げれる視点を手に入れることが出来れば良いなーと思って色々書いてみました。ここは大事そうだなとか、ここは参考にしようと思う部分があれば実践してみて腑に落ちるまで実践してみて下さい。テキストと同じで反復することが大事なのでスクショを撮るなりメモを取るなりして反復するのが有効な活用法になるかと思います。逆に、一個人の勉強法なので合わない部分はバッサリ切り捨てて大丈夫です。合格の一助になれば幸いです。

0)公認会計士を目指した理由
友人が公認会計士で色々話を聞くうちに今の年齢で取っておいた方が良いなと感じたからです。
当時は仕事をしていましたが、仕事を辞めてでも取る価値は有ると思いました。65歳まで働くとしてもまだまだ序盤ですからね。
将来独立する事も視野にいれることができる点も魅力的でした。まずは監査を頑張りますが、次のキャリアを考える時に選択肢が多いほうが良いですからね。

1)受験歴の概要
2020年9月頃勉強スタート
2021年5月→短答✗(60%くらい)
2021年12月→短答✗(64.6%)
2022年5月→短答○(85.2%)
2022年8月→論文✗(50.92)
2023年8月→論文○(59.07)

仕事しながら勉強してた期間が長かったので3年かかってます。無職であれば2年間で合格を狙えるかなと思います。社会人受験生なら4年くらいでしょうか。
2022年5月短答受ける前に短答合格できそうな感覚があったので仕事辞めてます。

2)学歴
学歴は中の中くらいですかね。在学中に公認会計士なんて知りませんでした。受験勉強も腰を据えてやったことがなくその点はディスアドバンテージです。結局、ペーパーテストなので受験歴がある人は相対的に有利となる傾向が強いと感じます。

3)専門学校の選択
専門学校はCPA会計学院一択。教材の選択でミスしたくなかった為。少なくともCPAの教材で上位10%程度まで仕上げれば受かるだろうと思ってました。
肌感ですが、CPAは計算が弱く、理論に強い印象。
大原は計算が強く、理論に弱い印象。
良いとこ取りするのも良いかもしれません。

4)ツイッターの利用
ツイッターは情報収集のためにやっていました。トイレに行く合間に見たりご飯食べながら見たり。優秀な方が多いので良い情報が転がってます。それをうまいこと拾うことができれば勉強効率向上に役立ちます。ただ、一定時間を超えると悪影響が多いと思うのでそれはご自身で判断すると良いと思います。

5)短答の受験歴とケアレスミス対策について
過去の短答の点数と軽いコメントです。あと、短答で最も大事だったと感じたケアレスミスにフォーカスして残しておこうと思います。

2021年5月→短答✗
企業30
管理40くらい
監査75くらい
財務152
合計297(59.4%?)
社会人しながら8ヶ月での受験。
お試し受験です。さすがに期間が短くて駄目でした。
企業ひどすぎますね。60点あれば受かってたと記憶してます。
仕事が無ければ受かってたかも。人生変わっていたのかと考えると悔しいですね。

2021年12月→短答✗
企業60
管理42
監査85
財務136(計算88、理論48)
合計323点(64.6%)
万全の準備だったんですが敗因は計算です。管理と財務の計算は全力で強化すると決意。勉強する時間の内、まず計算が飽きるまでやり切ってから気分転換に理論。とにかく計算強化を3月末あたりまで続けていたと記憶してます。これが後ほど成果に結びつきます。
短答で差がつくのって結局計算なんですよね。理論は直前にみんな必死でやるので差が付きません。
みんながやらない所で頑張るのが一番差付きますよね。

2022年5月→短答○
企業75
管理69
監査90
財務192(計算120、理論72)
合計426点(85.2%)
ケアレスミスだけ注意してたので見事ミス0で乗り切りました。すごい点数ですよね。もう一生取れません。笑
計算に関しては戦略的撤退を除いて全問正解だったと思います。勝因はなんといっても計算の強化。更に踏み込んで書くとケアレスミスの撲滅運動を行いました。本試験はほぼ必ずケアレスミスを必ず起こします。時間制約、焦り、不安等いろいろな要素があります。

ケアレスミス対策で意識していた事を下記にまとめておきます。
・論点を見た時に解法を頭に漏れ無く思い浮かべる。
直前答練で理解してるのにケアレスミスが多くて点数が伸び悩む事がありました。簡単な問題の取りこぼしです。色々な方に聞いた所、網羅性のある教材を反復していなかったのが原因でした。テキストの反復をしたところ、ケアレスミスは格段に減りました。1ヶ月以上触れていない論点はありませんか?それがケアレスミスの原因になっている可能性が高いです。長い時間をかけてしっかり理解した論点達を数多く見ることで枝葉の論点を頭にインプット出来ます。最後の2ヶ月くらいはこのインプットをやり続けるとかなり安定します。段々スピードも上がっていって本試験直前の2日もあれば全ての科目の教材を1周できるようになっていました。会計士試験の暗記量は膨大であるため枝葉の論点はやはり短期記憶にぶち込まないといけません。理解だけした場合は中長期記憶のイメージですが、暗記も行う事で短期記憶も強化されるイメージです。特に試験直前期は短期記憶にフォーカスして反復回数を増やすとケアレスミスの可能性は減ると感じました。

・問題文をしっかり読んで前提事項を必ず確認する
上記の解法がすぐに思い浮かぶ状態になれば意外と時間に余裕が出来ます。なので、本試験の時に意識していたのは問題文をしっかりと読むことです。問題の前提条件って意外と大事です。読み飛ばし、読み間違え等のミスが減る感じです。解答を出してから1分間だけ問題を俯瞰して抜け漏れをチェックする等もすればかなり安定します。自分を批判的に検証するのは難しいですが癖のもんなので意識的に行ってみると良いかなと思います。

・簡単な所から解いて確実に積み上げていく
試験中は1周目Aのみ2周目Bの簡単な所3周目Bの時間かかりそうな所4周目は時間が余ればチャレンジするC論点みたいな感じです。何より大事なのは簡単な所を確実に解き切る事。問題の解き方で点数が変わってくるので答練から意識して練習してみて下さい。答練の時から解きこぼしはないか?実力をすべて出せてるか?みたいな観点から復習すると自分の失敗する癖みたいなのが出てくるのでそれを先に把握しておくと良いと思います。
合格する実力があるならばその実力を100%発揮すれば受かりますよね。100%発揮するようにはどう解けばよいか。ここを何度も何度も考えてみると答えが見えてくるかと思います。

6)論文成績と具体的な勉強法
2022年論文
管理1 48.6
管理2 50.3(49.45)

財務3 68.9
財務4 63.2
財務5 46.4(59.05)

監査1 47.7
監査2 45.1(46.4)

企業1 53.3
企業2 46.3(49.8)

租税1 37.9
租税2 55.5(48.5)

経営1 45.7
経営2 42.7(44.2)
—————————
合計 50.92

ごっぱち。財務と租税計算だけずば抜けて逃げ切る作戦でした。作戦通り、落ちました。笑
監査、経営、租税理論が足を引っ張ってますね。ごっぱち達成する人は本当に凄いです尊敬です。何かしらペーパーテスト慣れしていないと厳しいなーと身を持って体感。

2023年論文
管理1 62.9
管理2 49.2(56.05)

財務3 50.7
財務4 51.7
財務5 69.1(57.49)

監査1 62.5
監査2 52.3(57.40)

企業1 69.4
企業2 68.2(68.80)

租税1 61
租税2 66.3(64.20)

経営1 50.8
経営2 53.4(52.10)
——————————
合計59.07

管理→狙い通り本試験で最も良い成績を叩き出せました。52取れれば良かったので上振れ着地。
財務→偏差値60欲しかったのが本音です。リース解けてる人意外と多い説。あれは無理やろ。。
監査→暗記典型吐き出し勝負の部分はしっかり補強していて良かったです。十分十分。
企業→書き方も定着して上振れしてくれと願ってましたが願い通り上振れ着地。本試験の分析の成果が出て良かった。
租税→いつもの偏差値って感じですね。ok。
経営→やらかし。本当の本当に最低ライン。唯一の科目合格ラインを下回る科目となりました・・・。

さて、論文の具体的な勉強に入ります。
ごっぱちの時の戦略とかはそこまで役に立たないかなと思うので、合格した時の勉強を厚く書きたいと思います。
論文の勉強で大事だと思っていた事をまず総論的に残しておきます。次に、時期別、科目別で残しておきます。

総論ですが、下記に拘っていました。
・誰よりも勉強時間を確保する。
公認会計士試験は暗記する量が多い特徴があります。これは本当に大事な事で、大量に暗記するには時間をかければかけるほど有利になります。なので、勉強時間を確保する環境作りは本当に大事です。毎日の習慣が成績を作るのでなるべく集中して勉強する時間を最大限確保して下さい。時間をかけて暗記すれば点と点が結びついて理解が深まるということもあるのでやはり量は一つの指標だと思います。さらに、それに理解の意識が加わると合格確率は飛躍的に向上します。
・答練の点数にこだわりすぎない。
答練の点数は表面上の数字です。拘るべきは問題を解いている時の自分の思考回路です。一番もったいないのは点数が取れてるから復習しないことです。理解のレベルも暗記のレベルも突き詰めて引き上げれるところは必ずあります。そこを見つけるのが答練の役割です。
そもそも、長文理論の場合、1つの問いに対して無数の解答があり得るのに点数化するって難しすぎるやろっていつも思っていました。採点者によってブレちゃうんですよね。なので点数に拘らず自分の思考回路を修正することに拘っていました。
とは言え、点数は一定程度参考にはしていました。ある程度参考にするくらいで。
・受験生のレベル感を知る
論文式試験は相対評価です。相対的に上位40%に入っておけば合格します。問題を解く時もこのくらいが40%ラインって分かってたほうが本試験時に焦らなくて済みます。これを把握するには答練返却時の講評に問題の正答率が記載されているのでそれを随時確認して母集団のレベル感を把握します。52ラインってこんなもん。56ラインってこんなもんみたいな感覚が徐々に掴めてきます。復習が間に合わなければ5分でも良いので問題と自分が解いた時の感覚と正答率を確認するだけでもしておきましょう。チリツモで本試験の時にかなり効果を発揮しますよ。
・自分の持ってる知識を答案に100%反映できているか?
これは時間配分です。簡単な箇所の解きこぼし等してしまった場合合格する確率が落ちてしまいます。この観点を持っておくと本試験の緊張下でも大ゴケしないかと思います。簡単な所から解いて確実に合わせるとこは合わせる。これが意外と難しいので徹底してできていると差を付ける事ができます。
・知識のある人に相談して自分の勉強の方向性を合わせる
自分の勉強法は常に改善できるという考えがありました。なので、自分より講師の人のほうが知識持っていますよね。合格者のチューターの方の方が知識持っていますよね。そういう方に答案見てもらったり勉強法を相談したりというのは随時やっていました。

次に、時期的な所を。
試験後の9月~11月は遊びまくって教材を一切開かなかったです。メリハリを付けるという意味でしっかり遊んでたのも9ヶ月間の集中力を持続させた要因だったと思います。ここは自分と対話してさじ加減を決めると良いと思います。
12月頃から勉強を徐々に再開。とりあえず年内は修了考査にも繋がるし実務で役立つ観点から租税と財務はモチベ高くできますし、試験の最重要科目と言っても過言でもない。なので、集中が切れるまで租税財務に全力投球して飽きてきたら弱点で補強すべきであった経営計算をやるという感じでした。理論は財務理論だけ少し。
あとは、本試験の答案分析は早めにやっておいて良かったかなと思います。他の人の優秀答案を科目毎に保存して読み込み。採点の肌感をつかめたので個人的にはやって良かったです。(煩雑ですが)
1月~6月頃までは授業受けて復習して答練受けてって感じなので本当にカツカツです。特に1月~4月頃。ここで積み残し無くいかにやりきれるかが大事だったのかなと思います。追いつかないなら答練はスルーしても良いと思います。経営と管理の答練は後回しにしていたと記憶しています。それ意外はほぼライブ受験だったはず。
7,8月は新たに学ぶことがほぼ無くなって暗記中心の勉強。ざっくり全体のスケジュール感はこんな所です。

次に、科目別の戦略です。ざっくりのイメージはこんな感じ。
攻め科目→財務、租税
中間→企業、経営計算
守り科目→管理、監査、経営理論

<財務理論>論文対策集2022年合格目標、テキスト、会計法規集
財務理論はここ8年程は論証の暗記精度で勝負が決まっています。そのため、どこまでやるか非常に悩みました。
・論証暗記のみ徹底する→52は守れそう
・論証暗記+論証の理解→56は安定しそう
というイメージで、後者を選択。理由は下記3点。

・9ヶ月×10時間で2700時間程勉強できること
・実務で使う知識であること
・2022年の本試験で財務は偏差値59取れてること。

これらを勘案すると今までのやり方プラスα会計基準を活用すれば偏差値56は取れそうだったので会計基準も導入しました。論文対策集は問いに答えるために結論の背景から引用している為、どうしても断片的な知識になっているように感じました。結論の背景でその周辺の文言も合わせて見たほうが論証の位置付けが明確化され、暗記の精度も高まるという効果があります。(ただし、工数がかなり多い為全体のバランスも考えて取り組むべきです。他に間に合っていない所があれば会計基準は見ない方が合格確率は高まると思います。)
補足しておくと、実務指針もたまに出てきますが、これはほぼ触れませんでした。実務指針は会計処理の論拠はそこまで書かれていないので費用対効果が悪いと感じました。
あと、テキストも補足的に使っていました。ほんと、枝葉の知識を軽く拾う程度。理解すれば1本軸が通るのでササッと読む感じで。退職給付を解く時に論点のモレを無くすイメージで使ってました。まぁ、そこまで合否には影響しません。

上記のように、直前2ヶ月前までに理解の部分は終えてどの文言で覚えるか決めておきます。論文対策集の文言が気に入らなければ自分の文字で会計基準の文言を引用する等してアレンジしておきます。試験委員の先生からすると結論の背景の文言が入っていればバツにはできませんし、なるべく結論の背景を忠実に引用するように心がけていました。
直前の2ヶ月は精度を高めるために暗記にフルベット。目安は2週間で1周するくらい。まず答えを隠して答えを自分の頭で考えて箇条書きする感じで答えと照らし合わせる。こんな感じで暗記してました。
答練が多いので焦って暗記したくなりますが、直前期伸び悩むので我慢我慢。徹底して理解する事に重きを置き長期的な目標を必ず優先する事を意識していました。余裕ができたら暗記も行っていく程度で良いかと思います。

あと、財務理論は量が多いので早めに取り組んでいく事をオススメします。量に圧倒されて間に合わない人が多い印象です。答練振り返ってて思ったのが3つ書くべきことがあるのに2つしか書けない人が多いなという事です。モレ無く書くということも意識していると伸びてくるかと思います。

<財務計算>テキスト、論文対策集、コントレ(連結と組織再編のみ)、高野レジュメ
財務計算で鍵を握るのは連結と組織再編。できる人とできない人の差が激しいので第5問の偏差値は稼ぎに行くべきと感じました。逆に3問と4問の計算は簡単な所だけは絶対に落とさないレベルで深くやらなくても良いかなという感じのイメージでした。が、3問と4問は苦手だったので対策が間違ってたかも。何か費用対効果悪く感じてしまって52守るイメージで挑んでました。答練でも3問は偏差値低いことが多く対策不足だったなと思います。短答期と同じ対策すれば取れるんでしょうけど理論を伸ばす方に時間使った感じでしょうか。
連結と組織再編はコントレを完全理解することに重きを置いて取り組んでました。理解が足りなければ授業を見て理解をやり直す。こういう地道な作業が直前期に効いていました。あとは補足的に高野レジュメでカバーしてました。ちょっと重複する部分多かったので非効率感はありました。
短答の頃からやっていたのがテキストの回転です。細かい枝葉の論点って1ヶ月見ないと忘れる部分があるのでそこをテキスト回転で補ってました。直前期であれば2週間で1周はしていましたかね。
理解することで中長期的に記憶をすることができ、暗記することで短期記憶にぶち込んで本試験の時に暗記できてる量を最大化させること。これが大事かなと。

<管理計算>テキスト、論文対策集
管理計算は苦手でした。まず、論文対策集が重すぎるんです。笑
苦手なことが分かりきっていたので答練は成績を全く気にせず受けて本試験時にピークが来ればよいというスタンスでした。偏差値52は死守したい。もうそれだけで良い。私にとってはそんな科目です。
なので、答練のペースはほぼ無視して論文対策集を消化することに重きを置いて取り組んでました。
兎にも角にも守りたかった為、最終的に問題の解き方だけはかなり拘るようになりました。管理は特に時間が無い科目なので、実力があったとしても答案に反映できないことが多いです。であれば、解き方にこだわれば守れるのではないかという考えです。
解き方を極めるにあたって、昨年の答練と今年分の答練の解き直しは良かったです。4問あるうち、1問25分程度で時間を計って解く。これを繰り返して3周くらいしましたかね。

管理は問題の解き方は本当に大事だと思うので以下の2点意識してました。
・開始5~7分程度は問題に目を通して、どの論点が出題されているか把握する。頭に論点があったほうがピンときやすいのである程度把握しておいたほうが解きやすいです。また、解く順番も簡単な所から解いていきます。そうすることで解きこぼしを防止できます。上から順番に解きたくなる所ですが問題を俯瞰して簡単な所からです。解けそうな所があると飛びついてしまいそうになりますが、全体像を把握してから初めて解くという風にしたほうが結果的に点数が伸びる傾向にありました。
・小問単位で問題の取捨選択をする。問題の最後の方って簡単な問題が多かったりするんです。いやらしいですよね。けど、そういう所を取りこぼさないことが偏差値の安定に繋がります。うわ、難しい無理。ではなく、難しいからこそ1問でも拾えばアドバンテージだ!という考え方になれば安定すると思います。焦って上から解いていくんではなく問題を俯瞰して急がば回れの精神で解けるようになると偏差値は安定する傾向にありました。

答練を解き終わった後の講評は必ず確認して52ラインは肌感で掴んでおくのも焦らないために良かったですね。
あと、管理会計分野は実を結びにくく原価計算分野は実を結びやすい傾向にあったので原価計算分野の比重を重く対策していました。

<管理理論>論文対策集
管理理論は対策しやすく、好きでした。苦手な人が多く、勉強時間をあまり割かない人が多い科目です。なので、答練の母集団のレベルは結構低い印象でした。
管理会計は時間が足りないのでキーワードを盛り込むことを特に意識してました。
・母集団のレベルが低い
・計算に時間を割きたい
・解答欄が少ないケースが多い
これらが理由です。

なので、学習の中心はキーワードを暗記することです。最後の方はキーワードの前後の文章も覚えて、不自然のない解答になることも意識していました。理論はササッと吐き出して書いて計算に時間を充てる時間の使い方も良かったのかなと思います。答練解きながら計算と理論のバランスを模索してみると感覚は掴めてくるかなと。

<監査論>松本レジュメ
監査論は本当に最後までよく分かりませんでした。本試験の採点基準が一番不明確であり、勉強したとしても得点できる可能性が低かったので守りの科目という位置付け。確実性の高い所に時間を費やす作戦です。
CPAの松本レジュメは理解の深さがあり、暗記箇所も分かりやすく表記されているため、これをやり抜けば合格点は取れると確信してたのでレジュメを何回も読んだり思い出したりしてました。

以下のポイントを意識していました。
・暗記分野は書き負けない→CPA以外の予備校は暗記重視なので偏差値を落とさないために。
・事例問題はなるべく事例を拾って出題の意図を汲み取る→自分勝手に妄想すると点が来ない印象。
・論点洗い出しで書き漏らさない→書く前に全部論点を検討できてるか。ここで勝負はほぼ決まるかなという印象です。

監査論で大事だと思っていた事は問題文から出題の意図を読み取る事だと思います。自分の持つ知識を展開するのではなく、問いに答える形で自分の使えそうな知識を使っていく。あくまで問いに答えていないと点数が来ませんから。常に問いから考える癖を付けるのは有効だったのかなと思います。

<企業法>青木レジュメ、テキスト
企業法は時間を投下して財務租税の次に稼ぐつもりでした。ただし、ボラティリティが激しいので最悪52で守るということも頭にありました。
企業法はコツを掴むまで本当に難しい科目です。これが正しい勉強なのか常に自問自答しながら、本試験で評価される答案ってどんな答案なんだろうか?というところを常に考えてた気がします。
本試験の採点基準なんて、答えが不明確ですし探しても時間の無駄になるかもしれませんが、ここが一番大事って思って時間を費やしました。昨年の開示答案を読み漁ったりすることで少しずつ経験値を蓄積しました。また、CPAの青木先生にも直接聞いてました。本試験の事を一番分析されている先生なので絶大な信頼を置いていて本試験の採点基準については根掘り葉掘り聞かせていただきました。答練の後は自分で書いた答案を写真に撮ってそれを印刷して毎回毎回見てもらってこういう感じで書いてるんですけど、本試験は点数きますか?とか色々聞いてました。そういう経験値の積み重ねで勉強法は正しい方向に向かっていったのかなと思います。
分析していく過程で、答練と本試験で求められる能力の違いはかなり大きいと感じました。答練は、論点吐き出しでなんとかなることが多いです。いわば暗記しておけば対応できるイメージです。本試験は、論点を知ってるだけは安定せず、暗記で対応しにくいです。問題文を読んで必要な条文を読んでそこから考える必要があります。条文はこういう文言でこういう趣旨で書かれている。だから問題にあてはめるとこうなんだみたいな。それを考えて初めて論点の中身の暗記が活きる感じです。論点を広く浅く知ることはモレを無くすために必須ですが、深く知ることは優先順位が下がります。直前期の詰め込み期に時間があればやる程度で大丈夫。
やっぱり企業法は条文命だと思いますね。条文の論点となる部分はどこか?要件は挙げられるか?要件の論点となる部分はどこか?条文の趣旨は何か?条文の文言から検討できるか?などなど条文を大事にする意識を持ってから伸びた気がします。

以下に本試験で意識していた事を残しておこうと思います。
・問題文の全ての事項を考慮する。
問題文って白紙の紙に試験委員が作るわけですから、1つ1つの文字に意味があるわけです。固執しすぎて重要論点を飛ばすのはNGですがこの観点を持っておくことでモレ防止にかなり有効です(最近の本試験は基礎的な論点が出るんですが考慮すべき事項が多いです。なので、全て検討して解答に盛り込むのは至難の業。なので、パニクった時の対処という意味も兼ねて重要なことから考えて書いていく事も頭に入れていました。)
・問題文を見た時に論点を気づけるようにする。
論点の一言一句を暗記するのではなく、論点の題名と中身を軽く知ることを徹底すれば問題文を見た時にあれ?こんな論点あったよな。と気づくことが出来ます。これが本当に大事なので、中身を深堀りするよりも広く浅く対策することに注力していました。あと、条文も同じことが言えます。この問題文はこの条文を使わせようとしているのかな?ということを気づけるかが勝負です。広く浅く対策するために条文構造を把握して重要な所を素読する事もしていました。気づかなければ論ずれに直結するので気付けるか勝負です。
・あてはめを分厚く丁寧に行う。
本試験では事実に点あり。と言われているくらい問題文の事象をあてはめに書けば点数が来ます。条文を挙げて条文の解釈や規範を立ててそれに従って問題文ではこうなってます。と書くのでやはり問題文を引用してくるのがかなり有効です。一言一句引っ張ってくるくらいの感覚でやってました。多少長くなっても良いわくらいの感じで。会社法は現実世界に適用されますが、試験の世界では問題文に適用出来れば良いので、問題文の事実が全てです。事実に点有りと言われているほどで、事実を当てはめで書くことで気づいていることを試験委員に伝えるという感じです。
・問いは何を問いたいのか何回も考える。
論ずれ防止です。試験が始まったら問いから読んで、次に問題文を読んで条文を見つけ出して、また問いを確認する。これらを総合的に考えて書く前にまた問いを確認する。そのくらいしないとなんとなく類似論点に飛びついてしまったりしてしまう経験があったので論ずれが多い人はこれを意識すると良いかもしれません。
・全く知らない論点が出てきた場合、条文を見つけ出して条文の趣旨や条文の文言から規範を立てて当てはめをおこなう。この型ができていれば最低限52を守れる感覚だったので、知らない論点対策としてこんな事は感じのことをしてました。本試験はあてはめの事実から逆算して規範を書くみたいなこともしました。

最近の本試験は論点まとめを暗記していくだけの人を引っ掛ける問題文になってたりします。論証まとめ丸暗記じゃ解かせねえぞっていう意思がひしひしと伝わってきます。。

<租税法計算>テキスト、個別問題集、コントレ
租税法の計算は得意科目です。租税計算は得意な人と不得意な人の差が結構あるなと思います。本試験も比較的簡単な問題が出されますし勉強時間が反映されやすい感覚でした。他の科目に比べて反復が必要な科目だと思います。理屈の無い部分はやはり数を見て頭に刷り込んでいくしか有りません。とはいえ、理屈のある部分はしっかりと理詰めで考えて理解を心がけていました。理解することで記憶の質も高くなり暗記の負担は減るからです。

・答練前にテキスト反復
勉強の基本スタンスとして網羅性のあるテキストに集約してそれを回転する事を心がけていました。普段の勉強は理解を深堀りするのみなので回転することはしません。答練の前に学習したことを思い出すためにテキスト1周を必ず取り入れていました。最後の方は法人、所得、消費の4冊で1時間ちょいあれば回せていました。特に租税法は細々としているのでこの詰めが甘ければケアレスミスを引き起こしてしまいます。この対策をしていたので答練も比較的安定していてほとんど偏差値60超えでした。振り返ってもやはりミスしないこと。これに尽きると思います。ミス対策の源は理解して網羅しているテキストを見まくったことです。情報を一元化してそれを反復する。勉強の鉄則ですね。

・意外と理解は拘った
理屈のない暗記が多いのは確かにそうです。ただ、理解できる部分も当然あります。こじつけの理解でも良いのですが、とにかく理解には拘っていたと振り返って思います。時期的には12月~2月頃は理解に全振りしていまいた。一旦理解が終わると、残り暗記すればよいだけやんっていう感覚になって4月の1ヶ月は丸々租税法は触れずに他の間に合っていない科目に時間を割いていました。暗記は反復すれば良いので、それを4月に必死にやる意義を感じなかった。そんな感じです。本試験時に記憶の総量を最大化する観点が大事かなと思っていました。

・過去問分析はオススメ
自分は過去問を結構解くスタンスです。租税法も5年程過去問を解いて思ったんですが、出されてる論点は基礎的なものが多いのでミスさえしなければかなりの得点を期待できると革新を掴めました。なので、ケアレスミス対策にリソースを割けたのかなと思います。あと、解答欄を確認しておくのも非常にオススメです。消費税は特に解答欄によっては部分点が取りやすくなるのでどういう問われ方をするのか事前に確認しておくのは有効でした。問題を解く時も解答欄からみて解答から逆算して解くみたいな事も時にはやっていました。答練で試してみると良いかなーと思います。

・苦手な人へ
租税法が苦手な人は出題可能性が高い分野に重きを置くと良いと思います。広く対策するより確実に取れる所を増やす方が点数は伸びるかと思います。減価償却、租税公課、受取配当金などかならず出る分野を取りこぼさない。ここが大事です。組織再編とか圧縮記帳とか時間かかるし出題可能性はそこまで高くないのでバッサリ切ってもよいかと思います。論点の感覚は忘れてるので割愛しますが答練解説等で言われていると思うのでそういった情報を参考に色々情報収集してみて下さい。
あとは、反復回数です。頭に染み込ませて考えないレベルまですると時間にもゆとりが出てきます。

<租税法理論>テキスト
租税法理論は勉強法のノウハウがあまり出回っておらず、とても対策に苦戦しました。最終的には一番参考になったのは鈴木講師という方の昔のツイートでした。ツイッターって良い情報転がってますよね。

・条文を見つけられるようになること。これが最も大事です。
本試験は法令基準集が配布され、目次から条文を探すことになります。であれば、目次を見た時に論点がどこにぶら下がっているか把握しておけば良いのです。そして、見つけたら条文を読んで答案に反映する。条文の中身については当然読んで理解しておくに越したことはないですが、量が多すぎます。まずは、ざっくりこの論点はここにあるよな。みたいな当たりをつける事が最優先です。こんな感じでやっていくと、条文を暗記するレベルまで到達します。問題文を見た時に何条かなーとなるので、そこがゴール地点。その次のレベルとして、本試験は条文の文言そのまま載っけてある場合があるので、条文の読み込みもしていました。この文言って条文にあったよな。みたいに気づけるようにするためです。

・勉強のコツは1回あたりの密度を下げ回転数をあげること。
日々の勉強で条文の中身を深堀りしたくなる気持ちはとてもわかります。自分はそういうタイプでした。しかし、租税理論でそれをしていると量に押しつぶされます。なので、ざっくりこんな論点だったな程度で留めて回転数を上げまくることをオススメします。直前期は法人税を30分で1周、所得と消費税を30分で1周みたいな感じで勉強していました。人間、反復して見る回数を増やすと自然と覚えるんですよね。

今年の答練に出た論点に関しては上位30%には入るレベルの復習をしていました。最後は大体覚えてしまったので昨年の答練もガチ解きしてました。条文は多少違ってる部分ありますが、違う部分が分かるくらいに理解できていたので問題なくできてました。

<経営学計算>テキスト、個別問題集、速習レジュメ
経営学は正直掴みどころがない。そのような印象です。なのでかなり苦戦しました。深く理解しようと思って突き詰めて考えても掴めない感じです。財務は腑に落ちることが多いのですが、結局曖昧で腑に落ちない印象。なので、ある程度こんなもんなんだなと思って一定程度まで理解すればokという感じで程よい距離感を取るのが良いと思います。笑
加えて、私は数学が全く分かりません。なので、最初は不安しか無くて苦手意識が常に有りました。が、この意識が問題でした。
今になって振り返ると、数学的素養はそこまで使わずに偏差値52は辿り着けます。もちろん、数学的素養があった方がの見込みが早いのですが。。
昨年は計算を機械的に解けるよりも理解を重視して学習していたので、計算を機械的に解ける部分が疎かになってました。他の科目は理屈優先で良いのですが、経営学は理解が深すぎてブラックホールです。
であれば、定型的な問題だけ確実に取れるようにして理屈を後付けしてやればよいのです。
というわけで定型的な問題を解けるようにするために経営学速習レジュメ(矢野先生作成)を使って問題だけ解いてました。問題数少ないのでこれを周回するのが点数伸びたポイントかなと思います。

・計算の型を先に身に着けてから理屈を肉付けしていく。
・理解で押し切ろうとせずこんな感じかな程度で留めておく。
ポイントはこんな感じでしょうか。

あと、本試験は意外と理論問題や記号問題が多かったので研究不足でした。やはり、ゴール地点は本試験。本試験を分析しておくことで日々の勉強の意識も変わりますし教材の読み方だって変わります。ここは自分の準備不足が露呈した所かなと思います。教材もあくまで一企業が作成したものなので盲目的に信頼するのはあまりよろしくないと思いました。

<経営学理論>テキスト、個別問題集
理屈のない単純暗記はとても嫌いだったので時間を費やしたくありませんでした。なので、最低限52取れたらもうそれで勘弁してくれという感じでした。
覚えた所で点数取れる以外に意義を見いだせず、モチベーションが全く起きません。。ただ、時間を投下すれば稼げるようになる可能性は上がる科目です。合格確率を極限まで高めたい人は直前期になればなるほど時間をかけると良いと思います。点数を伸ばすポイントは時間をかけるだけと思います。

8)おわりに
勉強って辛いですよね。辛いからこそ、やり抜く価値って高いと思ってます。勉強で頑張ることが出来れば他の分野でも頑張ることが出来ます。頑張るレベル感の話で他に応用が効くと思うと自分はモチベ高くもっともっとやろうという気分になりました。自分なりのモチベーションって人によって違うと思うのでモチベーションポイントを見つけてみるのも良い視点かなと思います。
公認会計士試験に挑む人が置かれた環境って本当に人によって様々です。学生、無職、社会人、主婦など。置かれた環境が違えば偏差値52をもぎ取るための作戦は必ず変わってきます。自分の戦略を練る際に少しでも参考になった部分があれば私としては嬉しい限りです。頑張って下さい!


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