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夕暮れディープ・ブルー

踏切の前
誰もいない路地裏
帰り道
車の中

仮想の昼と
本当の夜の間
嘘と本当が毎日混じり合う
夕暮れディープ・ブルー
つかめそうで
つかめない
そんな時
金木犀の香る風景で
好きだと言ったのは
多分本当なのさ

バイト帰り
帰省の最中
新幹線の車窓から
閉じ込められた
カプセルの中

偽物の昼と
現実の夜の
その間
夕暮れディープ・ブルー
世界の果ての
巨大な壁のような
雲の影
毎日
ドアは開いている
消えかけた残照の温もりの中
僕らそっと目を閉じる
起きる前に
僕らそっと目を閉じる
本当さ
本当なんだ

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