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ピンク色の季節に

住み慣れたこの家にサヨナラなんて 
簡単な事ではないでしょう
春が来れば南の窓辺で
「桜が綺麗だ」と言えるのは
ずっと当たり前だと思っていたわ
摘み取った蓮華は忘れないように
携帯ケースに閉じ込めて
暮れ行く夕日のオレンジは 
思い出と一緒に部屋の中
口では言えない感謝の言葉を
そっと手紙に忍ばせて
この家のどこかに隠しておくから 
いつか絶対見つけてね

離れる事は分かっていたのに 
ずっと知らないフリをしてたでしょう
いつも近くに感じすぎてて 
気付けなかったいろいろを
直接伝えたいと思っているけど 
そんな事できないと分かっているから 
文字にしました 届いてるかな
今から集合ねと簡単に言えなくなってしまって
心にまた寂しさが生まれてしまったけど
いつかまた会えると信じて 
お互いの場所で綺麗な花を咲かせましょう

私はいつかあなたの大切さに気付いてしまって この手を伸ばす事でしょう
簡単に触れる事の出来ない悲しさが
一人でいる事への寂しさへと変わるけど
それに耐え抜く力をきっと 
あなたは届けてくれるのよ
あなたの言葉を指でなぞって 
胸にしっかり刻み込んだ
来年は一緒にチューリップでも買いに行きたいな
なんて 可愛いわがままを送ります


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