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口うるさく言い続けた結果

臆病で、人見知りで、慎重派な息子。

近所のおじちゃんおばちゃんにあったら必ず挨拶を、と言ってもなかなかできなかった。
せめて「ありがとう」のお礼くらいは大きな声で、と言ってもスッと言葉がでてこなかった。
その度に「もぅ〜っ」と思いながら、一人で挨拶やお礼を言う私。

家に私の友人が遊びにきても無愛想だった息子。
たまに会う祖父母にさえ無愛想だった息子。
慣れない非日常に、居心地が悪いとういうのを露骨に出した。
そんな息子にもよくしてくれる友人や祖父母に、申し訳ない気持ちでいっぱいだった私。

息子の性格上、人と関わることはどちらかといえば苦手。
私も小さい頃はそうだったので、分からないこともない。
けれど、できるだけいっぱいの人と関わった方が、人生は絶対に豊かになると思っている。
人との関わり方で、人生を左右するとさえ思っている。

なので、息子に人と関わらせることは止めなかった。
というより、私が色んな人と関わる場所へ息子も連れていき、せめてもの挨拶やお礼について口うるさく言い続けた。

そんな息子も今は中学生。
先日、家族で訪れた私の友人のお宅では、自ら進んで友人の手伝いをするようになっていた。
何なら友人にヨイショまでしている。笑
そして特に苦手だった年下の子ども相手も、面倒見が良いとまではいかないが、それなりにうまく相手するようになっていた。

反抗期でお年頃な中学生ではあるが、そこに人が居ればその人と関わることがあたり前、そんな風に育ってくれたのかな。
あの時口うるさく言い続けたことは無駄ではなかった、そう改めて思えた。

(芹川)

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