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数字が苦手な人の価格設定の考え方

こんにちは。

minneでハンドメイド作品を販売しているコノカです。

ハンドメイド作家になって初めて体験した価格設定。
誰も正解を教えてくれないし、難しいですよね。

今回は、作品を販売していて触れねばならぬ、価格設定のお話をします。

正直言って、数字がとっても苦手です。

どれほど苦手かというと。
高校の授業では教壇の目の前の席だったため、数学の授業で泣かされていたくらい苦手です。
「理解していない!遅い!」
スパルタな先生でした。
うえーん。

数字を見るのも嫌いな私が、今の価格にたどり着くまでにやったことや経験をまとめます。

同じように価格設定や数字が苦手な人の参考になると嬉しいです。


価格をイメージしてみる

こむずかしい数字の話の前に、私たちが得意な妄想から入ろうと思います。

相場や「高すぎて売れない」ことを考えずに、イメージする価格。

価格を具体的にイメージした後で、実際の数字をすり合わせていきましょう。

100個注文があったときに嬉しい価格

あなたのその作品、同じクオリティで100個作れますか?

同じクオリティで100作れないのであれば、厳しいことを言いますが、販売の前に要勉強です。
技術の向上を目指してください。

そして、100個注文があったとき、いくらの価格だったら嬉しいですか?

100個作るには、頑張りが必要です。

安い価格設定にしすぎると、100個作っていても手取りが少なくて疲れてしまいます。
「同じものを黙々と、、、つらい、、、楽しくない、、、」
心がポッキリ折れてしまう。

ちゃんと正しい価格づけができていたら、
「100個!ありがとうございます!!やってやるぞー!!」
心は燃え上がります。

頑張りが収入になるからです。

私は今年、1ヶ月に最高約350点の商品を制作しました。
も〜、大変でしたよ。

納得のいく価格が見つけられているので、頑張ることができました。

あなたが頑張れる商品の価格を、一度考えてみてください。

そして、100個作るのにどれくらいの時間がかかるか把握しておくと、いざ注文が入ったときに対応しやすいです。
時給の参考にもなるので、ぜひ時間を洗い出してみてください。

月収いくら欲しい?

逆算して価格を決める方法があります。

もし、これからハンドメイド作家を目指すか悩んでいるのであれば、自分の目指す暮らしがゴールにあるのか確認することができます。

あなたは月収がどれくらいあると、満たされますか?

社会に認められる価格?
それはいくらでしょうか。

主婦がパートに出る収入?
OL時代の収入?

具体的に一緒に考えてみましょう。

【主婦がパートに出る収入】

時給1000円週3日 1日4時間の場合

1,000円×3日×4時間×4週=48,000円
年収576,000


【OL時代の収入】

週休2日残業有り 9時〜18時勤務の場合

月収25万円
年収3,000,000円
※所得税60,000円、住民税120,000円、社会保険料430,000円

手取り2,400,000
(20222年現在の目安)

うむむ、税金が大きく取られてしまうんですね。

扶養内でお仕事をしたいのか、独身で自立をしたいのか、それぞれ状況によると思います。
自分にとっての正解を見つけてくださいね。


例えば、月100,000円の売り上げを目標にするとしましょう。

1,000円の商品を100個売れば、目標が達成できます。

100個も作れない?

ならば、10,000円のものを10個売っても同じく目標達成です。

私は家事育児の合間にゴロゴロする時間が欲しい人間なので、「薄利多売は絶対しない」と決めていました。
自分の作品を売って暮らしていきたいからです。

もちろ正解がありません。
新作を考えたり、新しい情報を得る余裕がなくなってしまいます。
制作の時間で1日が終わらせず、余裕のある活動をお勧めします。


価格を現実的にしてみる

ホワワンとした価格のイメージをしたところで、この妄想を現実とすり合わせていきましょう。
あとは調べるのみです!

その前に、覚えておきたい言葉があります。

利益とは

売上ー原価=利益

原価とは

原価とは材料費+作業時間

※同じ作業をできるだけまとめて、時短をした作業時間!
 0円でもいいよ。

仕事を続けるための費用

原価に数百円をプラスにして安心していませんか?それ、赤字になっているかもしれませんよ!

ハンドメイド作家として価格に含めたい隠れた費用がまだまだあります。
隠れた費用を無視していると、どんなに売ってもボランティアになってしまいます。

  • 資材調達の交通費

  • 出店手数料

  • 発送費

  • イベントの出店手数料

  • イベントの什器

  • 梱包する箱

  • OPP袋

  • 梱包に使うシール

  • ショップカード

    ーーーーー

  • 試作の材料費

  • インターネット通信費

  • 電気代

  • 道具類購入費

  • 宣伝広告費

  • 消耗品日

  • 買い換えたパソコン代

  • 撮影小物、、、などなど!

上下に分けていることには理由があります。
それは、開業届を出しているかどうか。

上は開業届を出していない場合。
売るために使った費用は経費にすることができます。

下は開業届を出している場合。
運営にかかった費用を経費にすることができます。

材料費はどんぶり勘定しない

最近嘆かれる物価高騰の嵐。

しばらく材料費を見直していませんでしたが、振り返ってみると材料費がプラスになっていました。

この記事をかきながら、見直すことにします。

商品素材                              90yen
梱包時の台紙                       5yen
OPP袋                                 336yen÷100=3.3yen
梱包時のシール                    198yen÷480部=0.4yen
ショップカード                    10934yen÷400部=5.1yen
取り扱い説明書のカード       7,745yen÷2,400部=3.2yen
封筒                                     8,580yen÷1,100部=7.8yen
梱包時のテープ                    94yen÷35=3.4yen
合計118.2円でしたぁ!!!!

領収書を漁って、電卓を叩いて、計算してみました。

私の場合、ある商品の原価が118円だとわかりました。
なかなかいいバランスです。

では、いくらに設定しよう?

もしトラブルがあって、無料で作りなおすことがあっても、赤字にならないように。
OPP袋が折れて使えなくなることもあるでしょう。

シールにホコリがついて使えなくなったり、
不測の事態があっても赤字にならない価格です。

そして、ハンドメイド作品を売って暮らしていくために、私達は作品に価値を産まなくてはいけません。

先程の118円を私は1000円前後で販売しています。

何を売っているかは伏せますが、あーしてこーして、5000円になることもあります。

私の目標は、この118円を3万円にすることです。

できると思いますか?
付加価値をつければ、できるかもしれません。

ただの主婦ですが、付加価値を日々考え続けて暮らしています。

リサーチしてみる・相場を知る

あなたの商品と似たものを販売している作家やブランドは把握していますか?

その作家やブランドを競合と呼びます。

あるお客様が「キャンドルを買いたいな」と探すときに、minneの検索ワードやGoogleで「キャンドル」と検索します。
検索結果に、キャンドル作家やキャンドルブランドがズラーっと上がります。
それが競合です。

私もこの記事を書くために、改めて競合をリサーチしました。
みなさま素敵な商品で溢れていて、めちゃくちゃ心にダメージを負いました。
「私の商品じゃなくてもいいじゃん」
「私の商品よりかわいい」
「私に比べてすごい売れてる…」
「あれ?自分と似たような作品がある!」

ダメージをくらうので、なんとなくのリサーチをしてはいけません。

30100件の競合をリサーチしましょう。

【リサーチ内容】
価格帯
そのブランドの売り
そのブランドのコンセプト
そのブランドのペルソナ
そのブランドのメイン商品
そのブランドの作家の印象
そのブランドのセールスコピー
そのブランドのデザインの方向性
そのブランドの見習うべきところ
そのブランドのSNSの運用の仕方

リサーチをしながら、競合ブランドと同じようなものを作らず、まだないものを探します。

真似したい売り方は参考にさせていただきます。
(商品やデザインを真似してはダメ!)

今回改めて競合リサーチをして、私のブランドの新作の方向性が見えました。

そして、気付きました。
自分の中では「高いかも?」と思っていた商品の価値を上げられることに。
だって、もっと高い商品の購入者がいるからです。
価値に対してその価格にお金を出せる人がいるのだから、あとはその人たちに振り向いてもらう作品を作るに限る!

面倒かもしれませんが、数をリサーチして見えてくるものがあります。 

そして、数年間で随分業界が変わっていました。
思考停止して同じことを続けず、少しずつ進化していかないと埋もれてしまいます。

頑張れ、わたしたち!


高いって言われたら

ハンドメイド作家をしていたら、商品に対して「高い」といわれることがあります。

このとき考えることは、「誰に言われたか」です。

家族や友人に聞いていませんか?
物販の素人の意見は参考になりません。

実際、私も「そんなものは売れない」と親に言われたことがあります。
悔しかったぁ!
それ以降作ったものはみせないし、何をやっているかも言わないようにしています。

両親からは、「何をやってるかわからないけど、収入のある娘」と思われています。

では、お客様に「高い」と言われた場合はどうでしょうか?

どこで言われたか。

金額交渉が文化にあるメルカリか。

それとも、対面販売やSNSで言われたのか。

その「高い」と言われた価値観が何故生まれたのか、聞いてみてもいいかもしれません。

お客様のお財布や収入の都合かもしれません。

その人の価値観かもしれません。

私ごとですが、友人のお話をします。

私は、カメラのレンズの購入を迷っていました。

約8万円の望遠ズームレンズです。

年に数回使うかどうか、趣味の範囲では少し価格が不安でした。


目的は2つです。

①息子の運動会を自分なりに楽しむこと
②一生に一度のその年の瞬間を、満足行く形で記録に残したい

ポンと買う勇気はなく、悩んでいたとき、話す機会のあった友人に言いました。

「8万円の望遠ズームレンズを買いたいんだけど、高いよね…。
背中を押してほしくも、止めてほしくもある。」

カメラに興味がないことを知っていたので、

「言葉にしてから話す話題を間違えた」

と後悔ました。

反対される気がしたのです。

でも、この時の友人の言葉に心震えました。

カメラのことはわからないけど、私は靴が好きだから、8万円の靴は買っちゃう。」

人によって、価値を感じる物事は違うのです。

8万円のレンズは、靴を好きな人に向けて売られていません。
カメラが好きな、必要としている私に向けて売られています。

8万円の靴は、靴が好きなセックス・アンド・ザ・シティのファンの友人に向けて売られています。

価値を感じない人にとって、例えそれが100円でも、「高い」と言われてしまいます。

「高い」と言われて、

「こんなに手間と時間をかけた作品なのに、価値がないと言われた」

と落ち込む必要はありません。

その人は、あなたのペルソナではないのです。

とはいえ、なんとなく決めた価格だと、他人の意見が気になってしまいますよね。

だから、その価値になった具体的な理由をあなたの中で理解しておきましょう。

高いと言われたときに、その価格になった理由を説明しましょう。


値引き交渉に備える

値引き交渉ってどんなイメージがありますか?
スマートじゃないし、品がないし、お金がなくてみすぼらしく感じることがあるかもしれません。
しかし、私は、値引き交渉を仕事にしていた時期がありました。
その時の経験が、私の価格設定の考え方に影響しています。

5.5掛けという社内ルールがあった

店舗の開発部にいたことがあります。

「〇〇県に初上陸!」とか、「〇〇市に新しくオープン」とか、その土地をリサーチして、不動産屋さんと話し合い、予算を決めて建築を発注するお仕事です。

何千万、何億というお金から、数千円の発注まで幅広く金額交渉をしていました。

大きなお金が動くものの、私はただの会社員でした。
しかも、ペーペーのぺー。

会社の肩書で会社のお金を使っているのに過ぎないので、発注するには上司の決済が必要です。

社内ルールで見積もりから5.5掛けまで落とせ!という暗黙の了解がありました。

ゴリゴリのベンチャー企業だったのです。

金額交渉をするために、相手先のメリットになる条件をならべ、相場の見積もりを調べます。

相手先のメリットとは、大量の注文や、宣伝になる大きな案件、次の発注も約束するなどです。

そして、金額交渉はする分にはタダなのです。

もちろん理想の金額まで落ちなかったり、「それでは赤字になってしまうので」と断られたり、うまくいかないこともあります。

その時の経験があるからこそ、苦しい金額交渉を受けても断ればいいだけということを知りました。

金額交渉を受けてもメリットがあるように、5.5掛けにしても赤字にならないように価格設定をしています。

私の値引き交渉人生

一般の肩書もないひとがところ構わず値引き交渉をすると嫌われてしまいます。

さきほど、「金額交渉をする分にはタダ」と言いましたが、大きなお買い物の際に試してみてくださいね。

タイミング等、テクニックが少々必要です。

そんな私は、結婚式、住宅購入、住宅ローン、高額家電、車の買い替えは10年の間に3回、と、大きくお金が動くときは交渉してきました。

私とは反対に、夫は出てきた見積もりを疑いなく出す人です。

ですから、金額交渉をする私を初めて見たときは、ドン引きしていたなぁ。

皆さんは見積もり通りの言い値でお買い物をしていますか?

私みたいな、金額交渉をする人間もいます。

する方の気持ちがわかるので、金額交渉をされたときの対応も理解しています。

是非、経験してみてくださいね。


お金をもらうのが申し訳ない

ハンドメイド作家を始めると、自分の作品に対して「お金をもらうのが申し訳ない」と思ってしまうことがあります。

私もそうでした。
頭ではわかっているんです。
でも、自身のなさから数千円をもらうだけで申し訳ない気持ちになっていたことがありました。

不思議ですね。
会社員の頃は、給料上げてくれと不満を持っていたのに、その10分の1の科学を申し訳なく感じてしまうのは何故でしょう?

申し訳ない病を乗り越えることができたのは、1つの言葉に出会えたおかげです。
聞いたことがあるかもしれません。

「お役に立てましたか?」

そう思って、商品を発送しています。
すると、気持ちよく、受け取れるようになりました。
お客様は困っていて購入し、私を使ってくれて、そのお礼にお金を支払っています。 

「いえいえとんでもない」
「いえいえ受けとれません」
「まあまあそうおっしゃらずに」

この日本の文化のせいじゃないかしら。

私が支払う立場のときも、「ありがとうございます」と気持ちを込めてお買い物ができます。

たまに、感謝しがたい対応を受けることもあります。

それもまた反面教師の勉強代と思っています。


おわりに

なんとなく出費したくなくて、なんとなく貯金したくて…
お金にネギティブな感情がありました。

ハンドメイド販売をするようになって、お金との向き合い方が180度変わりました。

背けては通れない価格設定とは、こうやって向かい合ってきました。




あなたは街のなんでも屋さん。

なんでも屋さんの専門はアクセサリーを作ること。

価格は〇〇円です。

女性の耳元をこのようなアイテムで華やかにいたします。

価格は、ほしい価格をつけていいんです。

あとはお客様のリアクションを待ちましょう。

待ちながら、新作を考えましょう。

私も価格設定には自身がありませんでした。

お客様が私に自信をくれるのです。

これで良かったんだ、とわかるのは、種を巻いてしばーーーらくしてから。

種を巻き続けましょう!

またね!

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