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浜匡子・響きのさらにその先へ

『浜匡子ヴァイオリンリサイタル』に伺いました。(2023.04.28@杉並公会堂小ホール)

プログラム前半はJ.S.バッハ「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第3番 BWV1016」、モーツァルト「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第29番 K.305」。会場となった杉並公会堂は荻窪駅から徒歩5分程度の好立地にあり、小ホールは建物の地下2階にあります。地下2階には中庭があり、外光が入る落ち着いた空間です。前半の演奏はこういった環境での落ち着いた気持ちに寄り添うような演奏でした。どこまでも自然体でありながら、ヴァイオリンの潤いと質感が心地よく、音楽に浸らせてくれたのは浜さんの洗練されたセンスによるものと感じました。

バッハとモーツァルトの名曲に続き、後半は演奏されたのは ベートーヴェン「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第4番 作品23」と サラサーテ「チゴイネルワイゼン」です。ベートヴェンのヴァイオリンソナタは「春」の名称で知られる第5番や第9番「クロイツェルソナタ」が有名ですが、この第4番はこれらのヴァイオリンソナタの布石ともなった重要な曲です。すなわち、ヴァイオリンソナタにおいて、ベートーヴェンはこれまでピアノの伴奏に近しい役割づけでヴァイオリンパートを作曲していましたが、この4番からヴァイオリンの位置づけをピアノと同程度重視して作曲したのでした。

ここでの演奏は、そんなベートーヴェンの意図をくみ取りつつ、浜さんが師事しているピアニスト藤井一興さんとの音楽の対話が美しく響き渡りました。サラーサーテの名曲「チゴイネルワイゼン」はジプシーの歌心が新鮮に表現されたように感じました。どこまでも自然体で、洗練された浜さんの演奏にライブの魅力を心から楽しませてもらいました!

コンサートの詳細はこちら↓
https://conpas.me/concert/detail/id/1410/

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