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Pale Waves - Who Am I ? (2021)

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3/10
★★★☆☆☆☆☆☆☆


アヴリルラヴィーンは魅力的な存在だった。00年代の彼女は単なる「優れた歌手」ではなく、カリスマであり、ムーヴメントそのものであった。DIY精神を携えた全く新しい女子のスタイルは当時、多くのティーンエイジャーを魅了したが、Pale Wavesのボーカリスト、Heather Baron-Gracieもその1人だったようだ。アルバムジャケット、曲名、歌詞、音、そこかしこに彼女の影が見て取れる。

基本的には前作と同じく軽快なポップロックが大半を占めるが、00年代ポップロックの特徴であるディストーションギターの壁を記号として使っていることが大きなトピックだ。アブリルに代表される00年代ポップロックに意図的に寄せていると思われる。それにより1stに少し存在していたインディ臭は完全に無くなった。

しかしそこには、好きなアーティストを無邪気に真似してみたという以上のものが全く無い。曲の強さも、優れたアイデアも、語るべき物語も、強い感情も、本作には無い。ひたすらに薄い。LGBTに配慮した歌詞?もはや今どきカントリーシンガーですら歌う没個性のテーマだ。

今は何をやっても良い時代だ。だがそれだけに、全て自分で選択し、その責任を全て自分で負わないといけない。『Who Am I ?』だって? 知らないよ。アヴリルだって教えてくれないよ。それだけは自分で考えなきゃ。






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