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夏うた6曲、感傷的鑑賞

 みんなでテレビの前で盛り上がれるような明るい夏歌も素敵ですが、ときには感傷的な夏歌にも浸ってみませんか。この記事ではボーカロイドCeVIO AIの世界から、感傷的に味わえる夏歌を紹介します。


さらば群青

アサイウミ feat. 初音ミク

夢を諦めようとする夏の葛藤を描いています。途中で出てくる「君」も夢の擬人化と捉えることができそうです。ギターとピアノが鮮やかに疾走する、どこか懐かしいような(コード進行の技?)間奏にも注目です。


夏崩レ片想ヒ

アオトケイ feat.初音ミクDark

1秒間でいいから君に会いたい。1秒あれば「好き」と伝えることだけはできる……。なんという切ない願いなのでしょうか、しかもそれすら叶わないようです。泣くのをこらえているように聞こえる調声技術も圧巻です。


あの夏に咲いた花

夜のロサンゼルス feat.IA (CeVIO AI)

「失ったものなんてない 」と歌い出しますが、強がりであることが直後に明かされます。君を引きずったまま「君のいない街を駆け抜けた」と言い切るサビは切なくも軽やか・爽やかで、それを軽快なリズムが引き立てます。


溶けない氷

bakaringo feat. 初音ミク

「溶けない氷」「明けない夜」など、時間の流れに抗うような言葉からは、とうに過去になった「君」を待ち続けてしまう主人公の姿が浮かび上がります。終盤の「かくれんぼはもう終わりだって」が最高に切ないです。


ライラ

shino feat.初音ミク

賑やかな曲調だからこそ「何度でも君を探すよ」「せめて声を聞かせて」といった時折の切ないフレーズにはっとさせられます。「最低な君」に恋したという表現は強がりであって、本当は最高な君だったのかもしれません。


八月よ、透過して

Laika feat. IA

「失ったものがすべてってわけじゃないけど」と言いながら、失ったものを惜しんでいる様子です。最後のサビでは「誰かに優しくしたい」「美しいものが見たい」と美への憧憬も示唆されます。サウンドも美しくて透明です。


 手に入らなかったものは美しく見える、なんて言われますが、その美しさを存分に生かした6曲かと思います。お読みくださりありがとうございました。