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【地域で輝く学生vol.52】甲南大学生が放置竹林問題に取り組む『BambooにThank you プロジェクト』

『BambooにThank you プロジェクト』とは
『BambooにThank you プロジェクト』では、私たち甲南大学の学生が、放置竹林問題の解決に向けた活動に取り組んでいます。竹を伐採して捨てるのではなく、昔から日本人の生活を支えてくれていた竹に感謝し、生活の中で活用していきたいという思いからこのプロジェクトの名前が生まれました。2023年度は様々な学年・学部から集まったメンバー12名で活動しています。

放置竹林問題について
放置竹林問題とは、竹林所有者の高齢化により竹林が放置されている問題のことです。竹は強い繁殖力・成長力を持つ植物で、根ではなく地下茎を伸ばすことで生息域を広げます。私たちが竹を伐採している神戸市北区の里山では、地下茎の影響による広葉樹林や田畑への侵食や、密集した竹林が日光を遮ることで他植物の生長の妨げになっていることが問題となっています。

私たちの活動について
放置竹林問題を解決するためには、継続的な竹の伐採が必要となります。そのため、私たちは現地活動を行い、竹林整備のお手伝いをさせていただいています。

竹林整備の様子

また、竹の伐採を継続させるために、継続的な竹の利活用にも取り組んでいます。竹の利活用方法として、2023年度は主に3つの方法に取り組みました。

①竹をそのまま使用する方法
この方法のひとつとして、竹灯籠や門松などが挙げられます。「ちょっと竹(だけ)プロジェクト」では、12月から学内外で竹灯篭と門松を展示しました。

②竹炭にする方法
竹炭にすることで、土壌改良剤や置き炭(消臭剤)として活用することができます。竹炭土壌改良剤は大学近隣の市民花壇で散布させていただきました。また、置き炭は大学のトイレに設置しています。

大学近隣の商店街の花壇にて 竹炭土壌改良剤を散布する様子

③竹を粉末にしてペレットに加工する方法
竹は粉末にすると、ペレットに加工することができます。この竹ペレットを原料に含むバイオプラスチック製品をつくり商品化する予定です。

今後は、竹を粉末にした竹パウダーの活用にも取り組む予定です。

今年度の活動について
・王子動物園での竹のクリスマスツリー設置・ワークショップ開催
2023年度は新たな取り組みとして、王子動物園での竹のクリスマスツリー設置を企画しました。この企画は、王子動物園さんをはじめ、J:COMウェストさんや設計事務所Muffさんのご協力のもと、成功させることができました。

竹の枝を使用したクリスマスツリー

また、竹のミニツリーや竹灯籠をつくるワークショップも開催し、多くの方に楽しんで竹に触れていただける機会となりました。

ワークショップの様子

・学内や学外での竹灯籠・門松の設置
2022年度に引き続き、学内・学外で竹灯籠を設置しました。
展示した竹灯籠は、竹林整備で伐採した竹を使って作成しました。学内では計134本を設置、学外では岡本商店街の12店舗の方々にご協力いただき、竹灯籠とポスターを設置していただきました。

学内での竹灯籠展示

また、学内では門松も展示しました。この門松は、剣菱酒造様からいただいた使用済みの竹道具を使用して作成しました。

門松作成の様子
学内に展示した門松とポスター

展示が終わった竹灯籠や門松は、竹炭に加工して土壌改良材をつくる予定です。

・竹ペレット製品の販売を企画
私たちが神戸市北区の竹林で刈った竹から竹ペレットを作り、それを配合したバイオプラスチック製品の販売を企画中です。2023年度現在は、製品の商品名、コンセプト、デザインなどを検討中で、来年度に販売を予定しています。少しでも多くの方に手に取っていただけるような製品にしたいです。

神戸市北区大沢町神付・産土の森での活動
機械を使って粉末にした竹

活動を通して
この活動を通して、様々な場面で環境への配慮に目を向けるようになりました。自然の恩恵を受けるばかりではなく、自然と共に支えあって生活できるような社会をつくっていきたいと感じています。今後も、放置竹林問題の認知拡大に向けて、様々な方向から竹の良さを伝えていきたいです。

(文責:甲南大学理工学部 岩谷佳奈)