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キャリアカフェ「Nada Global Village(NGV)」第75回 歌舞伎広報隊!KABUKI Promoters!

日時:1月16日(火)19:00~21:00(SNS研修)
   1月22日(月)16:00~18:00(歌舞伎鑑賞会)

場所:兵庫国際交流会館、大阪松竹座

主催:大学コンソーシアムひょうご神戸、松竹株式会社

協力:株式会社 be love company

参加者:52名
学生 :43名(留学生:9校11カ国31名、日本人学生:3校 12名)
一般: 1カ国1名
企業: 3名
主催者(コンソ事務局): 5名

 松竹株式会社より「コロナ後のインバウンド増加の状況を受け、外国人観光客にも是非歌舞伎に親しんで欲しい。歌舞伎を知ってもらう手段として、当コンソのプログラムに参加する留学生及び日本人学生を無料で招待する変わりに、鑑賞前後にSNSを利用して外国人や留学生に向けて広く拡散して欲しい」という依頼を受け、歌舞伎広報隊の活動を開始しました。日本の伝統芸能やSNS広報に関心の高い留学生及び日本人学生を歌舞伎広報隊のメンバーとして募集しました。留学生と日本人学生が交流しながら歌舞伎を鑑賞することで、関西の伝統芸能に触れること、また参加者が得意とするSNSを使用して世界に拡散する広報活動に参加することで、日本社会に貢献し充実感を得ることをイベント実施の目的としました。歌舞伎を鑑賞する前には、広報隊メンバーで集まり、ミーティングを実施しました。また、SNS研修を実施し、掲載する際の重要点や注意点について学ぶ場を提供しました。

■プログラム内容と詳細
1. 1月16日開催 SNS研修
 SNS研修では、企業や団体のSNS活用の研修やSNS発信を行っている企業の方2名に講師として登壇いただきました。iPhoneの登場によって人々が気軽にいつでも情報発信できるようになったこと、コロナをきっかけに、オンラインセミナーや動画が普及していった話が伝えられました。また、SNSの投稿において、「付加価値や差別化」が重要であり、自分独自のものを意識すること、出来事に加えて熱量や自分の気持ちを伝えること、定期的に投稿することの大切さが伝えられました。新規の顧客が興味をもつきっかけとして有効な「リール動画」では、開始から10秒までの印象が重要になること、投稿する際にハッシュタグを上手く使うことで、イベントのテーマや場所、対象者を絞ったり、逆に広げたりするのに役立つことが伝えられました。参加者は、SNS掲載に役立つポイントを知ることで、対象や相手を絞って届けるというマーケティングにも繋がることを学びました。

 セミナー後の質問タイムでは、留学生から講師に「人に届く掲載のポイント」が尋ねられ、講師から一見中身がないと感じられるものが目に留まりやすいことや、食べ物やスイーツに関するもの、頑張っている様子を伝える内容の投稿は人気があることが伝えられました。「ネガティブな意見を投稿されると傷つく」という意見には、否定的な意見をもつ人もいるが気にしないこと、自分がしたいと思う投稿をすれば良いことが伝えられました。また、学生時代にコンソの活動に参加していた県内大学出身の社員の今の会社に入社したきっかけや自分の得意なことを活かして働くことのやりがいの話は、参加者に良い刺激を与えていました。最後には、歌舞伎のポーズで写真を撮り、歌舞伎広報隊のリール動画を作成し、投稿しました。参加者は、研修で学んだことがすぐに形となったことを喜び、歌舞伎広報隊の一体感も高まりました。

研修で学ぶ参加者
最後は、歌舞伎ポーズで集合写真を撮りました!

2.1月22日開催:歌舞伎鑑賞会 
 参加者は、国際交流会館に集合し、司会のリーダー2名から「今日は、歌舞伎広報隊で、一緒に日本文化に触れることを楽しみましょう」「道中は寄り道をせず、まっすぐ着いて来てください」と挨拶と注意点が伝えられました。移動中は、日本人学生から「昔は歌舞伎を着物で観に行っていた」という話から、成人式の振袖写真を留学生に見せながら話をしていました。日本の成人式の様子や海外で成長を祝うイベントがあるかという話で盛り上がっていました。パキスタン出身の留学生は、着用していた伝統的な民族衣装を見せて、周囲にいた参加者は華やかさに見とれていました。

リーダーから参加者に挨拶と注意事項を伝える様子
電車の乗り方について話す参加者

 到着後は、歌舞伎に招待をして下さった松竹の担当者に出迎えられました。代表の留学生から「ご招待いただき、ありがとうございます。これから日本文化の広報を頑張ります」と意気込みが伝えられ、松竹の担当者からは「今日は観に来てくださり、本当にありがとう。思い切り楽しんでください」と話がありました。参加者は、松竹座の建物や難波の町で写真を撮るのを楽しんだ後、建物の中にあるホールへと向かいました。

松竹の方から説明を聞く様子

1部:解説「歌舞伎のみかた」
 「歌舞伎のみかた」では、歌舞伎のもつ魅力を、外国人や歌舞伎初心者にもわかりやすく伝える内容でした。100年の歴史を刻む大阪松竹座での歌舞伎公演の歴史や、歌舞伎が文字通り、「歌と踊りと演劇」の3つで構成されていること、回転したり、上下に動いたり様々な仕掛けのある舞台についても紹介され、参加者は目を見張り、時折手を叩いたり、歓声をあげたりしながら鑑賞を楽しみました。英語通訳者も登壇しており、留学生も歌舞伎の説明を詳しく理解できていました。その後、観客の希望者4名が舞台上に上がり、歌舞伎の見栄を切ったり、刀を両手に歌舞伎役者と決闘したりする場面を体験する様子を見学しました。参加者は、少し照れながらも嬉しそうな表情で初めて演技を体験する外国人を応援し、また切られる場面を全身でダイナミックに表現する歌舞伎役者の演技を食い入るように見つめ、写真や動画に収めていました。

歌舞伎の解説の様子
歌舞伎役者と記念撮影をする出演者

2部:観劇「操り三番叟(あやつりさんばそう)」 
 2部では、操り三番叟(あやつりさんばそう)を鑑賞しました。能の「翁」をもとにした「三番叟物」といわれるご祝儀舞踊の一つで、人形の細やかな動きをリアルに表現する歌舞伎役者の演技に参加者は驚き、人形を操る歌舞伎役者とのぴったりと息の合った演技にも感動していました。舞台は、人形の舞と音楽がメインに構成されており、参加者は、言葉の壁を越えて華やかな歌舞伎の世界観を楽しみました。
 鑑賞後は、ホールの外に一度集まり、リーダーから挨拶があり「歌舞伎広報隊の皆で鑑賞を楽しめて良かったです。今日撮った写真を歌舞伎広報隊でも共有し、これからも一緒に素晴らしい日本文化を広めていきましょう」とメッセージが伝えられました。その後、希望する参加者は大阪松竹座周辺の難波観光を楽しみました。

■参加者の感想と考察
 参加した留学生からは、「初めて歌舞伎を鑑賞したが、本当に素晴らしく感激した。初心者でも歌舞伎について詳しく知ることができ、楽しめた」「活動全体を通して交友関係が広がり、広報についても勉強になりいい機会だった」という感想が聞かれました。留学生は、歌舞伎の鑑賞や取材を通して、日本文化の理解を深めていました。また、住み慣れた神戸を離れ、関西の伝統文化や地域の魅力に触れることで、新たな日本を知る機会にもなりました。開催するミーティングや研修等を通して参加者同士で交流しながらチームとしての結束も強まり、歌舞伎広報隊としての役割を果たすことで、日本の社会に貢献する充実感にも繋がったと感じます。コンソとしても、日本の映画や演劇を手掛ける企業と連携することで、今後の事業に活かすことのできる関係性を構築できました。留学生が日本の伝統芸能に触れて体験できる新しい形のプログラムを実施でき、新たな留学生参加者の獲得にも繋がりました。 
 今後も、地域で活躍する企業や機関と積極的に連携し、留学生の国際交流活動の幅を広げていきたいです。また、留学生が日本文化理解を深め、日本人学生と関わりながら自分達にできることを活かし、ともに学び、協力し合うことで充実感を得られる機会を引き続き提供していきたいと考えます。