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【数列】漸化式〈8型〉 S[n]→a[n]

「数学B」分野のうち、【数列】漸化式について解説します。ここからは、全14型を順に取り上げて行きましょう。ただし、全ての型は、「基本4型」を用いて解いて行きますので、まずは、「基本4型」のマスターから。

〈8型〉  S[n]→a[n]

・S[n]=‥‥の型をしていて、a[n]などで表されている整式
・漸化式の条件である、a[1]=a の記述がないのが特徴

[Method]
 
S[n]とは、初項から第n項までの和を表します。
 漸化式は、基本的に「初項」と「隣接2項間a[n+1]とa[n]の関係式」の2式で構成されていますが、この型では、S[n]とa[n]の関係式がただ1式のみ提示されています。ですから、以下の解法のように、まずは、通常の漸化式を導くことから始めます。
 「初項」については、a[1]=S[1]=a であることを用いますが、言われれば当たり前なのですが、なかなか自発的に導き出せることではないように思います。
 一方「隣接2項間の関係式」は、a[n+1]とa[n]との関係式であることから、S[n+1]-S[n]=a[n+1] であることを用います。
この際、 a[n] の二面性を考慮する必要があります。
第一は、もちろん漸化式の解でもある一般項=第n項=a[n]
第二は、S[n]=a[1]+a[2]+‥‥+a[n] の末項であるa[n]
結果として、S[n]の末項=一般項
ということであり、理解しにくいかもしれません。
納得しづらく感じる学生には、a[n]という記号が等しいことで許容してもらえないでしょうか。

[解法]
1)n=1として、初項を求める。
S[1]=a[1]
であることを用いる。
2)与式の番号を一つ上げて、S[n+1]を準備する。
S[n+1]-S[n]=a[n+1]
より、a[n+1]とa[n]の関係を表した漸化式を導く。
3)この後の解法は、「基本4型」を利用することが多い。

解答例


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