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コマスポに込めた思い。【駒大スポーツ】

本コラムは駒大スポーツ101号に掲載した記者コラム「こまふり」を再編集したものです。


コマスポには、さまざまな思いが詰まっている。

 本紙は駒澤大学スポーツ新聞編集部に所属する学生記者によって、取材から制作まで行われている。一つの新聞の制作にかける期間はおよそ2週間。何度も記事を書き直し、レイアウトを組み直してようやく完成する。
 一人ひとりが本気で新聞制作に向き合い、より良い新聞を作り上げられるように努力する。だからこそ、新聞が完成したときの達成感と喜びは他では味わえない経験だ。
 新聞が完成すると、記者はそれぞれ複数部の新聞を持ち帰る。家族に見せるためだ。私も初めて制作した今年7月の夏号を地元に持ち帰った。完成した新聞を読んで、両親はもちろん、祖父母が大変喜んでくれた。「次の新聞が完成したらまた持ってきてね」。帰京する前、祖母に言われた。
 年末も祖父母に最新号を持ち帰って、見せるはずだった。だが、この記事を書いている3週間前、祖母がこの世を去ってしまった。突然のことだった。急いで帰省した自分に、普段は絶対に泣かない祖父が泣きながら言った。 
 「ばあちゃん新聞を綺麗に折って、ずっと大切にしていたよ」 

 自分にとっては「ただの夏号」であった新聞も祖母からすれば「孫が作った宝物」だったのかもしれない。
 私だけではなく、当編集部31人の記者それぞれが、さまざまな思いを胸に作り上げている新聞。それがコマスポだ。 (坂下涼弥)

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