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映画「キングダム」はジェンダーや属性に囚われない世界

長澤まさみが、仮面を剥いでその美しい貌をあらわにしたとき、
「女…?」
と信(山﨑賢人)が驚愕の声を一言、上げただけだった。それがすごくよかった!

並みの作品なら、続けて
「女なのに、すげーな!」
とか、もっと悪ければ
「女なんかで大丈夫か?」「女には頼めない」とか、
戦う姿に「くー、色っぽいな!」etc…
性別への先入観に関するセリフが一言、二言入るところだ。

橋本環奈が演じる貂にしても、性別を確かめられるようなシーンがなかった。
(どうやら、原作では、もっと先で判明するらしいけど)

そして大沢たかおが演じる王騎は、「将軍の中の将軍」と称えられ、筋骨隆々、威風堂々で登場し、実際に鉾をひと振りで幾人も倒すくらい強いのだけれど、しゃべり方や表情がちょっと独特(笑)。少なくともマッチョではない。
けれど、劇中で「あいつ、強いけどヘンだよな」的に指摘したり笑ったりするキャラがいない。

もっといえば、
秦の王、政(吉沢亮よ!)が息をのむくらい美しいのに、登場人物はその美しさを全スルーだ! 

そのように、ジェンダーや外見に関する言及がないことが、とてもストレスフリーだった。

映画「キングダム」の世界は、「強さ」に価値をおいてる。
不自由な境遇から抜け出すため、
友と同じ夢を追うため、
中華を統一し人々の苦しみを除くために、強くなる。
それ以外の価値観はいらない。

王である政と奴隷出身の信が対等な口を利き、共に戦うのがその象徴だ。
もちろん、見てる私は「吉沢亮かっこいい! まさみ、美しすぎる!」と随時、心の中で絶叫してる(笑)。

人は、そう感じることは止められない。
でも、それはあくまで視聴者の感想で、わざわざ、登場人物が口に出さなくていい。
まして、「男だから」「女のくせに」なんて型にはまった先入観は、この作品には不要なんだよね。

意識的に、そう作られてるのかな? 
そうでないなら、すごくセンスのある作り手だなと思う!

●これまでのキングダム投稿(笑)

・キングダムを見に行っちゃったよ!あーもう!
https://www.facebook.com/emiinoue9024/posts/2447474258872512

・山﨑賢人と吉沢亮を礼賛したい
https://www.facebook.com/emiinoue9024/posts/2448288862124385

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