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映画『KINGDOM』に見るどこかフラットな世界、俳優の魅力

朝ドラ『まれ』で最初に見てから4年、山﨑賢人は何て大きくなったことでしょう!
(「まれ」は現代的・社会的でヒリヒリする作品でした。偏愛してます)

少女漫画の映像化からアグレッシブな作品まで、彼はずーっと主演し続けているんですよね。

あの若さで、あれだけの仕事の洪水の中で、 流されず潰されずピンで中心に立ち続けてきたってすごいことです。

今回、宣伝で露出している彼を見ると、一見、いつもどおりフワッと自然体ながら、精悍で、とてもセクシーな青年になっている‼ くらくらします。
「キャリアが人を育てる」をまざまざと見る思いです。彼はスターになりつつある!

『キングダム』での信は、身は軽く心は一途、いかにも少年マンガの主人公だけど、
あの巨大なスケール感の中で激しく泣き、叫び、名優たちとアクションを繰り広げるすごい熱量は圧倒的。 ほんとに、汗がきらきらと輝いてるようなんです。

吉沢亮のほうは、

・主人公・信の幼馴染・漂
・漂に面差しが瓜二つの秦国の王、政

という、設定を聞いただけで萌え萌えする、おいしすぎる二役。
実際、少なくとも5~6回は見せ場があったもんね。やばかった。
その都度、心の中で「うおおおおおお!」と咆哮してました。

等身大の少年、漂の爽やかさもさることながら、若き王・政のたたずまいがすばらしい。
孤高で誇り高く、鋭い刃のような威厳を宿し、かつ人間味のある王なのです。


すでに多くの者に命を投げ出されて守られてきたからこそ、自分の命と地位を粗末にはできない。

そのために、
受難に耐え、
謎の異民族の根城に乗り込んで大胆不敵に交渉し、
圧倒的不利な戦いにも決してひるまない。
はぁ~(*´Д`)

漂が致命傷を負いながら 幼なじみの信のもとへ戻ってきて残した言葉、

「俺たちは力も心も等しい。お前がはばたくとき、俺もそこにいる。俺を天下に連れて行ってくれ 」

それは無念の遺言ではなく、彼は最初からそういう気持ちだったんだと思います。
信と共にはばたくために先に一人で王宮に入り、天下の大将軍となるために仕える王として政を見込んだ。
政のために力を尽くすのは自分と信の夢のためであり、自分がダメなら信が政のもとで大将軍になればよい。

つまり漂は、おもて向きは「王の身代わりとなって死んだ」けれど、実は「信と自分の夢のための道をひらいた」。

信と漂には固有の夢と絆があり、王のために死んだ人々の多くにそんな夢や友があり、その無数の死の上に立っているのだと自覚している政なんですよね。

政が信に向かって突きつけた、

「ここから先はお前の道だ
 今、おまえの目の前には2つの道がある
 奴隷の生活に戻るか、ここで薄弱の王を助け修羅の道をゆくか」

という言葉には、
「奴隷の道も、王たる自分の道も、どちらも等しく修羅だ」
というような、慄然とした響きがありました。

王と奴隷、
ピラミッドの頂点から底辺までの身分差がありながら、
どこかフラットでイコールな世界なのです。

そして、
王も奴隷も辺境の民も、
誰もが自分の道を(それも修羅の道を!)選んで
果敢に切りひらいてゆくのが『キングダム』の世界の魅力なのだと思いました。
  
…などという、個々のキャラクターとそれぞれの関係性、それが国レベルまでつながっていくようなスケール感までを短い場面、限られたセリフで脚本演出が描き、俳優たちは見事にそれに応えています!!!

 【その2】に続く…かも…(笑)

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