「アライブがん専門医のカルテ」魅力2

大切な人との絆

 ドラマ「アライブ がん専門医のカルテ」の魅力の一つは、登場人物の大切な人との絆を丁寧に描いていることだと思います。
 患者さんとそのご家族、周囲の人たちがそれぞれの関係の中で、がんという病気と向き合うだけでなく、お互いの関係を見直したり、新しい一歩を踏み出していこうと努力したり、時に温かく、時に不器用に、人としてのつながりを細やかに表現しています。

誰にでも必ず寄り添う人がいる

 独り身で、大腸がん発症以降再発を繰り返す高坂民代さん(高畑淳子さん)に対しても、主治医の恩田心先生が「私がいます」と告げるシーンが印象的ですし、民代さんとは心先生や手術担当の梶山薫先生だけでなく、病院で知り合ったほかの患者さんたちとの交流も描かれています。また、高坂さんによって、心先生も薫先生も、交流のある患者さんたちもその生き方にたくさんのことを学んでいかれる姿が描かれていきます。
 人が人を支えるのは一方通行のように思えて、相互に影響を与え合っていることを実感します。

「大丈夫、いるよ」

 これは最終回の心先生のセリフですが、この言葉ほどこのドラマに流れている人のつながりを端的に表している言葉はないと思います。
 がんという病気を前にして医師も万能ではなく、ご家族や周囲の人間のケアの及ばないことがたくさんありますし、人間関係も必ずしも良好なだけのものではないかもしれませんが、ただそこにいてくれるということのありがたさ、一人の人間の存在の大きさを感じます。

人を想う心

 患者さんもそのご家族や周囲の人々も毎回いろいろなタイプの人間性があり、それぞれに異なる立場や人間関係が描かれていきます。何とか支えたいけれどもままならない事情を抱えている人、思い余って怪しげな民間医療にすがる家族、様々な状況の中でお互いを想う心、葛藤する心が細やかに表現されています。人が人を想う心に触れて、しみじみとした感動が広がります。

 こんな素敵な作品に出会えて本当に幸せです。

 本作品の全ての関係者の皆様に最大の感謝と称賛を。
 この作品を愛するすべての方々のために是非DVD・Bru-lay化を。
 そして是非Second seasonを。

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