誠品書店

誠品書店・料理書の棚をみる

独特の分け方をする書棚
久しぶりに日本橋にいって街の変貌に驚きました。新しい商業施設がいくつも出来ています。9月27日にはコレド室町テラスがオープンし「誠品生活日本橋(せいひんせいかつにほんばし)」がオープンして話題になっています。「誠品生活日本橋」は台湾の大型複合セレクトショップで日本初上陸。代官山の蔦谷書店がモデルにしたと言われています。この「誠品生活日本橋」の核になるのが「誠品書店(書籍ゾーン)」です。
 特徴的なのは書籍ゾーンの展開が一般の大型書店と異なっていること。「芸術」「人文社会」「商業」「生活風格」「旅行児童」という名称で分けられています。「商業」「生活風格」というジャンル分けは国内の書店では馴染みがありません。「商業」はビジネス、「生活風格」は実用、という棚が一般的でしょう。この呼称に慣れないので、棚をみているとちょっと戸惑います。
 このジャンル分けで、料理書は「生活風格」ジャンルの中にあります。料理に関する本が置かれている棚は7つありました。「料理」「家庭料理」「食材/調理法」「東洋料理」「異国料理」と区分け種類が書かれた5つの棚と区分け種類が書かれていない2つの棚です。
この区分けでは「料理」と「家庭料理」はどう違うのかと疑問に思われるかもしれません。また「東洋料理」だけの棚があることも目立ちます。

室町テラス

魅力ある書店なのか
「料理」の棚には食に関するエッセー、評論などが並んでいます。例えば高山なおみの「日々ごはん」、細川亜衣「食記帖」などです。また、テーブルコーディネート、ダイエットの本もあります。これに対し「家庭料理」の棚には料理家のレシピ本が並んでいます。お弁当、酒のつまみの本もこの棚に収められています。
「東洋料理」はアジアの料理、エスニック系の棚かと思いましたが、和食、寿司といった日本の伝統的な料理本が棚の多くを占めます。和菓子、カレーの本もあります。特にカレー関連はひとつの棚をしめるほどの種類が並んでいます。中華料理は「各国料理」の棚に置かれていて、この「東洋料理」棚=「日本料理(+和菓子)」です。
 この書籍ゾーンは全体を有隣堂書店がライセンシー運営しています。「商業」「生活風格」という独特のジャンル分け、料理書の一般書店とは少し違った棚構成は、<誠品生活>の意思、コンセプトに従ったものなのでしょう。すべての棚をみられなかったのですが、例えば理科系の本とかはこのジャンル分けではどこに入るのか。ひょっとしたらほとんど置かれていないかもしれない。「誠品書店」は一般的な大規模書店ではなく、セレクト型の書店と理解するのが正しいようです。料理書の棚は正直、魅力を感じませんでした。湘南の蔦屋や蔦屋家電(二子玉川)の書棚のほうが買いたいと思う本が多く並んでいます。
「誠品書店」が今後どう進化していくのか。期待したいと思います。

誠品生活日本橋

ご支援いただきましたら、店で販売する本の仕入れに使わせていただきます。よろしくお願いいたします。