外食

外食する、ということ

北千住のとある居酒屋で
先日、写真家(大学の授業でお教えいただいた先生)の個展を拝見しに取手までいきました。帰りにちょうど夕刻だったので(もちろん、この時間になることを狙っていたのですが)北千住に寄りました。この街には大衆的な居酒屋がいくつもあります。駅のそばにある「千住の永見」に入りました。年季の入った居酒屋です。
カウンターに座って串カツと生ビールでまず一杯。10人以上座れる長いカウンターでが、私と同様、お一人で飲んでいる方が何人もいます。18時過ぎだったのですが、さらっと飲んで帰られる方もいます。例えばサワー一杯と料理1品で1000円ちょっとのお勘定。多分地元の方で、夕方この店で軽く一杯、という感じでしょうか。外で飲むことが日常的になっているのかもしれません。
いわゆる外飲みは、酒飲みにとっては快楽です。酒を飲まなくても、外での食事、外食は楽しいものです。グルメ情報はネットに溢れ、誰もがおいしい店を探しています。

人はどのくらい外食するのか
楽しい外食ですが、どれくらいの割合で外で食事をするのでしょうか。ネットで調べてもいろいろなデータがありますが、外食だけ(中食をのぞく)だと30パーセント台のようです。例えば外食率が7,8割と言われる台湾に比べれば、低いです。
前回、男性が食事をどれくらい作っているかの数値を引用した『平成の家族と食』(品田知美編、晶文社、2015)に外食についてのデータもあります。外食の利用についての質問で「よく利用する」「時々利用する」の合計数値が載っています。これによれば2012年のデータで、「ファーストフード店(ハンバーガー)」が46.2パーセント。「ファーストフード店(フライドチキン)」が23.2パーセント。「和風ファーストフード店(吉野家、てんやなど)」が25.7パーセントとなっていて、いずれも2000年調査のデータより高くなっています。外食、中食の利用を考えると、純粋に家で日々の料理をつくる比率は年々減っていると推測してもよさそうです。

これからの外食は
うちのスタジオに中学、高校の同級生二人が遊びに来てくれました。キッチンスペースなので、話題を日々の食事のことに振りました。ひとりはビールメーカーに大学卒業以来勤めています。かなり前に離婚して、いまは一人暮らしです。
「夕食はどうしているの?」との質問には、
「週の半分は会社関係の飲み会。あとは出来合の惣菜を買って、一杯やる」
とのことでした。まあ、ビール会社だから飲み会は(自社製品の消費のため)必要かな。でも、惣菜で済ますとは。自分では作らないの?
「前は休みの日にまとめて作って、冷凍しておいたんだけど、最近はそれも面倒。セブンイレブンの惣菜なんておいしいよ」
とのこと。
彼は来年1月の会社をリタイアするつもりとか。会社をやめた後、夕餉はすべて外食と惣菜になってしまうのか。人ごとながらちょっと気になりました。
高齢化の時代、外食利用の仕方は、これから変わっていくことでしょう。

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