料理写真

料理写真の写真家を調べてみる(その1)

料理写真というカテゴリー
この春から大学で写真を学んでいるためか、写真にまつわることに自然、関心がいきます。特に前から気になっている料理写真について少しずつ考え始めています。手元に『キーワードで読む現代日本写真』という本があります。写真評論家の第一人者・飯沢耕太郎さんの著書です。本の帯には「日本の現代写真の基礎知識、決定版!」とあります。
この本で<様式>の章には写真のカテゴリー別に項目が立てられています。「動物写真」、「風景写真」、「自然写真」、「ファッション・広告写真」「ポートレイト」などの項目があります。しかし、この中に「料理写真」はありません。どうしてなのか。世の中、ネットには料理写真が溢れかえっているのに、カテゴリーとしては認められていないのでしょうか。

佐伯義勝という写真家
かつて佐伯義勝という写真家がいました。料理写真家として活躍され、この世界(料理写真)では長らくトップの位置にいたと思います。2012年(平成24年)に亡くなっていますが、公式サイトがいまだ残されています。このサイトによれば、佐伯は1927年(昭和2年)生まれ。
「明治大学カメラクラブを経て、サン・ニュース・フォトスに入社 1952年頃から、婦人画報で写真を撮りはじめる」
とあります。そして
「辻嘉一氏と博物館、美術館などの貴重な器に料理を盛る撮影を依頼され感動し、それ以来料理一筋のカメラマンとして現在に至る」
と料理写真家になった経緯が記されています。また「木村伊兵衛氏と土門拳氏に師事」ともあります(これは凄い)。
私は編集者の時、佐伯義勝さんと何回も仕事をさせていただきました。当時、すでに大御所でした。多くの弟子を抱え、撮影には2人、3人の弟子(アシスタント)が必ず同行していました。フィルム、それもシノゴ(4×5in判)での撮影がスタンダード。さらに事前確認のポラ(ポラロイドカメラ)も必要です。料理撮影は(スタジオでなく)料理家のところで撮影するのが基本なので、機材もすべて持ち込みです。レフ板、ストロボなど機材が膨大で、アシスタント同行は必須です。

アシスタントから独立して料理写真家に
佐伯の弟子たちが独立して写真家として活動していました。その人達も当然料理写真家です。編集者としてはこの独立した弟子さんたちに撮影を依頼することが多かったと記憶しています。もちろん、料理写真家は佐伯門下生だけではありません。例えば当時『non-no』を中心に活躍されていた安東紀夫など、何人も料理を撮る写真家はいたはずです。しかし佐伯門下は圧倒的な力がありました。

さて、現在の料理写真家はどのような人が活躍されているのか。これについては、(雑誌などの)制作現場にいないのでまったくわかりません。調べてみようと思っていますが、まだ途中です。ある程度わかったら記事にしますので、今回はここまでとさせてください(笑)。


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