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料理する旅、その持ちもの、オマーン編

まずは、料理のテーマを決める

オマーンの首都マスカット、マトラ地区。海辺の街、古いモスクとスーク(市場)がある。

今年の夏は、オマーンのマスカットに旅行することにした。宿は、キッチン付きのホテルレジデンスを予約して。ネットで写真を見ると、海沿いに広がる街の白く砂っぽい建物が、アラビアンナイト然として、私にはとてもエキゾチックに見える。以前かの地に住んでいた友人は、バクーよりも魚がおいしいよ、と言う。私が今暮らしているバクーも海辺の街で、新鮮魚介類もたくさん手に入るのだけれど、カスピ海は塩分濃度が低い汽水だから、そのラインナップは私が慣れ親しんだ海の魚とは少し違っていて、チョウザメやぼらの仲間、それに鯉に似た淡水魚のようなもの。他のシーフードは、貝類はほとんど無くて、小さな川えびの茹でたものが売っているくらい。だから断然、今回の料理する旅のテーマは、海の魚介類をぞんぶんに楽しむこと、に決める。

料理する旅で大切なのは、事前にだいたいどんな料理をするつもりなのか見当をつけておくこと。できればメニューも想像しておく。それで旅の持ちものも決まってくるし、現地での買いものも、さっと選べる。旅先ではもちろん、素敵なレストランも楽しみたいし、街の活気ある食堂も試してみたいので、一日のうち昼食か夕食のどちらかは、オマーン料理にすることにして、残りの1食は新鮮な魚介類を自分で和風に料理したいと今回は目論んだ。

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