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【アゼルバイジャン暮らしの日記】ホテルで暮らす。

2024年1月14日

年末の長い旅行から戻ってもまだ、なんだか旅の気分が抜けないので、週末に近場のホテルに滞在してみた。とはいえ、遠出するわけでもなく、ラグジュアリーなホテルでのんびりと優雅に滞在というわけではなく、こじんまりとした小さなホテルで、非日常感を味わいつつ少し仕事をしたり、書きものをしたりして過ごした。

何にもしない旅、というコンセプト。

荷造りから楽しい。ふたりで一泊だから、小さなスーツケース1つで充分。いつものポーチにトイレタリーや常備薬は詰めてあるので、それを放り込む。スキンケアだけは、時間のあるのんびり旅だから、シートマスクや(いつもはさぼっている)美容液やアイクリーム、それに気に入りの入浴剤と、良い香りのボディークリームなども入れた。次はワードローブ。夏も着ていたぺらぺらの花柄のワンピースに、カシミヤのタイツと、カシミヤのセーターをプラスして防寒対策。カシミアは薄手でも暖かいから大好き。ヒートテックも良さそうだけど、化繊は私は肌が痒くなるので、一年中同じコットンの下着に、シルクのキャミソールを着ける。夕食は、ルームサーヴィスで済ませる予定なので、特におめかしの服も持たず。ジュエリーもいつもの小さなダイヤモンドの一粒ネックレスに、パヴェのピアス、指輪はしない。それに水着とT シャツとレギンス、プールで泳いだりジムでフィットネスをしたくなる(かもしれない)から。Tシャツとレギンスは、パジャマにも流用の予定。トレーニングシューズはいつも車に積んであるものでいいな。

他には、PCとタブレット、小さなスピーカーと、ヘアアイロン。だんだん大荷物になってくるけれど、車だからまあいいか。映画も観たいから、Chromecastも。それに充電周りも入れた。本は、電子書籍派なので、タブレットで。それに編みかけの靴下と毛糸を詰めて、スーツケースは終了。私たちは暗い部屋(ヨーロッパはたいていそう)が苦手なので、LEDの小ぶりのライトも持つのが、小さなこだわり。

こういうドリップパックは国外であまり見ないので、日本で買いだめ。

それに食べもの。これはハンパーバスケットに詰める。いつものおやつ(シュガーフリーのビスケットやプロテインの入ったシリアルバー)に、気に入りのティーバッグとコーヒーのドリップパック。買い置きのシャンパン(これは車載の冷蔵庫に入れておく)を一本と、グラスをふたつ。旅先でワインやシャンパンを買って、部屋で飲んでみるのが好きなのだけれど、持ち歩ける素敵なグラスが欲しい。高級ホテルならいざしらず、B&Bやブティックホテルだと、そんなにいいグラスが出てこないから。気に入りのグラスに、自分でふかふかのケースを作ってみようかしら。紅茶やコーヒーは部屋に備え付けてあるけれど、気に入りのフレーバーティとか、寝る前のハーブティーとかを選んで少し持参する。コーヒーは、アゼルバイジャンの田舎に行くとぐっとクオリティが下がるから、朝の一杯はお気に入りを飲みたい私は、日本から持参したドリップパックを持ってゆく。ネスプレッソカプセルを抽出できるポータブルな機械を買おうかなと思案しているところ。

夕方、ホテルにチェックインをした。おりしも外は雪。散歩をする予定を取り止めて、早めに夕方からシャンパンを飲み始めることにした。アゼルバイジャンでは、田舎のレストランでも前菜やサラダが充実しているので、おつまみをあれこれ選ぶのも楽しい。冷菜は、手作りのピクルスやチーズ、スモークチキンや牛サラミ、魚の燻製などの盛り合わせ、グリルした野菜のサラダや、ロシア風のポテトサラダなどいろいろ選べて、温菜は、手羽先の焼いたのとか、エビフライ(ポップコーンシュリンプ)とか自家製のチキンナゲットなどが人気。

今はとりあえず、アクリルのグラスを旅行用に使っている。

少し飲んでから、お風呂に浸かってのんびりする。こういうときにスピーカーがあると、好きな音楽が聴けて楽しい。くるみ割り人形の2幕目のあたりだけをかけて、と夫に頼む。それから彼は、ドヴォジャークの9番『新世界より』を小さな音でかけていた(カラヤンとベルリン・フィル)。

メインの料理は、サージを頼んだ。これはいかにも遊牧民の伝統といった料理で、鉄鍋で肉と玉葱と茸などを炒め、周りを素揚げした茄子やピーマン、じゃがいもをぐるりと並べた豪快な料理で、炭火で温めて供される。のんびり食べていても、最後まで温かいのがうれしい。それに羊飼いチョバンサラダをたっぷりと、これはきゅうりとトマトとハーブを混ぜたサラダ。それに、アゼルバイジャン産の赤ワインを。盛装してレストランでごはんを食べるのも楽しいけれど、ホテルの部屋でくつろいで、普段は自分で作らない料理を食べるのも、充分に非日常感があっていい。

それから夕食後は、ベッドでごろごろしながら、めいめいタブレットを眺めたり、書きものをしたりして過ごす。これはまさにいつもの日常の光景なのだけれど、知らない場所の知らない部屋でいつもの営みというのも、なかなか安心感があっていい。ハーブティーを飲んで、少し編みものをしているうちに、眠気が降りてきた。

旅先の朝食は好き。

朝は早く起きた。普段は朝食を食べないくせに、旅行のときはとても楽しみ。ぱりっとした白いテーブルクロスが敷いてある朝の食卓に着いて、竈焼きのパンに、カイマックというクロテッドクリームのようなぽってりとおいしいクリームと、山の蜂蜜をたっぷりのせて食べる。卵料理は、ポミドール・ユムルタ(トルコのメネメンに似た、トマトと卵の料理)にした。それに、きゅうりとトマト、オリーヴ、チーズ。ちゃんと果物も食べる。白い壁の朝食室に、陽がさんさんと差し込んでいた。昨晩の雪が融け始めている。


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