丸の内OLよ!
5月の金曜日、新宿での仕事時間の合間に、ふらりとビックロにいきました。
店内、やや奥で、シフォンプリーツスカート、しかも、欲しかったライトグレーを着たマネキンが、白いトップスのノースリーブの腕を私の方に伸ばし、「ねえ、そこの君、私を買わないの?」と囁きます。
誘われるままに、スカートの生地を触ったところ、あー、なんという柔らかい触り心地、天使の生地が私の脚にさらさらと触れる、なんというエクスタシー、もう想像すると、たまりません。
2980円、大人には安いものよ。
さて、仕事が終わり、そのまま女装プレーになだれ込もうとしたところ、割り込みが入って結局女装できず(この件はまた日記にします)。
ただ、一度火のついた女装願望って、消防署でも消せません。翌朝、オフィス戻って積み残しの事務作業を電光石火のごとく終わらせると、膨らんだ鞄を持って出動。鞄には、お化粧ポーチとオレンジのヒール、そして、買ったばかりのシフォンスカートと白いカットソー。
地下鉄乗って、昼下がりには某ショッピングゾーンの多目的トイレで着替えます。
おしゃれなカフェーにはいる勇気はなく、カレー屋さんに入店。
このカレー屋、食券で注文なので、しゃべる必要がないから助かります。
ランチタイムは終わっており、私の両隣が空席で良かったような口惜しいような。
「ありがっとございました」という中国なまりの店員の声に背中を押されてお散歩スタート。
サミット前なのか皇居近くにいくと警察官が多い。でも、土曜なので、メジャーなゾーンを外れると人が少ない。カツカツとヒールの音を聞いていると、なんだか丸の内OLになった気分、こんな事ならタイトスカートにブラウスにしておけば良かったとか考えつつも、気持ちはうきうきしています。
前から行きたかった将門塚まで歩きました。お参りに来た人が塚で写真撮ってます。私が映りこんでも幽霊と思わないでね。
結構テンションがマックスで、このまま、デパートにでも突撃したかったのですが、ハイヒールの中の足先が痛くて。
女装タイムもこれまで、人間界の戻ろうと、街中をよたよたと某公園のトイレを目指して歩きます。緊張感がとれて、疲れも感じ始めます。車が通っていないので、ぼんやりと横断歩道を無視して、通りを渡ったとき、ぴぴーという笛の音。
見ると、5メートルくらい先にお巡りさん。
職務質問されたら何て弁解しよう、「武士の情け」とか言って陳謝すべきか、「女装の何が悪いの」と開き直るか、でも舛添さんみたいにオロロとなるんだろうな。
心臓ドキドキだったのですが、注意されたのは私ではなく、私の背後、道のど真ん中で堂々と写真とっていたカップル。どうも中国の方っぽい。
なんとなく、肩透かしを食ったかのような感覚で、そのまま、とぼとぼと歩いていると大通り近く、人が多くなってきた。
そのまま歩いていると、前方、白と青を組み合わせたテニスウェアみたいな恥ずかしいユニフォームを着た女の子が二手に分かれて試供品を配っています。
明らかに、女性のみに配っています。
これはパス度を試すチャンス。
私の胸が高鳴りました。
「こんど出る新製品です」(緊張のあまり何て言われたのか覚えていません)
テニス女子は、私にですよ、ちゃんと、ビニールに包まれた「スキンケアサンプル」と書いたウサギのキャラクタがかわいいコスメを手渡してくれました。
おお、パスしたぜ!
でも、彼女達は早く配り終える事が使命なので、パス度とは関係なく適当に配ってんじゃないかと、帰りの電車で冷静に考える純でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?