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rekordboxを使ったDJスタイルいろいろ

rekordbox(以下レコボ)を使い始めて1年以上経ったのでまとめてみました。
細かい前提条件や説明は省いて雑感メインです。

① USBメモリ
一番基本的な使い方。現場にPioneerの古くないCDJがあれば概ね問題なく対応できる。事前に解析した曲の情報(bpmやグリッド、キー)を使えるのでUSBに適当にWAVとかmp3をコピーするくらいならレコボ使った方がいい。
USBメモリは速いやつを用意する。USB3.0に対応というか規格だけ対応してて書き込みがクソ遅い安物USBとかザラにあるので、高速データ転送と書いてある高いやつを買うように。そうしないとエクスポートに時間かかりすぎて集合時間に遅刻することも。現場に設置されたCDJの型番やLINKの有無が確認できない場合も想定して、USBメモリは複数(2~3本)用意しておくのがいい。
なお、USBメモリの代わりに動画撮影にも使われる超高速なSDカードを使ったり、大容量なUSBポータブルHDD/SSDなどに曲をエクスポートすることも出来るので、自分のスタイルに合わせて色々試してみて。

② PRO DJ LINK
LINKと呼ばれる機能を持つPioneerのとても高級なCDJであれば、①で用意したUSBメモリ1本あれば複数台のCDJを使ってプレイできる。めちゃくちゃ便利なんだけど、現場についたらLANケーブル刺さってないやんけ的な試練にハマることがあるのでLINK使う気持ちの人は必ず自前のLANケーブル1本は持ち歩くように。あと転換時にうっかり再生中のUSB抜いてしまって音を止めるミスが起こりがちなので必ず指差し確認を。
さらに便利な使い方として、レコボの入ったPCをLANケーブルで繋いでCDJとLINKすることで、PCの中にある曲をそのままCDJにロードして使える夢の環境になるんだけど、残念なことに現場のCDJを見ると2台が1本のLANケーブルで直結されてるパターンの方が多く、CDJ3台以上でスイッチングハブが常設されている様な現場であればワンチャン、という感じ。自前でハブを持ち込んで配線する事も可能だが配線やCDJの設定を変える必要があるため必ず本番前、やる前にスタッフに相談するように。

−−−ここまではPRO DJ LINKも含めrekordboxの無料で使える機能−−−

③ MIDIコントローラー(オーディオインターフェース内蔵)
いわゆるPCDJの王道。レコボだとPioneerから対応コントローラーが色々出てるので予算と相談して選べばいい。てかDDJ-RBでええんちゃう、rekordbox djのライセンス(1.5万円相当)も付いてるし。
PCDJでMIDIコンを使ってやるスタイルは家と現場で同じ環境、使い慣れた操作が出来るのが最大のメリット。このミキサー/CDJ使ったことないやつや!こわ!みたいなことにはならない代わりに、現場で他のDJさんがプレイ中にミキサーに線を抜き差しすると白い目で見られたり、MIDIコン邪魔やなーと言われあわてて片付けたりと気苦労が多いため、個人的にはあまり好きじゃない。
ソフトウェア内部で音源をミックスする関係上、PCのトラブルが即音止めに直結する。ある程度余裕のあるスペックでDJ専用PCとかの方が安心できるかも。出音ちっさくね?とか音質問題でも色々言われがちなので、いうほど現場向きではないけど、小箱なら充分使えるしお手軽にDJをはじめることが出来るのは大きい。

④ USB HID接続
現場にあるCDJとPCをUSBケーブルで接続して、MIDIコン+オーディオインターフェースとして使うやり方。rekordbox djのライセンスと使うCDJの台数分USBケーブルが必要なので最低2本は用意する。荷物は少なくなるが、現場にあるCDJ毎にPC切り替え操作が違うためいちいち覚える必要がある。またUSBケーブルがどれか1本でも抜けてしまうと即音が止まるリスクや、CDJによってはオーディオインターフェース周りの挙動が違うので、色々な前提条件を理解しておかないと③のMIDIコンスタイルよりも転換特に音を止めると思った方がいい。
典型的な例として、CDJで行うコントローラー番号の設定と、PCで認識されたオーディオインターフェースの順序が入れ違い再生しても音が出ない(別のchで鳴ってる)現象がある。慌てずにオーディオ設定を見直すこと。またCDJ-350/850では「PC」切り替えボタンとオーディオインターフェース機能のオンオフが連動しているため、レコボ(PC)側から見ると他のソースで再生中のCDJは認識すらされない。またレコボの挙動としてオーディオ設定が変わるタイミングで一瞬音が止まるので、CDJを1台ずつ認識させながら音を止めずに転換することは困難。再生していない側のCDJでも途中でPCボタンを押すとそこで音が止まるし、最悪前述のインターフェース入れ違い問題が起こるのでひどい目にあったりする。確実なのは転換時にレコードやHID接続していない別のCDJで1曲再生しながらレコボの準備をするか、そういった問題がなく安全に使える高級なCDJを使うことだが、それなら正直LINK使ったほうがトラブル少ないしなーっていうジレンマになると思う。家で一人でやる分には便利なんだけど。
<追記>他にもトラブりやすいCDJをオーディオインターフェースとして使うことを諦めて別途用意するor最近のDJMシリーズに追加でUSBケーブルを指して使うことで、CDJはあくまでMIDIコンとしてのみ使うUSB3本足打法なるやり方もありますが、同じやり方どうしが被ると結局間に何か挟まないと転換できなかったり、そこまでやるならDVSでよくね?と個人的には思います。あくまで好みの話だけどね。

−−−ここまではrekordbox dj(PERFORMANCEモード)で使える機能−−−

⑤ DVS
rekordboxもdvsライセンスを買うことで、seratoやTraktor Scratchの様にDVS機能を使うことが出来る。レコボDVSの特徴としては専用機器との接続がとても便利、それ以外の比較的安価な4in4outのオーディオインターフェースでも問題なくDVSが使えるので、月額サブスクリプション(1200円/月)を使えばかなり安価でDVS環境を作ることが出来る事が挙げられる。
最も便利なのは現場に対応DJミキサー(DJM-900NXS/850/750など)があればPCとUSBケーブル1本で準備完了、チャンネルの入力切り替えをPCにするだけですぐ音が出る。また自宅用にDJM-450や250mk2がrekordbox dj + dvsのライセンス付きで売ってるのでこれを買うのがおすすめ。250なんか実質タダみたいなもんだし。
次にseratoやTraktor Scratchの環境がすでにあるor適当なオーディオインターフェースがあってレコボDVSを試したい場合、月額サブスクリプションがおすすめ。専用のコントロールバイナルを買えば配線は一般的な接続そのままですぐ使える。問題があるとすればソフトウェア制御でTHRUの切り替えができるのが現状Pironeer INTERFACE 2だけなので、アナログレコードも使う場合はYケーブル(Traktor Scratchでいうところのマルチコアケーブル)による配線が必要。ターンテーブルからの信号が分配できればOKなのでそんなに難しくはないはず。

で、結局どれがいいの?

現場ではUSBメモリかなー。
PC(レコボ)は曲を探したり選曲で色々と見るのでブースには置いてますが、配線やバラシの手間と、音を止めたりするリスクを回避する労力を考えたらUSBで充分かなってなると思います。
ぶっちゃけ、持ち時間考えたらUSBにそこそこ曲突っ込んで行けば十分事足りるじゃん。
HID接続やLINKを使ったPCの接続は、色々自分で準備できる&トラブル対応ができる人向け。アナログの操作感にこだわりある人は対応ミキサーが使える現場ではDVSもアリかな、という感じ。
MIDIコンはゼロからスタートするならこれ一択です。USBが使えないようなオールドスクールな現場でもカラオケのPAしかなくてもLINEで1ch使わせてもらえればDJ出来るので結構便利です。ただ現場では嫌な顔されることもなくはないので家ではMIDIコン、現場ではUSBとかが色々邪険にされなくて平和です。

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