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【レポート】コモノノモコの演劇教室#1

『コモノノモコの演劇教室』
受講感想レポート   俳優 関場理生

 先月、COoMOoNOのWS(ワークショップ)が、8回にわたって開催されました。
 受講者数は各回5人ほどで、俳優としてのスキルアップを目指す人から、演出などの視点でセリフ術を学びたい人、また演劇とは関係なく日常的なコミュニケーションと向き合いたい人など、さまざまな目的で参加していました。
 各回とも同じ内容で進みますが、リピート回数も人それぞれ。もちろん1度参加の人もいましたし、一番多かったのは2度参加する人でした。かくいう私は8回中7回参加のリーチでしたが、8回参加の皆勤賞の人もいます!
 同じ内容なのに、何度も参加する意味があるのか、と思いますか? それが、2度参加した人なら分かると思うのですが、1度できたはずのことが2度目はできなかったりするのです・・・。
 このWSで何をやっているのかというと「言葉を相手に伝える」ということです。
 最初は雑談を交えつつ自己紹介。その後、発声練習を兼ねて詩を読み、後半は10行ほどの会話テキストを使って掛け合いをします。
 注意されることは主に二つ。「声がこもっていないか」と「なにを指しているか」です。滑舌や大きな声を出すというようなことは一切言われません。何故なら、注意すべき2点、こもらずに、指し示しながら喋った言葉は、声の大小や滑舌に関わらず、相手に届くからです。
 俄かに信じがたい人もいるかもしれません。そこでちょっと、最近耳にした会話を思い出してみてください。
 例えば、買い物した時の店員さんとの会話。すごく自分に話しかけているな、と感じる店員さんと、独り言を言っているのかと思うような店員さんがいませんか? 後者はきっと声がこもっていて、こちらまで飛んでこない状態、前者はその人から声が離れてこちらまで届いている状態なわけです。他にも、「あれ見て!」という声を聞いて相手と同じ方向を見れたら、それはきっと指せている声でしょう。
 WS中は、講師のもこさんこと伊集院もと子さんが日常での例を出したり、実演したりしてくれて、楽しく腑に落ちました。
 ただ、分かるのと実践できるのは別問題で・・・。
「文の最初はこもらないけど、語尾がこもるね」とか「さっきできてたのにできなくなっちゃった」と安定しません。ましてや日にちが違えば毎回状態が変わってしまうのです。私はセリフを読むスイッチが入るとこもって喋るのが癖になっていたりして、なかなかコツを掴めませんでした。
 最終日には立ち稽古のように、客席をセッティングして参加者同士で見せ合って演じたりもしました。他人のを聞いていると「綺麗な会話」と感じたり、逆にうまくいっていないのも分かったりして面白いです。この聞き分けられる耳を鍛えてもらえたのは、何よりも大きいと感じています。
 自分が演じる方はまだまだ・・・次回のWSで磨きたいところです。
 とても居心地の良い空間で、その雰囲気も魅力の一つでした。素敵なWSをありがとうございました!


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