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プラットフォームビジネスについて

今日、買い物をしていたらネスレのドルチェグストにスターバックスコーヒーが新発売になっているのを見つけた。

これはなかなか凄いことだと思う。

スタバはチルド容器をコンビニでも売っているし、豆も売っている。それに加え、ネスレ独自規格のドルチェグストにそのカプセルを配置したことになる。

ドルチェグストは自宅で本格的なコーヒーを飲みたい人向けのサービスだ。もちろん、ネスレにはドルチェグストより格上のネスプレッソがあるが、ドルチェグストはインスタントコーヒー(ネスレは、レギュラーソリュブルコーヒーと呼び、この名称問題で業界団体から脱退した)では満足できない人も向けのコーヒーだ。
ネスカフェアンバサダーはこのレギュラーソリュブルコーヒー用のバリスタになっている。(ちなみに、以前の部署ではネスカフェアンバサダーを誰かが導入したが味が悪いと不評で数か月で辞めていた。僕も1杯だけ飲んで、その後は飲まなかった)

これは、プラットフォームビジネスである。ドルチェグストというコーヒー抽出マシンをプラットフォームとしたビジネスだ。スタバとドルチェグストはコーヒー飲料というカテゴリで競合しているが、その競合のプラットフォームに進出し、家庭内コーヒー需要まで取りに来た感がある。

自宅でドルチェグストを使ってもう10年以上になるが、休日の外出でコーヒーを飲む機会は減っている(会社の時は別だが)。それは自宅に帰れば、自宅で飲めるからである。特に、スタバは並ばなければならないことが多いので基本的に行くことはなかった。(あんまりコーヒーは美味しくないし。ラテとかフラペチーノのではなく、純粋なコーヒー)

それが自宅で飲めるのであればと久しぶりに飲んでみようかと、まんまと買ってしまった。

そして気が付いた。これは、広告なのだと。この上下の写真を見て欲しい。ネスレと書いてあるのは、上の箱の by NESCFE だけである。下のカプセルには何も書いていない。参考で右に通常のカプセルと一緒に撮った。

これは完全にスタバを飲んでいるという認識になる(当然だ!)。ネスカフェ ドルチェグストという機器を使って自宅でスタバを飲んでいるのだ。ドルチェグストというプラットフォームを使って、ネスカフェも飲めるし、スタバも飲めるのである。

このスタバのカプセルが売れれば、ネスレもスターバックスも利益がでるのだろう。ビジネスだから当然だろうが、どちらにしても利益率は多少下がることになると思う。ネスレはクロスセル、スタバは新規チャネルと考えれば多少の利益率が低いことは問題にならないだろう。

しかも、スターバックスにとってはこれは自社の広告になる。自分で在庫や流通を考えることなく、個人の家に自分の会社のロゴを配れるのだ。これはブランディング的にもかなり大きい。外出先で飲まなくなったドルチェグストユーザーに自社の存在をアピールでき、また自社の店に来店をしてもらえる機会が増えるかもしれない。

またネスレとしても、簡単に自宅でスタバのコーヒー味を手軽に、かつ手間いらずで飲めるということで、ドルチェグストを新規購入してくれる人がでてくるかもしれない。

スタバのランナップは、ドルチェグストだけでなく、ネスプレッソにある。さらに本格的なものを!という人にも対応している。

プラットフォームビジネスと言えば、ITだとかインターネットサービスが中心だが、今回のドルチェグストに進出するスタバのように、自社の商品・サービス(いわゆる自社規格)には自社のものだけという考え方から考えを広げ、物理的なモノやインフラをプラットフォームと捉えて、他社に開放するという考え方は、どんどん広がっていってもいいんではないだろうか?業界団体で統一規格を考えよう!とかいう時間のかかる手続きはやめて、どこかの規格に乗る、または一緒にやってデファクトをとる方が、ビジネスのスピードが速くなった今日では勝率があがるのではないだろうか?

(冒頭の写真の京急は、プラットフォームという意味しかない)


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