好きなことを仕事にできる特殊性について
自分の好きなことを仕事にできるって奇跡だと常々思っています。でも、今の時代は自分の好きなことを仕事にしよう!果ては、自分自身を仕事にしよう!という人さえいます。いや、それができればいいんですけどね。
例えば、「ゲームをするのが好き」って人がいたら、少し前まではゲーム雑誌の編集者になるか、ゲーム会社に入るか、自分で一から作るかくらいしかゲームを仕事にすることができませんでした。
しかし、今はYoutuberの上位はゲーム実況の人だったり、e-Sportsで賞金稼ぎで食べている人たちがいます。
では、そこを目指して食っていけるか?というば、ほとんどの人は難しいでしょう。ごくごく一握りの人がその世界でお金を稼げません。ゲーム実況だって、自分が好きなジャンルのゲームが稼げるわけでもないし、e-Sportsだって大会があるゲームは決まっていたりします。なかなか好きなことだけしてお金を稼ぐのは大変です。
さて、私は仕事には5つ軸があると思っています。
・好きなこと
・やりたいこと
・できること
・評価されること
・お金がもらえること
この5つの軸がそうということは仕事において奇跡だと思います。好きなこととやりたいことは同じじゃん!と思われるかもしれませんが、違います。例えば、フィギュアスケートが好きでいつも羽生君を応援している人が、自分でフィギュアスケートをやりたいか?というと必ずしも自分ではやらなくてもいいと思っている人もたくさんいます。
では、フィギュアスケート好きで、やりたい!となったとして、それが「できるか?」となると、また話が違ってきます。そして、3回転サルコーができたとして、それが「評価されるか?」は別の話になってきます。日本どころか、世界大会で上位にいかないと「お金がもらえること」には達しません。
一方で、フィギュアスケートで「お金をもらう」なら、別に世界大会にでる必要はありません。出ることに越したことはないでしょうが、フィギュアスケートが「できれば」、「お金がもらえる」ことがあります。それはアイスショーであったり、フィギュアスケート教室の先生であったりします。それも狭き道だとは思いますが。
以前に、こんなものを書いたことがあります。
出会いが奇跡じゃないのに、なんで5軸しかないもが揃うだけで奇跡なんだよ!という話になりますが、出会いは頑張ればなんとかなりますが、仕事になると特に「評価される」「お金をもらえる」というは自分の努力だけではどうしようもありません。
「やりたい」ことができて「評価がされて」もそれが「お金になる」とは限らないのです。
多くの人は、私も含めてですが、「お金がもらえること」を優先して就職をします。もちろん、自分の「好きなこと」や「やりたいこと」に近い業界、職種、会社を選ぶはずです。それでも、第一志望の会社に入れた人はどのくらいいるでしょうか?
なので、最終的には「お金がもらえること」を優先して就職を決める人多くなります。
そして、社会人をしばらくしているとだんだん見えてきます。自分が「できること」が「評価される」ことなのか?「やりたいこと」と「お金がもらえること」に乖離があるということが。
私個人の話で言えば、「やりたいこと」と「できること」は違いますし、「やりたいこと」と「評価されること」も違います。一致しているのは「できること」と「評価される」と「お金がもらえる」ことです。3つが一致しているので、まあまあ恵まれていると思いますし、この3つがあるので、おそらく職には困らない(お金に困らないないや高給がもらえるとは違う!)と思います。それでも「好きなこと」と「やりたいこと」には一致していません。
「お金がもらえること」も高給なのから、そこそこなのか、少ないのかでもだいぶ違いますね。
もちろん、少ないくてもいいから「好きなこと」で「お金がもらえること」という選択肢はあるのかもしれません。今年M-1の決勝にでたトム・ブラウンは先月のお笑いでの5月の給料は138円と話しています。それで生活はできませんから、バイトをすることになります。「好きなこと」で「お金をもらえる」状態であるので、それでいいのか?というとそうではないと思います。彼はこれから仕事が増えると言われているので、バイトしなくてもよくなりそうですが。
でも、彼らも少数の成功者の一人ですよね。
『あきらめなければ夢は叶う』という言葉がありますが、それは夢をかなえた人がいう言葉なので、多分に成功者バイアスの塊です。ただ宝くじは買わないと絶対に当たらないのと同じで、チャレンジしないと成功は絶対にしません。
「好きなことを仕事にする」そのことはとても素晴らしいし、それに向けて頑張るともまた素敵なことだと思います。職業は多様化しており、今までにない職業もたくさんでてきているので、「好きなことを仕事にする」ことを目指すことはどんどんとやればいいと思います。ただ、その確率というか特殊性は理解していた方がいいと思います。
そうでなければ、それを煽る人だけが「お金をもらえる」ことになりかねないので。
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