「継続は力」という言葉にはベクトルは無いんだとようやく気付いた話

継続は力なり

知らない人はいないだろう。コツコツ積み重ねて、それをずっとやり続けることで、決して速くはないけれど、着実に実績をあげたり、目標を達成したりしたときに使う。

その言葉を言った後で、「続けられることも才能だよね」、とか継続できない人たちが、続けざまに言ったりする。まあ、要するに私のことだ。

しかし、ようやく気付いたというか、今更というか、気付いてしまった。「継続は力」という言葉にはそもそもベクトルは無かったのだと。

「継続は力」と言う際、それはポジティブな意味で使う。そういうものだと思ってきた。

世の中には、

「継続できる人」 と 「継続できない人」

の2タイプがいるのだとずっと思い込んでいた。しかし、違っていた。

・「継続をする人」
・「継続する」と「継続しない」が中途半端な人
・”継続をしない”を継続する人

の3タイプがいるのだ。

「継続する」と「継続しない」が中途半端な人』は、一般的な人というか、普通の人。継続がプラスにもマイナスにも働かない人。

「継続をする人」』が、これまで「継続は力なり」に該当するのはこの人だけだと私が思っていた、コツコツ努力できる人。

そして、最後、最近(私に)発見された『”継続をしない”を継続する人』だ。この人は「継続できない人」であるのは間違いないが、実際には、継続して何かをしている。それは「継続をしない」ことだ。

わかりにくいか。

つまり、『”継続をしない”を継続する人』は、何かを”継続しない”ということを継続して実行している。何もしていない。そう、何もしていないことを”継続している”。

何でもいいのだが、例えばマラソンだとして、毎日コツコツ短い距離でもランニングを続けている人は、いつか、たとえ時間がかかってもフルマラソンを完走できるようになる。
他方、何もしていない人は、だんだん体力が落ちてきて少しづつ長い距離が走れなくなってくる。最終的には、短距離でさえ走れなくなって、全力疾走しようものならアキレス腱を切るとか大けがをすることになってしまう。

人の能力(体力だけでなく、思考力や忍耐力なんかも)は何もしないと落ちていってしまう。「何もしない」は「減衰」すると同義だ。

たとえば、現状を1、毎日の継続を「+0.01」とし、何もしないことを「-0.01」とすると、

続ける人
1.01×1.01×1.01×1.01×1.01・・・・(日数)

続けない人(何もしないを続ける人)
0.99×0.99×0.99×0.99×0.99・・・・(日数)

となる。これを365日続けるとすると

1.01^365 = 37.8
0.99^365  = 0.03

まあ、この計算式自体は割と有名で知っている人も多いと思う。まさに「継続は力です」と受験生に対して、学校の先生たちが言うセリフ。

ただ、今回の発見は0.99の方。1.01が「継続は力」と言われるように、0.99だって継続は力の結果である。何もしないということを続けたことで得られた結果なのである。

この事実は衝撃だ。

「ダイエットは明日から」と毎日継続していれば、「ダイエットはしない」ということ自体が強化されて、いざダイエットをしようとしても「ダイエットはしない」ということが強化されているので、ダイエットをすることができなくなる。

家で引きこもってゲームばかりしていると、それが継続強化されて、家から出られなくなる。

会社で部下に偉そうにしていた人は、会社を辞めても、継続強化された「偉そう」な自分から逃げられず、家では偉そうにできる家族はいないため外で店員や駅員さんに偉そうに接してしまう。

挙げれ枚挙に暇がないが、継続し続けるものが強化され続けるのは、ポジティブなことネガティブなこと関係がない。
普通に考えれば、わかりそうなことだが、ポジティブな部分だけでなく、怠惰な自分のネガティブの部分だってずっと継続していると、どんどん強化されていってしまうということに、気が付けたのが最近なのである。

「俺はまだ本気を出していない!」と言いながら、毎日を過ごしてしまうと本気を出していない自分がどんどん強化されていって、本気を出したい!と思ったとき本気を出せないばかりでなく、かつての本気の0.03の全力になってしまう(0.03の部分は強化期間によるが)。

もう「本気を出すのは明日から」と思いながら幾月日。。それが強化された自分というのを立て直すのは難儀だなぁと思う。

ちょっと前に「勉強をしなくなるのが老害の始まりだ」みたいなコピーを見た気がするが、”学ばない”ということを継続強化された結果が老害というのは、この「継続は力なり」の言葉の意味を知った今、それはそうだなぁと思うようになった。

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