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仕事を思い出として話してもらえる幸福。

今年4月に亡くなられた磯部光毅さんの仕事を振り返るイベントがあり、足を運びました。磯部さんの仕事仲間が、当時、磯部さんと話したことやエピソードを語るという形式で、進んでいく方式です。「シンプソンズのCCレモンのCM」や「TOYOTAの86のCM」や『手書きの戦略論』の秘話が聴けました。

そこでハッキリ感じたのですが、「自分の仕事の話を、仕事仲間にしてもらえる」というのは、とても幸せなことだと思いました。広告制作の仕事は、つくったものとその結果がすべてだと言いがちですが、つくってる過程には小さなドラマがあります。『左ききのエレン』を読むと、そこが垣間見れますが、漫画にはならないけど、小さなエピソードがたくさんあります。

打ち合わせの中で、コピーを口ずさんで生まれる笑い声。デザイナーがコピーをかっこいいフォントでデザインしてくれた広告を見る瞬間。イラッとしてるボクを制してクライアントと話す営業マン。プレゼンでスクリーンが映らなくて声だけでやる緊張感。プレゼンをラップでして身内からも感じる冷たい視線。自分たちのほうが笑っていた、手品を交えたプレゼン。「学生が考えそうな企画ですね」と言われて「確かにそうですねぇ、だからボクの企画はわかりやすくて、みんなにウケるんすかねw」と返して何とも言えない表情でそれを見守る仲間たち。「こんなに笑った打ち合わせは初めてです」「仕事じゃないみたいでしたね」と言ってくれるお客さん。帰り道で「いやぁ完全にハマってましたね。てつじファンですね」と嬉しそうに語る同僚。

2016年に独立して、ひとり株式会社で、ひとりで打ち合わせに臨み、ひとりでコピーを書いているとき、何かさみしいな、何かちがうなと思っていました。同僚がそばにいる今なら、その違和感の理由がわかります。ひとりでは思い出にならない。となりで自分を見てくれる人が自分のことを語ってくれて、はじめて思い出になるんですね。めっちゃあたりまえなことに最近気づきました。

いろんな広告やキャッチコピーとかを残したいという気持ちも強いけど、それ以上に、いろんな思い出を残したい。武勇伝や恥ずかしい話をもっと増やしていこうと思いました。磯部さんに感謝。

磯部さんは「戦略プランナーナイト」というイベントをひらいていて、そこで出会った人たちと仕事も何度かしているので、それもマジで感謝せねばなりません。磯部さんとは仕事を一緒にすることはできなかったのですが、独立することを伝えたときに「いいね。一緒に仕事やろうよ。いっぱいあるから。」って言ってくれたのが、今でもうれしいです。「元カレが、サンタクロース。」というコピーも「名作」と言ってくれて、ご自身の本の中にももうちょっとで出そうでした笑。

その本は、コチラ。名著です。
10年読まれる本になりますように。
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