私は友達を大切にする人だ。

そんな１行からはじまるエントリーシートがあります。５年前に、30人の就活生のエントリーシートをリライトするという企画をやったのですが、そこそこいました。

「〜〜だ」「〜〜である」という文がやたら目についたので、

「なんでみんな“だ調”で書くんですか？」

と聞いてみると、どうやら小論文やレポートとかで書いた文のクセが抜けないようです。

このとき「声に出して読める言葉で書いたほうがよくないですか？」「年上の人にメール送る感じで書いたらどうすかね？」とか、しゃべった記憶があります。

さて、

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私は友達を大切にする人だ。

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もしこれを

書き換えるとしたら、

どんな言葉にしますか？

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私は友達を大切にする人です。

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何も変わってません。

たとえば、

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「あゆみは友達思いだよね」と、久しぶりに会った中学の同級生に言われました。

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と書いたら、ちょっと印象変わりませんか。よね。

自己PRは、自ら己のPRをする行為。つまり、自慢です。堂々と自分の自慢話をする人って、胡散臭いですよね。

ルノアールであやしいものを売りつけてる人くらい胡散臭いです。

自分でアピールするのをやめて、人に言われた事実にするだけでも、ずいぶんましな印象になると思うのです。Amazonで何か買うとき、宣伝の文よりも、Amazonのレビューのほうを重視しますよね。書類を見る人もいっしょだと思います。

他にも工夫してる点があります。

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「あゆみは友達思いだよね」と、久しぶりに会った中学の同級生に言われました。

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じぶんの名前を入れてみました。

どんな履歴書にも名前は書いてあるのですが、自由に記入する欄で、自分の下の名前が入っているエントリーシートは、少ないと思います。

そして、自由に記入する欄は、履歴書の欄の名前よりも注意して読まれるはずです。書類を読む人に「応募者が、ひとりの名前をもった人間である」というあたりまえのことを意識させる効果もあると思ってます。

もし書類を読む人の知り合いで「あゆみ」という人がいたら、ちょっとだけその顔を想像して、落としにくくなるかもしれません。嫌いな人の名前だったら、逆に一緒に働きたくなくなるかもしれませんが。

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「あゆみは友達思いだよね」と、久しぶりに会った中学の同級生に言われました。

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この単語を読んだときに、応募者の中学時代、あるいは、じぶんの中学時代をちょっとだけ想像するはずです。こういう小さなことの繰り返しが、落としにくい書類をつくります。

自己PRの指導で「具体的に書け」は、マジでよく言われるそうですが、でもそのアドバイスが具体的じゃないと思います。「映像が浮かぶように書け」って言われたほうがまだ書けそうじゃないかと。「中学の同級生」よりも「中学の野球部」のほうが映像に浮かびますよね。

まぁこれらの文の言い換えは、ささいな例です。

上のESをリライトするイベントでは、就活生の学部や部活やサークルや好きなことや家族のことやらを聞いて、志望する業界と照らし合わせて、アピールする内容を考えました。

で、このとき添削した人ひとりと、数ヶ月後に偶然会ったのですが、

書類で落ちなくなって
面接まで必ず行けるようになった。

というふうに言ってました。それを聞いて、やっぱり、エントリーシートの書き方の本をつくりたいなと思ったのです。

内容は、就活生のエントリーシートの書き換えをBEFORE／AFTERで解説つきで読めるものです。その名も『ESの鉄人〜落とされないエントリーシートの書き方〜』。

この本を完成させるにあたり、エントリーシートや自己アピール文をリライトしてほしい就活生を募集します。いま就活をしていて、エントリーシートを書いている方で、元の文章をそのまま使わせてくれる方をお待ちしています。応募してくれた方とは、お会いして30分くらい話すか、いくつかメールをやりとりして、ESや自己PRの文をリライトします。

お名前は明かさなくて大丈夫です。大学名は場合によっては出します。たとえば、悪いニュースで噂になってる大学こそ、こういう書き方をしたほうがいいというアドバイスができるかもしれません。

100円だけお支払いください。無料にして、あまりにもテキトーすぎるESが来たらイヤなので。

100円払ったら、連絡先が見られるので、そこに連絡ください。

「絶対落ちない」とは言い切れませんが、言葉を変えて、新しい１歩をあゆみ、視野がひろがり、就活でウツになることがないようにできたらなと思ってます。

（こちら現在、受付してなく、メールは返せません。）