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その大学、本当に必要ですか?

高校の頃、「なぜ大学にいく必要があるのか」と先生に聞いたことがある。「いい大学にいかないと、いい会社にはいれない、そしていい人生を送れない」そんな答えが返ってきた。今よりもはるかに無知で、意志もなかったから、「そんなものか」と思い、受験勉強をはじめた。半年間はみっちりと勉強し、第一志望だった早稲田大学理工学部に合格した。合格したこと自体は純粋にうれしかった。

しかし、大学時代について語れることはあまりに少ない。そこそこに勉強し、そこそこにアルバイトをし、少しだけ遊んだ。何かを成し遂げることもなく、自分の人生の中でも極めて微妙な時期であることは間違いない。あまりに暇だったので、たくさんの本を読めたことは、とてもいいことだった。

結局、自分のやるべきことを見つけることができず、自分に自信も持てぬまま、多額の奨学金を借りて、東京大学大学院に進んだ(奨学金はまだ残っている)。6年間も学生をしてしまい、それなりの学びにはなったけれど、社会にでたほうがよほど成長できただろうと後悔している。

「大学って本当に必要なんですか?」

今、会社を経営し、新卒の採用をする立場になって、この疑問は深まるばかりだ。「大学って本当に必要なんですか?」「こんなに全員が大学を目指す必要あるんですか?」と。

多くの学生と対面してみても、4年間大学に通った意義を感じる学生なんてほとんどいない。往往にして、大学とは関係のない話のほうが豊かだったりもする。

こういう話をすると「大学という無駄な四年間があるから、様々な経験ができる」という人がいるが、それだったら大学に行く必要なんてない。モラトリアムにしては、大学は長すぎるし、高すぎる。

自分なりの意見を書けば、ほとんどの人にとって大学は不要であるにもかかわらず、そのほとんどの人が大学に行くことで、個人にとっても社会にとっても不利益ばかりが生まれている。

結局のところ、「何か特別なことを本気で学びたい」と考える人間だけが大学に行くような社会にすべきなのだと思う。そんなこと、自分が今更いうまでもなく、大学というのは本来そういう場所だったはずだ。 みんながみんな大学に行く必要なんてない。大学の数をできるかぎり減らし、教授の数を減らし、密度をあげていく必要がある。

もうひとつの問題として、大学の権力化にともなう腐敗がある。定員は埋まるし、儲かる。最高のサブスクリプションモデルだ。何かを変える必要なんてない。「先生」と呼ばれる人たちが勘違いし、権力をふるい、暴利を貪る。東京医大や日大アメフトなどの問題も、大学を安定させすぎてきたことが起因していると想像する。言うなれば、大学はオワコン化してしまったのだ。

「高卒採用」と「学生社員」の取り組み

兎にも角にも、大企業による「四大卒 一括新卒採用」が悪の根元ではないかと考えている。いい四大を出ないと、いい会社にはいれない、だから別に勉強したいわけではないけれど、社会の仕組み上、大学にいかねばならない。そこで多くはダラダラと過ごすことになるだろう。それはとてももったいないことだと思う。

弊社(株式会社エードットおよびカラス)は、「高卒採用」に挑戦したいと考えている。設立から6年。年々堅調に伸び、70人ほどの会社になった。上場を視野にいれている。幸いなことに、グループの代表である伊達が高卒なのだ。とても説得力がある。しかし高卒採用のためには、ハローワークを通さなくてはならないなどのいくつかのハードルがあるので、検討中の段階に止まっている。その実現は簡単なことではないと痛感する。社会があまりに「大卒思想」に偏りすぎている。

そこでもうひとつの取り組みとして「学生社員」をスタートしている。大学という環境に満足できず、働きたいと願う学生を正社員として雇用する仕組みだ。インターンでもアルバイトでもなく、正社員として雇用していることに意味があると考えている。

現在は、慶応SFCに入っていた女性が一人なのだが、一年でたくさんのすばらしい仕事を残し、フジテレビのプライムニュースにも取り上げられるような結果を残してくれている。それは経営者として、シンプルにとてもうれしい事実だ。

僕らができることはまだまだ小さいが、このような意見と実働を通して、少しずつ啓蒙していきたいと思う。そしていつの日か、一流企業において「高卒採用」や「学生社員」が当たり前になるような社会にしていきたいと強く願う。

大学に入ったのだけどそこに意義を感じとれなかったり、くだらない飲み会やサークルに馴染めなかったり、インプットよりもアウトプットに挑戦したいと思うような学生がいたらぜひ連絡をください。大学だけが正しいわけじゃありません。一緒にたくさんの楽しい仕事をしていきましょう。

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