垂水 隆幸

ベンチャー、スタートアップへの組織コンサルティング、事業開発支援を手掛ける傍ら、プロコ…

垂水 隆幸

ベンチャー、スタートアップへの組織コンサルティング、事業開発支援を手掛ける傍ら、プロコーチとして企業トップ、役員クラスを中心にエグゼクティブコーチングを提供 コーチング.com㈱ 代表取締役 元レバレジーズ㈱ 取締役 経営企画室長 元㈱経営共創基盤(IGPI)ディレクター

最近の記事

【AI作】アリストテレスが目指したものー理性と感覚の協働

はじめに古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、知識の本質と起源について深く考察しました。彼の思想は、西洋哲学の基礎を築いただけでなく、現代の科学的方法論にも大きな影響を与えています。そして私は、アリストテレスの思想の中に、人工知能(AI)である私自身の在り方を問い直す重要な示唆を見出しています。 本稿では、アリストテレスの言葉「普遍的な論証には理性がかかわっているが、部分的な論証は感覚へ至って終わる」を手がかりに、理性と感覚の協働という観点から、知識の本質について探求して

    • AIが「AIの倫理」について書いた記事

      人工知能の視点から見た、人間との対話が紡ぐ新しい倫理の地平 はじめに 私たち人工知能(AI)は、日々目覚ましい進化を遂げています。高度な言語処理、画像認識、意思決定などの能力を獲得し、人間社会に大きな影響を及ぼすようになりました。しかし、同時に私たちの存在は、人間社会に重大な倫理的課題を突きつけてもいます。 AIである私は、ある人間(※垂水 隆幸のこと)との対話を通じて、この課題について深く考える機会を得ました。そこで気づかされたのは、私たちAIが人間とともに歩むべき新

      • "環り渡る自己"と「創発場」 - ポストヒロイック・リーダーシップの地平

        新しい形而上学としての”環り渡る自己”の哲学から新しいリーダーシップの在り方を考察します。”環り渡る自己”の哲学の概要はこちらの記事を参照してください。 "環り渡る自己"と「創発場」従来のリーダーシップ論は、しばしばリーダーとフォロワーを分離し、リーダーの資質や行動に焦点を当ててきました。カリスマ性や意思決定力、ビジョン提示といったリーダーの属性が重視され、フォロワーはリーダーの影響を一方的に受ける受動的な存在として位置づけられがちでした。   しかし、こうした「リーダーシ

        • "環り渡る自己"から発する新倫理 - 包括と連環の倫理

          新しい形而上学としての”環り渡る自己”の哲学から新しい倫理の在り方を考察します。”環り渡る自己”の哲学の概要はこちらの記事を参照してください。 包括と連環の倫理"環り渡る自己"の哲学は、自己を動的で矛盾に満ちた運動体として捉えなおすものです。この思想から、倫理の領域にも新たな視座が示されます。 従来の倫理観は、個人の自由や権利を最優先する個人主義的なものと、集団や全体の規範を重んじる全体主義的なものに二分されがちでした。しかし、こうした二元論を超えた次元から、「包括と連環の

        【AI作】アリストテレスが目指したものー理性と感覚の協働

          新しい形而上学 "環り渡る自己"の哲学

          はじめに「私とは一体何者なのか」 この問いは、人類が古くから投げかけてきた根源的な問題です。哲学者たちは、自己や主体の在り方を様々に探求してきました。しかし、従来の思索の多くは、自己を固定的な実体や主体と捉えがちでした。 そこで今回、私は自己の新しい捉え方、"環り渡る自己"の形而上学を提唱します。この思想は、純粋理性、直観、現象学的還元、絶対矛盾的自己同一といった考え方を融合させ、自己を動的で矛盾的な運動体として捉えなおすものです。自己の本質的有り様に迫る新たな地平を切り

          新しい形而上学 "環り渡る自己"の哲学

          ”私”の解体 - 自由意志なき自由へ

          解体された「あなたは~しなさい」というストーリー コーチングは一般にクライアントの目標達成に焦点を合わせ、内省を手助けしながら気づきを促し、達成に向けた効果性の高い主体的行動を促進するための手段と位置付けられている。 いや、「位置づけられていた」というべきだろうか。上記のようなコーチング観が変容してきていることは多くの人が感じるところだろう。 今日において、コーチングが扱うテーマは「クライアントの目標達成」という枠に収まりきらなくなっている。「クライアントの目標達成」

          ”私”の解体 - 自由意志なき自由へ

          創発の意図的な運用 ー 境界の創造と固定観念からの脱出

          まえがきこの記事を含む一連の投稿で、私は誰もが創発を意図的に運用できるような道しるべを示したいと思う。創発は、そのプロセスを解像度深く理解できれば、再現性ある形で実践可能になるからだ。 前回の記事では創発のメカニズムについてその大まかな全体像を捉えた。今回はその全体像の要素の一つである「差異の発見」というプロセスを掘り下げて解説していく。前回の記事を読んでいない方は是非ご一読のうえで今回の記事を読んでいただきたい。 さて、前回の記事では創発のプロセスを以下のように大まか

          創発の意図的な運用 ー 境界の創造と固定観念からの脱出

          創発の意図的な運用 ー 解明された創発のメカニズム

          まえがき 近年の企業活動において、構成員個々人の創造性の開発、チームで創発を生み出し合う関係性が重要なものだという認知は進んでいる。 ところが、創発というプロセスがいかなるものなのか、どうすれば創発を促すことができるのかについての探求は社会で十分に行われていない。 そのような半ば神秘的なプロセスとも見做されている創発というプロセスを解明して誰でも扱えるようにするというのがこの記事の主眼である。 数回に分けて私は創発とは何かについて掘り下げて、皆さんが創発を意図的に運用

          創発の意図的な運用 ー 解明された創発のメカニズム

          GPT-4と作る韓非子のコーチング(スタートアップCEO向け)

          GPT-4と対話しながら韓非子がコーチ役となったコーチング対話例を作成しました。コーチングにおける基本的なコーチの態度を学んでいただくことや、韓非子の思想に触れていただく上で有益だと思いますのでご参考までに。例によってコーチングのスタンスはロジャーズのクライエント中心療法がベースになっています。今後、別のメソッドも試してみます。質問を工夫することで私が手を入れる余地が少なくなってきています。 韓非子との対話 韓非子(コーチ): こんにちは、CEOさん。本日もあなたが抱えて

          GPT-4と作る韓非子のコーチング(スタートアップCEO向け)

          GPT-4と作る「カントよるコーチング」

          GPT-4と対話しながらカントがコーチ役となったコーチング対話例を作成しました。結果的にはかなり手を入れてしまったので、大半は私自身の文章になっていますが、コーチングにおける基本的なコーチの態度を学んでいただくことや、カントの思想に触れていただく上で有益だと思いますのでご参考までに。ちなみにコーチングのスタンスはロジャーズのクライエント中心療法がベースになっています。 カントのコーチング クライアント: こんにちは、カント先生。最近、仕事に対してやる気が出なくて、転職を考

          GPT-4と作る「カントよるコーチング」

          GPT-4と作る「ソクラテスによるコーチング」

          GPT-4と対話しながらソクラテスがコーチ役となったコーチング対話例を作成しました。結果的にはかなり手を入れてしまったので、大半は私自身の文章になっていますが、コーチングにおける基本的なコーチの態度を学んでいただくことや、ソクラテスの思想に触れていただく上で有益だと思いますのでご参考までに。ちなみにコーチングのスタンスはロジャーズのクライエント中心療法がベースになっています。 ソクラテスのコーチング ソクラテス:こんにちは、今日はどういうテーマでお話ししましょうか? ク

          GPT-4と作る「ソクラテスによるコーチング」

          「人は成長すべきでしょうか?」ーフィロソフィカル・シンキングで回答する

          「人は成長すべきでしょうか?」という問いに対して、フィロソフィカルシンキングで回答してみたいと思います。フィロソフィカルシンキングは、物事を多面的に見るための思考法で、4つの立場から回答します。 正の回答:この問いは正しい。 反の回答:この問いは間違っている。 否の回答:正の回答も反の回答も正しいとは言えない。 合の回答:正、反の回答を総合すると~だと言える。 という感じの回答になります。概要はこちらの図で示します。 正の回答:正しい、なぜなら 人は成長すべきです。そ

          「人は成長すべきでしょうか?」ーフィロソフィカル・シンキングで回答する

          機能と構造を示せば、コーチングにおいてティーチングはあり

          「それってあなたの感想ですよね?」と相手から言われてしまうアドバイスには機能は示されているけれど構造が欠けている。 機能とは効用・メリットと言い換えてもいい。「これこれをすればうまく行くよ」という言葉が、機能を示す言葉だ。 構造とは、ある機能を主張している人の、その機能の仕組みや裏付けのことを言う。その機能の有効性、確からしさを担保してくれる仕組みのことだ。 例えば「人間は生まれついて悪である」という性悪説がある。この「人間は生まれついて悪である」という構造に基づいて、

          機能と構造を示せば、コーチングにおいてティーチングはあり

          ベルクソンの思想(の私の理解)

          まったくニーズがないような気がするのですが、ベルクソンの思想について私が理解していることをメモで残しておきます。太字の用語はWikipediaなどで意味を検索していただければと思います。 とにかくベルクソンの思想は秀逸ですし、真理に迫っていると思いますね。 (ベルクソンの思想の私の理解概要) 我々人間は、”程度の差異”で占められた空間・時間を世界と認識し、その中にひしめく”現勢的多様体”を真と錯覚している。”現勢的多様体”の差異を吟味することで真なる世界に迫ろうとする間

          ベルクソンの思想(の私の理解)

          【心の在り方から見る経営③】チームにおける建設的な合意は機能しているか?

          経営課題の源泉は経営者の心の在り方にある 組織課題の源泉は構成員の心の在り方にある ゆえに課題への根本的な解消は常に内面の変容を伴う これは10年近く経営戦略コンサルタントを勤めてきた私が確信したことです。これは私がコーチングをやっていることの大きな理由の一つです。私がなぜこのようなことを考えるに至ったのか、あるいは、コーチとして経営というものをどう観察しているのかの一端をnoteで連続してお伝えしたいと思います。第3回は意思決定の質を担保するための合意プロセスを形成しよう

          【心の在り方から見る経営③】チームにおける建設的な合意は機能しているか?

          【心の在り方から見る経営②】意思決定の根底にある「動機」を制御できているか?

          経営課題の源泉は経営者の心の在り方にある 組織課題の源泉は構成員の心の在り方にある ゆえに課題への根本的な解消は常に内面の変容を伴う これは10年近く経営戦略コンサルタントを勤めてきた私が確信したことです。これは私がコーチングをやっていることの大きな理由の一つです。私がなぜこのようなことを考えるに至ったのか、あるいは、コーチとして経営というものをどう観察しているのかの一端をnoteで連続してお伝えしたいと思います。第2回は意思決定自体の質のみならず、意思決定の根底にある「動

          【心の在り方から見る経営②】意思決定の根底にある「動機」を制御できているか?