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経験談2:76歳から「オンライン英会話」を7年続けた。英語で話すことが楽しい。

今日は一転、趣味としての英会話を目的に「オンライン英会話」を7年続けた、今80歳代の女性の経験談をご紹介します。実は、私の母です。


私は10年程前から「オンライン英会話」に興味をもったと書きましたが、その直後に母にお試しを勧めました。その頃はまだ私たちはイギリス在住、よくイギリスに遊びに来ていた母は、昔英文学を専攻したのに、せっかくのイギリスでちっとも英語が思ったように話せないと残念がっていたからです。


最初の登録やスカイプの設定は私がして、最初の数回はそばにいて手伝ったと思います。その後約7年間、母は「オンライン英会話」の毎日25分のコースにずっと登録し、かなり頻繁にレッスンを取っていました。昨年、ちょっと面倒になってきたとやめてしまいましたが、また機会があるといいなと思っています。


母は、自分の日常の思いや経験を英語日記のように、フィリピンの講師に話していました。私が身近で母がレッスンを取っているのを聞いていると、孫と遊んだ話し、イギリスで驚いたこと、新聞記事を読んで思ったことなど、話題をいろいろと考えて楽しんでいました。


母は昔女子大で英文学を勉強したのでレッスン前に予習をしないと気がすまず、昔の女学生時代の訓練が残っているね、とよく笑い合ったものです。ノートの取り方もどことなく古風。イギリスにいる私に日本から、「こういうことを英語でどう言えばいいの」と聞いてきたこともしばしばでした。


ノートにせっせと話したい事をメモして、英語の単語をひととおり調べてからからレッスンを取るわけです。実は去年「オンライン英会話」をやめたのはその予習をしなくてはいけない気持ちが面倒になってしまったそうです。もっと気軽に練習なしで受講してもいいのにとは言いましたが、それでは勉強が身につかないと言ってます。


数年前に母にiPadミニを贈ったので、そのちいさいiPadをもって窓の外の風景などを講師に見せながら、歩き回ってレッスンをしていました。フィリピンの講師の方は、とてもやさしく母の孫自慢などを聞いてくださり、たくさんの質問をしてくれていました。


私たちとは離れて暮らしている母は、一日あまり話しをしない日もあるそうなので、「オンライン英会話」で毎日フィリピンの方との話しを楽しんでいるのを本当にうれしく思っていました。やさしく母の話しを聞いてくれるフィリピンの講師の方に心から感謝していました。


長く続けると、いくらコスパがいいとは言えレッスン料がかさむので、「オンライン英会話」サービスを使わずに、個人のネットワークでオンラインで英語を話す機会がもっと簡単に作れればいいな、としばしば思います。


英語教育の現場では、「オンライン英会話」のサービスではなく、ビデオ会議システムやスカイプを使った無料の国際教室交流に高い関心があります。日本の英語教育系の学会では日本の教室と海外の教室をむすぶ授業の実践報告をしばしば見かけます。世界的には、Microsoftが傘下のスカイプを使って国境を越えて協働学習をする授業をサポートする、世界的な教育プログラムが有名です。


私はこの教育方法も画期的な英語学習の場になるのではないかと非常に期待しています。ただ、日本の教室からオンラインで話せるパートナーを見つけ、相手の先生と細かいやりとりを決め実施に結びつけるのは非常に手がかかります。イギリスの小学校と日本の小学校、日本の大学とアジアの大学との交換授業を何度か経験して、簡単ではないことを痛感しました。個人の先生の力ではなかなか実現が難しいのです。


ただどこかの英語新聞で、ブラジルの小学校の子どもたちがオンラインで英語を学んでいる記事を随分昔に読んだのが記憶に残っています。ブラジルの小学校と、アメリカの田舎の街の年配の方が住むホームが協力して、子どもと年配の方が、Skypeを使って英語で気軽に話せるようにしたそうです。思いがけない組み合わせだけど、どちらも楽しんでいると書いてありました。


英語で話したい方と、英語を話したい方を国境を越えて結びつける方法を、「オンライン英会話」というビジネスを離れてできないか、もっと考えてみたいです。


ところで、7年間「オンライン英会話」を続けた母の英語力は上がったのでしょうか。母は実感がわかない、わからないと言っています。私は母が旅先などで気軽に英語で話すのを見かけたので、母なりの成果はあったと思います。ただそれ以上に、たくさんの人と英語でおしゃべりをすることを母が楽しんでいたことをうれしく思っています。

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