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軍手でも買うた方がええんちゃう?

こんにちは。
機材オタク、瀬田コルネです。
今日は日記です。

突然ですけど『手が滑る』って表現、ありますよね。
白々しくも真面目にも使う事のある言葉でございますが、私の場合はどっちになるんでしょうね。


白々しい方ですね。


何買ったんやコイツって話をします。

ヘッダにも上がってますが、これです。

人生初の所有したGibsonです。
初手カスタムショップなのはFenderと同じですね。バカ。
「どうせギター辞める気あらへんやろ」と思ったので買いました。
『死ぬまでの日割りは今日が一番安い』、これを覚えておいてください。アホほど機材買うようになります。

ハムバッカーですが、ボリューム絞っても、或いは手先で弾き分けても、かなり気分よく追従してくれます。流石にシングルコイルの反応には敵いませんが、それはそれ。
それくらいの追従性がありながら、当然ハムバッカーなのでパワー感もあります。歪ませて弾くだけで気持ち良くなれます。弾いてみな、飛ぶぞ。

音は同じお店で弾き比べさせてもらったレスポールよりも少し帯域が上めな印象です。
レスポールはやはりやや重いのが影響してか、ローもそれなりに出る、という印象でした。ベース程ではないですが、「ズシっとした感じ、しっかりした感じ」を感じました。
対してこちらはやや軽快。ストラトから持ち替えたとしても、あんまり違和感はない印象です。
ただ、ストラトよりも存在感のある太さは感じます。

個人的にですが、シングルコイルはピシッとした「シャープペン」のような印象で、ハムバッカーは「筆」のような印象を持ちました。
細く鋭く精密に描ける、ただし太さは出しにくい、というシングルコイルと、太く厚く、ただし周囲はじわっと滲んで広がる、というハムバッカーですね。
どっちが良いかはお好みです。


して。
品名に含まれる「Murphy Lab」ってなんやねん、という話です。
私は「なんとなく名前は見た事あるけどよく知らない」という状態でした。
お店の人から聞いた話と後から調べた話をまとめて、忘れないうちに書いておきます。

マーフィーラボはギブソンカスタムショップ内のチームの一つで、なんと「フィニッシュのエイジング」専門の部門だそう。
要は最後の仕上げを担当する箇所、ですね。
今ギブソン公式サイト見たんですけど、多分Fenderにおけるマスタービルダーの事を「マスター・アルティザン」って呼ぶんですね。かっこよ。
そんなマスターアルティザンの1人、トム・マーフィーさんがリーダーだから「マーフィーラボ」。分かりやすいですね。
ちなみにこのマーフィーさんはギブソンカスタムショップの立ち上げ時のメンバーらしいです。ヒスコレ開発のプロジェクトリーダーとかも歴任。

そういえば。
Fenderカスタムショップのレリック加工は、実は担当したビルダーによって結構違うらしいです。
先月のギタマガのFenderカスタムショップ特集のインタビューでは「レリックを見れば誰が作ったのか分かる」という旨の発言をしているマスタービルダーの方もおりました故、「見る人が見れば結構違うんやろな」と。
それに対して、ギブソンは1つのチーム、マーフィーラボが全てのエイジングを担当する、と。
こんなところにも違いがあって面白いですね。

まあ要は、「レリック」って書く代わりに「マーフィーラボ」って書いてある、と考えればよいですね。
マーフィーラボって書いてあったらレリック加工ありです。


さて、「マーフィーラボはフィニッシュ担当」と書いていました。
「ギター本体はどないすんねん」とお思いでしょう。
実は本体自体はカスタムショップのレリックの無いものと同じだそうです。
「なーんだ、じゃあ加工の有無だけやん」となりそうですが、実はレリックのあるなし、つまりはカスタムショップとマーフィーラボで違うところがまだありまして。
それは塗装です。
マーフィーラボは「経年変化の再現」という観点から、塗装を当時使っていたものとなるべく、場合によっては全く、同じものを使用しているとか。
通常のカスタムショップで使われているラッカーとマーフィーラボのラッカー(言い換えれば、当時使われていたラッカー)では、今のものの方が柔らかいんだそう。
「柔らかい分、割れにくさは上がっているがその分ボディー本体の振動を少し吸収してしまう。(マーフィーラボの)硬いラッカーはそれを妨げずに振動してくれる」という店員さんのお話でした。
音の傾向としては(もちろんどちらも良いものですが、と前置きされました)、「通常のカスタムショップの方がややまとまりのある音、マーフィーラボの方がよりオープンな広がりのある音」というお話でした。
ビンテージの再現、という観点から行くとマーフィーラボ一択になりそう。
是非、弾き比べて好きな方を選んでください。

……まあ、普通のよりも高いですけどね、マーフィーラボ。「こっちのが好き!」って方は頑張って買ってくだされ。
ちなみにエイジングが強い程値段が上乗せされます。まあこれはフェンダーも同じですね。

私自身、派手なレリックが趣味じゃなくてよかったです。
レスポールのウルトラヘビーエイジド(一番加工度合いが高いやつ)とか、100万超えてましたからね。私の買ったSGの1.8倍ぐらいですよ。
ちなみに私のはウルトラライトエイジド、一番加工が軽いやつです。塗装の欠けとかは正直あんまり好きでないので、これで良かったと思いますわ。
ですがウェザーチェックやマエストロヴァイヴローラのくすみなど、雰囲気たっぷりです。カッコいい。本当にカッコいいな………ええなあ………。
ギブソンの中では青系の色ってかなり珍しいですからね〜、ありがたい。

あ、そうだ。
軽いレスポールをお探しの方、カスタムショップ製のものを探してみる事をおすすめします。
材の選定のおかげで、比較的軽めなもの(4kgを切る)も多いらしいので。
自分が弾かせてもらったレスポールも「ストラトと大差ない」くらいの重さでしたよ。

マエストロヴィヴラートに関してはこれから仲良くなっていきます。


あとタイトルの軍手は「手が滑らないように」と「ハードケースは素手で運ぶべきではない」のダブルミーニングです。自戒。

といったところで、本日の記事を終わります。
それでは、これを読んだ皆様がより良い機材に出会えますように。

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