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耳や目に障害を持つ方の観劇について。

演劇。文化であり芸術であるというのならば、それはすべての人に等しく開かれるべきである。そう思う。

演劇は誰のものか

演劇の販促について考え発信するようになって以来、様々な課題が見えるようになった。「創客や集客を気に掛ける割に制作側がお客様を選んでいる部分があるな」とか、「果たしてどこまで観劇のハードルを下げる意識を持っているのだろうか」とか。

「へりくだってでも足を運んでもらうべき!」という意味ではなくて。「演劇は舞台芸術」と言うのならモンスターカスタマーはふるいに掛けつつ、すべての人に等しく開かれるべきだよねって思ったのがそもそも。劇場に運ぶか運ばないかはユーザーの意思であるけれども、作り手側が「万人を受け入れる体制」を整えることを目指すというのは必要だなあと。

手話通訳士の方が教えてくださった

そんなことを考えていた矢先、ひょんなキッカケから手話通訳士の方とメッセージのやり取りをする機会がありまして。「大手商業だとそういったサポート体制を持っている団体もあるのだよ」と教えていただき「あ!そうか!大手なら設備も人件費も確保できるし、積極的なところは既に仕組みを持っているのか!」と思ったのでした。(※日頃自身が携わるのが小劇場ばかりなのですっかり失念していたよ。)

そして、手話という言語について。手話は視覚言語だから音声言語と同様、国や民族による違いや、年齢(若者と高齢者)などでも違いがあるのですって。その方はまた、「ろう者特有の文化がある」ということも教えてくださいました。

小規模商業や小劇場の場合

商業演劇の中でも小規模なものや小劇場の場合、実際にそれだけの設備や人件費に投資できるだけの体力があるかと問われれば「皆無」と即答レベルだと思うのだけど、導入のハードルの高さはさて置いて、これを意識するかしないかは後々大きな違いになってくるのだろうなと思う。学習・習得を含め「いずれ実現させるべく下準備を進めてゆく」ことはね。

私の場合は知っているところに新国立劇場演劇研修所出身者が居るから辛うじてこれには気が付いた。ま、気付いた時には終わっていたので実際どんな対応があり、どんな工夫がなされているかなどの具体的な部分は何もわからないのだけれどもさ……。

自分の環境と物覚えの悪さ

自分の周り、すぐ近くには視覚にせよ聴覚にせよ障害を持つ人がおらずいまいちコミュニケーションを取るためにどんなことが必要かという感覚がわからなかったり(理屈はわかっているのだけれど感覚的にはピンと来ない感じ)、学び方を調べるところからのスタートだったり、いかんせん物覚えが悪過ぎたりと既にハードルはかなり高め。ゆえに習得はだいぶ先になりそうですが、少しずつ知識と理解を深められたらと思っています。絶対に知っておいた方がいいことだもの。

表方にもおすすめするよ

裏方も裏方、演劇公演においても絶対に人前に出ることの無いセクションの私ですらそう思うワケで、表方は尚のこと身に付けておいた方がいいんじゃないだろうか。表の人々はインプットやアウトプットなど「習得するための脳ミソ」が絶対的に強いはずですし。複数の言語が扱えるということは活動してゆく上で本人の強みにもなるしね。

演劇業界がホームの方たちには、観劇サポートを実施している団体や劇場などの情報も入ってきやすいことでしょうし。(逆に私はそういう情報を得にくいのでシェアしていただけると助かります。)

調べてみたいこと

それで言うとあれだ。サポート情報がどこで調べられるのか、障害を持つ方たちがどうやって公演情報を得ているのか、それも調べてみたい。ポータルなどでも調べられるのか、それとも団体や企画に属している情報であるのか、独自のコミュニティがあるのか、そのあたりも。自身の活動と好みで言うと大手商業にさほど興味がなかったけれど、勉強兼ねて足を延ばす機会も必要だ。

さいごに

障害を持つ方の観劇について、とりとめなく今思うことや感じたことを書き連ねてみました。今回記したことは、まだ自分の中でも十分に思考・整理されておらず、記事にすることを見送っていたテーマ。そういった状況であるのになぜ書いたかといえば、きっかけはTwitter。いろいろ準備不足な感はあるのですが、これもご縁かな、タイミングかな、と言葉にしてみたのでした。

もともと、Twitterの瞬発力・ともすれば攻撃的になりがちなところ(相手のことを理解しようとするより先に粗探しっぽくなったり言いっ放しになりがちなところ)を敬遠しているし、怖いなと思っている自分がこんな行動・コミュニケーションに乗り出すとは思わなかった。ましてや最近ちょっと怖い思いをしたことがあって神経質になっていたので本当に想定外。

それはたぶん、根底・常に「演劇に関することで誤解とかすれ違ったままだったら悲しいな」「一人でも多くの方に演劇という世界に触れてもらいたいな」と思っているところがあるからなんだろな。「学生時代から演劇やっていました!」でもなければ「演劇がなければ生きていけない!」というタイプでもないのにね、不思議なものです。とりあえず今の自分にとっては大切なものであるのだろうと。そんな気付きもあったりして。

ご縁とタイミング、そして最後までお読みいただいたあなたへ感謝をこめて。お付き合いいただきありがとうございました。

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