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2.5次元・イケメン舞台の楽しみ方。馬鹿にする人、愛着をもつ人。

隙間時間に感想テキストを探していてふと思った。

先の舞台、「そんなところよく気がつかれましたね」というポイントまでチェックされていた方が存外多くてビックリするわ。いやしかし、こういうジャンルの作品を楽しめる人と言うのはどういうタイプ・どういう思考の人なのだろう。

あ。先の舞台ってタグステ『YOSHITSUNE ~呪われた英雄~』のことね。

ブログやSNSの感想文を読んでいて思ったこと。

これはもう本当にぼんやりと考えていたことをそのままテキストにしたものなので、的確なことばを使えているかという心配もあったりするのですが、フィーリングも大事にしたいということでTwitterに投稿した一連をメモとして残しておきます。

2.5次元とかイケメン舞台の楽しみ方とはどんなものか。どんな人がより楽しめるのか、いわゆる演劇通とか観劇マニアとかコアな演劇ファンとか、そういう類の人たちはどう受け取るのだろうか、そんなことを考えていて思い浮かんだこと。

2.5次元とかイケメン舞台をもっとも堪能できるのは「よく見ているけど執着しない層」かもしれない。もちろん楽しみ方なんて個人の自由だけど、推しに夢中で視野が狭くなるのももったいないし、技術と質ばかりを追って作品の面白さや満足度を手放してしまうのももったいないなと。個人的にはそう思う。
特に芝居の技術に関しては不安定さや発展の余地、含めてのエンターテイメントだしなぁ。外側から愛でて育ててゆくところを含めての楽しみ方とでもいいますか。完成されたエンタメをご所望ならミスマッチも当然で。
ただ、お客様の力をお借りして育ててゆくのは作品や役者のことであって。作品や役者に青さや未完成な部分があるということは、それを支えるスタッフチームは徹底し、完成度も高い仕事でサポートせにゃならん。それができない企画に成功はない。
上を目指さない・技術の向上に努めない役者、お客様に寄り添うことなく・金儲けのことばかりを考え・質の向上に努めない制作者に未来はない。これは私がいろんな現場を見てきたから言えること。2.5次元もイケメン舞台も、甘くないよ。
あとですね。単純に、向上心を忘れた人間にファンはつかないです。役者にせよスタッフにせよ。

なぜだかどうして下に見られるという謎

これ、2.5次元とかイケメン舞台にありがちなのですが、「いわゆる演劇通」「観劇マニア」「コアな演劇ファン」「古典や文学に強い役者」「きっちりかっちり勉強をしてきた役者」あたりに見下されたり馬鹿にされたりということがままあります。

アホか!と。

前述の通り、完成された隙のないエンターテイメントをお望みの方や、「技術!知識!頭脳!」みたいなテイストをお望みの方であれば、考えるまでもなくミスマッチ。それは観客ひとりひとり、役者ひとりひとり、個人がヨシとするものの違いですから「自分の方向性と合わないから見下す」とか「自分が求めているものと違うから馬鹿にする」みたいなことがあってはならないのだよ。何様よって。他人の価値観を尊重できない人は想像力がないのだなと思うし、演劇界隈にいて想像力が無いのはもったいないなと思います。

そして、これも「あるある」

それから「2.5次元とかイケメン舞台とか出たら売れるでしょ?」「そんなジャンルならちょろいでしょ?」という誤った認識とか。

大丈夫!

そんな風に甘く考えている人にはきっとオファーも行かないし、オーディションで通ったとしても思っているほどファンはつかないし、ブレイクもしないから!甘く見ている・舐めている・馬鹿にしている、そういうのは外に居ても結構見えているから!

そっちの裏出身だからこそ思うのか。

私自身、いわゆる出身国みたいなものですから、愛着があるというのは事実です。ハイクオリティーなエンタメ舞台に馴染みがあるし、敏腕制作の仕事っぷりも見てきているので、そういう意味でも目が肥えているというのもあります。そして、自分が誇りをもって携わってきた仕事を、同じ演劇業界にいる人間に馬鹿にされてきた。それが大きいのだとも思います。「あ、この人は他人の仕事を馬鹿にするんだ?尊重できないんだ?」とか「確かに役者の技術としては一級品とは言えないし、おぼつかない部分だってちょいちょいあるよ?でも他人の芝居を馬鹿にするあなたよりずっと真摯だよ?」って。そんな言葉や態度を向けられては悲しい気持ちになりながら。いまもしっかり愛しいからね、自分が携わっていない作品であったとしても。真剣さは他の舞台となんら変わらない。企画制作者側のビジネスセンスは問われるけども。

と、この話になるとどうもしつこくなってしまっていかんなぁと反省しつつ、記しておきたいことでしたのでザっと書いてみたのでした。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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