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公演前に○○○が欲しい。古典も、歴史も、語り継がれる名作も、独創的なファンタジーも。ありとあらゆる演目に言えること。

演劇のフライヤーや特設サイト、SNSや事前の案内。観にゆくか否かを決める時、その判断材料・判断基準の一つに『公演前の情報量』があると思う。

◎どんな役者が出演するのか
◎どんなスタッフが関わっているのか
◎どんなテイストの作品なのか
◎どんな内容の演目なのか
◎物販はあるのか
◎物販があるならどんなグッズが出るのか
◎企画意図はどういったものなのか
◎その公演の先に何を目指しているのか

上記は一例だけれども、とにかく、開幕前の段階でどんな作品か伝わってくる作品って極めて少ない。どこまで案内するか、演出・ネタバレの絡みもあるからあまり具体的には記せないとしても。

公演前情報発信の現状

現在普及している告知のスタイルは、せいぜいリードを掲載する程度のボリューム。演出にもネタバレにも届きようがないレベル。とても保守的。これはまぁ、第一報を出す時点で脚本が上がっていないだとか、稽古前・稽古期間前半などの段階で詳しいところが固まっていない・作り手にも方向性が見えていないという理由もあるとは思うけど。

ユーザーに熱が伝わっているか否か

ただ、これだとユーザーの立場から見た時に「おもしろそう!よし!観にゆこう!」とはなり難い。たとえば扱う戯曲が名作と呼ばれているもので、ユーザー自身もその戯曲・作家への造詣が深い・理解がある人ならばともかく、そうでない場合には企画自体がよほど興味深いだとかでもない限り心を揺さぶられないでしょう、引っ掛かりもしないでしょう。

演劇業界の悪癖、変なプライドの高さ。

この「わかる人だけわかればいい」という空気を言葉にせずとも濃厚に醸しつつ「観に来てください!(実は集客が……ヘルプ!)」という調子の良さが演劇業界の悪いところだと常々感じているのだけれど、どうなんでしょうかね。あなたは感じる?感じない?(※この矛盾と傲慢な振る舞いは作り手が思っている以上に受け手に気づかれやすい部分なので作り手の皆さまはお気をつけあそばせ。)

ライトユーザーに届きやすくするために

では、ライトなユーザーに届きやすくするにはどうしたらよいのか。これはもう、あの手この手で全方向からフォローするのが一番わかりやすいと思うのよね。ネタバレに抵触しないレベルでどのあたりに境界線を設けるかという難しさはあるだろうけども。

冒頭で記したポイントに注釈をつけてみる

これがすべてではないのだけれど、ひとつの考え方としてちょこっと説明・解説・改善案をつけてみます。

◎どんな役者が出演するのか→役者のプロフィールやメインのターゲットとなる層の興味を引きそうな作品・形式・ビジュアルで紹介。

◎どんなスタッフが関わっているのか→上記の役者紹介ほどまでは力を入れる必要は無いがターゲット層の興味を引きそうなキャリアの紹介など。

◎どんなテイストの作品なのか→キービジュアルの早期公開。その他ビジュアル要素、特設サイトやSNSカバー画像での世界観アピール。キーワードをちりばめたわかりやすいテキストで紹介。

◎どんな内容の演目なのか→どんなキャラクターが出て、どんな関係性で、どんなストーリーなのか。リード文と言うよりは設定を事前に教えるというイメージ。観劇当日に頭に叩き込まねばならぬ観客の負担も減る。かも。

◎物販はあるのか→あるなら早めにラインナップと金額の公開。物販を目的のひとつにするようなファンを抱えている団体の場合、グッズ代を工面するための時間を提供することもひとつの使命。

◎物販があるならどんなグッズが出るのか→名称と金額のみならず、サンプルイラストやサンプル写真などでもよいのでビジュアルがイメージできる形で情報発信。どんな形のどんなものなのかがわかるように表記。

◎企画意図はどういったものなのか→どんな目的をもってこの公演が企画されたのか。企画への賛同者や応援者をつくるイメージ。

◎その公演の先に何を目指しているのか→プロジェクトをムーブメントに仕立て上げるべく共犯者をつくるイメージ。ユーザーを巻き込むことで「自分も参加している」「一緒にお祭りを楽しんでいる」という気持ちでプロジェクトを応援してもらえるように。

どうだろ、伝わるかな??

今回の記事のタイトルの話。

この中から私が特に大切だと思っているものをひとつ抜き出して解説します。開幕前の期間で念入りに準備しておきたいのはこれなのだよねぇ。

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